大型ファンが当たり前に Mini-ITXケースが充実
6コアや内部倍率が変更できるCPUが人気を集め、高性能な新GPUが続々と発表されるなどの流れを受けて、2010年のPCケースで目立ったのは冷却性能を強化した製品だ。ゲーマー向けの大型ケースでは、20cm以上の超大型ファンを複数搭載する製品もめずらしくない。一般的なミドルタワーケースでも12cmではなく14cmサイズを装備するケースが増えた。メッシュパネルを多用して外気を取り込みやすくしていることも多い。発熱が大きなハイエンドビデオカードを搭載して、PCゲームを思う存分に楽しみたいのであれば、冷却性能はやはり重要なチェックポイントとなる。
そのほかには、SSDを搭載できる2.5インチデバイス用スペースや、ドライバーを使わなくても組み込みやメンテナンスがしやすいツールレス構造が、低価格ケースにも浸透した。さらには、USB 3.0への対応も進んでいる。大容量の外付けストレージを活用するために、今後は必須項目になるだろう。今から購入するならUSB 3.0対応モデルにしておけば後悔はない。
新たな盛り上がりとして、Mini-ITX対応ケースが大幅に増えたこともトピックの一つだ。コンパクトながら冷却性能を重視したケース、3.5インチHDDをたくさん搭載できるサーバー向けケースなどタイプもいろいろで、小型でも性能に妥協しないPCが組めるようになった。
PCケース選びのチェックポイント
1. 冷却重視ならメッシュパネル
静音重視なら密閉型

冷却能力重視なら、パネルに無数の小さな穴があいているメッシュタイプがよい。逆に静音性を重視するなら、開口部が少ない密閉タイプを選ぶことになる
2. 大型ファンがあれば
静かにしっかり冷却できる

20cm以上の大型ファンを複数搭載し、冷却性を高めた製品が増えている。ビデオカードの発熱の増加に対応するためであり、PCゲーマーは要注目だ
3. ビデオカードやCPUクーラー
と内部のサイズは要チェック

ハイエンドビデオカードの長さは年々長くなっている。ケースの奥行きやシャドーベイの位置、構造などを購入前によくチェックしておこう
4. ツールフリー機構なら
組み込み作業も楽々

工具を使わずに、ドライブや拡張カードを搭載できるケースが増えた。組み慣れていない初心者はもちろん、頻繁に作業を行なう上級者にもうれしい機能だ
5. SSDを使うなら
2.5インチベイは必須

2.5インチデバイスを3.5インチベイに搭載できるマウンタや、シャドーベイに専用のネジ穴を追加するなど、SSDの搭載を前提にしたケースが増えてきた
6. メンテナンスホールがあると
CPUクーラーの交換に便利

マザーボードベースのCPUソケット付近に穴を設け、マザーボードを外さなくてもネジ止め式のCPUクーラーを裏側から交換しやすくする機構だ
7. 電源のレイアウトや配線は
エアフローにも影響する

外気を直接取り込んで電源の冷却を行なえる底面配置や、ケーブルの配線をマザーボードベースの裏側を使って行なえる裏配線はエアフローを改善してくれる
8. 高速な転送速度を誇る
USB 3.0に対応しているか

理論値でUSB 2.0の10倍以上の転送速度となるUSB 3.0対応のフロントポート。外付けストレージなどで今後は対応製品も増えてくるので、あると便利だ