まとめ
クラス別に最適なCPUを選択 トータルバランスがカギに
各クラス別に旬のCPUを検証してきたことでそれぞれの個性が見えてきた。簡単に優劣は付けられないが、ここではあえてお勧めを絞って挙げてみたい。
ハイエンドの基準は性能を第一に見るべきだろうが、価格にも許容範囲があって然るべきだ。全体の相場から大きく逸脱した価格のCore i7-980X XEよりもPhenomII X6 1090T BEのほうが適当と考えた。同じ6コアのPhenomII X6 1055Tもよい製品だが、Core i7-860 の定番の座を脅かすには今一つパンチ力が足りない印象だ。また、低価格クラスではとくに取り上げていないが、あえてどちらかと言われれば、GPU搭載マザーボードを含めたシステムのバランスを考えてAthlonII X4 605eを推したい。
性能が欲しければハイエンドCPUで決まり!
PhenomII X6 1090T Black Edition
現実的なハイエンドCPU
ハイエンドクラスの2製品は個性がハッキリしている。性能で言えばCore i7-980X XEが突き抜けているのは間違いない。ただ、あまりにも価格が高過ぎる。この価格差が性能の差に見合うものかどうかはユーザーの判断しだいとしか言いようがないが、ここでのお勧めとしては、やはり消費電力や価格にも配慮して、PhenomII X6 1090T BEのほうが適当と考えた。
バランスを取るならミドルレンジCPUで決まり!
Core i7-860
定番にふさわしい万能度
PhenomII X6 1055Tも大いに興味を惹かれる魅力的なCPUであるが、やはりお勧めとしてどちらかに絞れと言われればこちらが適当だろう。性能面ではシングルスレッドでもマルチスレッドでもPhenomII X6 1055Tを確実に上回り、ハイエンドCPUほど扱いづらい発熱もなく、スキのない完成度を誇っている。PhenomII X6 1055Tに比べてやや割高ではあるが、この程度なら許容範囲と言えるはずだ。
エンコード中でも快適操作!
アプリによって使用コア数を固定する方法
タスクマネージャーのプロセス(アプリケーション)画面では、プロセスごとに使用するCPUコア(スレッド)を指定することができる。4コア同時処理に対応しているアプリケーションにあえて2コアのみを割り当てれば、そのアプリケーション実行中でもほかの2コアがフリーで動けるため、より柔軟な運用を期待できる。
下のベンチマークテスト結果は、エンコードをしながらPCMark05を実行させたときの結果だ。エンコードに2コアのみを割り当てたときのほうがスコアがハッキリよくなっているのが分かる。
ただ、タスクマネージャーではプロセスが一旦終了すると設定をいちいちやり直す必要がある。起動するたびに設定し直すことなく、割り当てを行なえるツールとして「Process Lasso」(http://www.bitsum.com/)があるので、頻繁に設定を変えるなら試してみてはいかがだろうか。
〔1〕タスクマネージャーを起動する
割り当てを指定したいアプリケーションを起動している状態でCtrl+Alt+Deleteを押してタスクマネージャーを起動。「プロセス」タブから該当アプリケーションを選択し、右クリックメニューを表示させる
〔2〕「関係の設定」を変更
右クリックメニューから「関係の設定」を選択すると画面のような表示が現われるので、チェックボックスで使用コア(スレッド)を変更すればよい
【検証環境】CPU:Intel Core i5-750(2.66GHz)、ASUSTeK MaximusIII GENE(Intel P55)、メモリ:ノーブランド PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2、ビデオカード:玄人志向 GF-GTX260-E896HW(NVIDIA GeForce GTX 260)、HDD:Seagate Barracuda 7200.11 ST31000333AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、1TB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版