中核
性能・機能・コスト、バランスの重心を
どこに置くかで性格が決まる
- 600W
- 80PLUS Gold
Enermax
PRO87+ EPG600AWT
実売価格:17,000円前後
問い合わせ先:03-5812-5820(リンクスインターナショナル) URL:http://www.enermaxjapan.com/大口径14cm角ファン採用の80PLUS Gold取得電源
2次側の出力回路は、子基板が何枚も立っている。2次側回路実装を工夫し、出力ケーブルの取り付け部分をコンパクトにまとめて、すっきりとした実装となっている。メイン基板は両面タイプのガラスエポキシ基板を採用
Specification
ファン:14cm角×1(底面)
電源コネクタ:ATX24ピン×1、EPS12V×1、ペリフェラル×6、Serial ATA×7、PCI Express 6+2ピン×4、FDD×1
本体サイズ(W×D×H):150×160×86mm
+12V出力は25Aの3系統という仕様。+5Vsbについては3Aになっている
ここがポイント
大口径ファンをコントロールして高い静音性を実現
14cm角という大口径に加えて、高度な速度コントロールにより、回転速度が330~1,000rpmの範囲で変化する。低負荷時はほぼ無音だ
PRO87+ EPG600AWT 採点:10
メリット:省エネ&低発熱
比較的安価で80PLUS Gold認証取得の電源が購入できる点が最大のメリット。機能も充実している。
デメリット:とくになし
定格出力がやや控えめという以外はデメリットと言えるほどのものはない。
中核
- 650W
- 80PLUS Bronze
Antec
TruePower New TP-650AP
実売価格:15,000円前後
問い合わせ先:03-5812-5820(リンクスインターナショナル) URL:http://www.antec.com/エアフローに有利なプラグインケーブルを採用
メイン基板はレジストが褐色のため、見た目はほかの電源と異なるが、ガラスエポキシ基板である。1次側の平滑コンデンサには日本ケミコンの420V470μFのものが使われている。最近の出力600Wクラスの電源として標準的な仕上がりの製品である
Specification
ファン:12cm角×1(底面)
電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX12V×1、EPS12V×1、ペリフェラル×9(最大)、Serial ATA×9(最大)、PCI Express 6+2ピン×2(最大)、PCI Express 6ピン×2(最大)、FDD×1
本体サイズ(W×D×H):150×150×86mm
+12V出力は4系統に分岐。出力は1・2系統目が22A、3・4系統目が25Aとなっている。ストレージの増設などを前提とした構成だ
ここがポイント
必要なものだけ接続できる プラグインケーブルを採用
ATX電源コネクタやEPS12Vコネクタなど基本的なケーブルは本体直付け。追加のSerial ATAやPCI Expressコネクタなどはプラグイン方式だ
TruePower New TP-650AP 採点:8
メリット:予算を抑えた静音電源
静音性が高く、定格出力も一定以上あり、実売価格が安価。ケースメーカーの製品だけあり、ケーブル配線もしやすい。
デメリット:省電力性はやや見劣りする
80PLUS Bronze取得にとどまることもあり、省エネ効率は上位クラス取得製品と比べると不利な部分も。
省エネ静音ならEnermax コストパフォーマンスならAntec
80PLUS Gold認証を取得した製品は比較的高価なものが多いが、EPG600AWTはその中では手の出しやすいモデルだ。機能面でも電圧の変化の追従性を高め、安定度をアップした「Dynamic Hybrid Transformer Topology」の採用や低騒音ファンといった部分が特色となっている。
TP-650APは、650Wという十分な出力を備えつつも、実売1万円台半ばで購入できるコストパフォーマンス重視型の製品。機能としては、80PLUS Bronze取得、増設用途となるコネクタケーブルはプラグイン式で追加できるため、エアフロー改善に役立つ。加えて、各出力の最小負荷値を0Aに設定することにより、急激な電圧変化が原因で起きるパーツの相性問題への対策も取られている。
PRO87+ EPG600AWT
電圧の低下はほとんどなく、すべての項目で+12Vを上回っている。変動範囲は0.05V前後で細かな山も少なく安定度は高い
TruePower New TP-650AP
ピーク時に電圧が多少上下する場面はあるが、ベンチマーク負荷による変動範囲はこちらも0.05V前後と少なめで安定している
80PLUS Gold取得のEPG600AWTは消費電力が非常に低いのが分かる。80PLUS Bronze取得のTP-650APは不利な結果となっている
静音性に関しては、低負荷・高負荷ともに同じような結果となった。両製品とも非常に優秀と言える
こんなパーツと組み合わせたい!
CPU
Intel
Core i7-980X
Extreme Edition
実売価格:105,000円前後
CPU
AMD
PhenomII X6 1090T
Black Edition
実売価格:35,000円前後
6コアCPU登場! 電源で気を付けるべきことは?
自作PCでも6コアCPUが使える環境が整った。下のグラフを見ても分かるように、6コアCPUはクアッドコアCPUよりも消費電力が大きく、電圧の安定性も求められる。ここで紹介した中核クラスの2製品は、一定以上の品質を保ちつつも両製品とも+12V出力が複数の系統に分かれた標準的な作りであるため、ほかのパーツに影響されることなくCPUへの電力を独立して提供できる。6コアCPUを安定動作させるにはぴったりの電源と言える。
【6コアCPU検証時の環境】マザーボード:ASUSTeK RampageIII Extreme(Intel X58+ ICH10R)、メモリ:Corsair Memory CMD8GX3M4A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×4 ※3枚のみ使用)、ビデオカード:MSI R5870 Lightning(ATI Radeon HD 5870)、HDD:Seagate Barracuda 7200.12ST3500418AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)、電源:Enermax PRO87+ EPG600AWT、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版、アイドル時:OS起動後15分後の値、高負荷時:3DMark Vantage Build 102を実行中の最大値