ユーザーニーズを的確にとらえた魅力的な新製品が続々と登場
毎年恒例のPCパーツ100選をお送りする。1年のトピックを振り返りつつ、定番・注目製品の比較を通じて真のベストバイを探る内容だ。2011年を展望する上でも役に立つだろう。まずは2010年の自作シーン全体を振り返り、10大ニュースとしてピックアップしてみた。
第1位
6コアCPUが登場! ハイエンドに定着

2010年最大のトピックはこれだろう。PC向けCPUとして初の6コアCPUとなるCore i7-980X Extreme Editionが3月にリリースされた。PC向け初の4コアCPU(Core 2 Extreme QX6700)が登場したのは2006年11月のことだから、実に4年ぶりのコア増加。新しいステージへと大きな一歩を踏み出した。翌4月にはAMDからもPhenom II X6 1090T Black Edition/1055Tが登場し、IntelとAMD両社の6コアCPUが出揃っている。
Hyper-Threadingにより12スレッドの同時実行が可能なCore i7-980X Extreme Editionはその圧倒的なパフォーマンスで現行最速CPUとしての地位を確立し、マニアからの絶大な支持を受けた。一方、Phenom II X6はリーズナブルな価格設定でラインナップも順調に拡充し、ハイエンドブランドとして定着している。
第2位
USB 3.0、Serial ATA 3.0がマザーボードの標準装備に

転送速度5Gbpsに対応するUSB 3.0、同6Gbpsに対応するSerial ATA 3.0のニーズは登場当初から予想以上に高く、マザーボードのトレンドに大きく影響した。P55チップセットなどではPCI Expressの帯域が不足することからPCI Expressのブリッジチップを搭載するなど、実装の工夫もトピックになった。
第3位
DirectX 11対応GPUが出揃う 3DMark 11も登場

AMDに続いてNVIDIAからも普及価格帯までDirectX 11対応GPUが一通り出揃い、本格的にDirectX 11時代が到来した。テッセレーションなどを活用してリアルなグラフィックスを表現したFuturemarkのDirectX 11対応ベンチマークテスト「3DMark 11」も登場し、話題に。今後ますます発展が予想される。
第4位
IntelのCore i7/5に倍率可変のKモデルが登場! OCがさらに身近に

2010年6月にIntelから登場したCore i7-875K、Core i5-655Kは、Extreme Edition以外では初の倍率ロックフリーモデル。倍率アップにより手軽にOCが楽しめる「OC向けCPU」と言える存在だけに、Intelから普及価格で登場した意義は大きい。OC自体も自作PCの遊び要素の一つとしてすっかり定着した印象だ。
第5位
SSDの普及がますます進み、コストパフォーマンスも向上

SSDの普及が順調に進んでいる。コントローラの改良やTrimコマンドの対応など課題を克服した製品が定着し、安心して使えるようになってきたことが大きい。価格も緩やかに下降を続け、買いやすくなっている。
第6位
Clarkdaleコアがデビュー、GPUがCPU内蔵に

年明け早々にClarkdaleコアのCore i5/Core i3が登場。Core iシリーズのフルラインナップが揃い、ローエンドまでLGA775からの世代交代が進んだ。GPU機能をチップセットではなくCPUに統合したことも話題となった。
第7位
HDDの最大容量が3TBに、2.2TBの壁が話題に

HDDよりはるかに高速なSSDの普及を受け、HDDには性能より容量が求められる傾向が強くなっている。最大容量が3TBへ到達するとともに、2.2TBを超える容量を認識できない「2.2TBの壁」問題も浮上してきた。
第8位
電源の変換効率競争が過熱、80PLUS Gold対応製品も続々登場

80PLUSの認知が広まり、高変換効率という要素がユーザーに強く支持されたことを受けて、メーカー間での高変換効率競争が激化。上位グレードの80PLUS Gold取得製品も続々登場し、めずらしい存在ではなくなってきた。
第9位
Mini-ITXマザー/ケースのバリエーション増加で小型PCが作りやすく

Mini-ITXマザーボードの多機能化に加え、対応PCケースも高性能ビデオカードやATX電源を搭載できるタイプなど多様化してきた。サーバーなど限定された用途にとどまらず幅広い小型マシンが作れる環境ができつつある。
第10位
低価格VA/IPS、立体視などで液晶ディスプレイ市場が活性化

残像の少ない倍速補間表示や3D表示に対応した製品が登場。さらに、高コントラストのVA方式や広視野角のIPS方式など、高画質パネルを採用する低価格モデルが続々登場して注目を集めている。