中核
性能と価格のバランスを取るならミドルレンジクラス
- Socket AM3
- 2.8GHz
- TDP 125W
- 6コア
- 6スレッド
- 45nm
AMD
PhenomII X6 1055T
実売価格:22,000円前後
問い合わせ先:0053-165-0441(日本AMD) URL:http://www.amd.co.jp/目新しい要素が満載 お買い得価格の6コアCPU
PhenomII X6シリーズの下位モデル。上位モデルのPhenomII X6 1090T Black Editionに比べてグッと価格が抑えられており、お買い得感が高いのが特徴だ。マルチスレッド処理の性能も期待できるほか、シングルスレッド処理時などに自動で動作クロックを上昇(1055Tでは500MHz)させるTurbo COREなど、4コアのPhenomII X4より機能的にも優れている。
自動的にクロックアップを行なうTurbo COREに注目
いくつかのコアが低負荷状態になり、電力に余裕ができた場合に、自動的に半分の3コアのクロックを上昇させる。画面のAMD OverDriveにて1055TのTurbo COREの効きを確認できた
PhenomII X6 1055T 採点:7
メリット:コストパフォーマンスが高い
各スコアはCore i7-860には一歩譲るものの、ハイレベルのパフォーマンスには違いない。実売価格の差を考えると十分お買い得である。
デメリット:性能面がもう少し
せっかく6コアCPUなのに、4コア(8スレッド)のCore i7-860にマルチスレッド処理性能でも劣ってしまうのは少しもの足りないか。
中核
- LGA1156
- 2.8GHz
- TDP 95W
- 4コア
- 8スレッド
- 45nm
Intel
Core i7-860
実売価格:27,000円前後
問い合わせ先:0120-868686(インテル) URL:http://www.intel.co.jp/8スレッド+Turbo Boostの万能タイプ
ミドルレンジクラスのド定番
性能、価格のバランスのよさから長い間高い人気を誇っているロングセラーCPU。クアッドコアとHyper-Threadingによる8スレッド同時実行が可能でマルチスレッド処理性能が高く、またTurbo Boostの効果でマルチスレッドに最適化されていないアプリケーションも高速に処理できる。消費電力もそれほど高くなく、冷却を工夫すれば静音化も十分可能な万能CPU。
HTで8スレッド同時実行
Hyper-Threadingをサポートしており、4コアで8スレッドの同時実行が可能。マルチスレッド処理対応のTMPGEnc 4.0 XPressといった動画エンコードソフトなどにおいて強みを見せる
Core i7-860 採点:8
メリット:さすがの完成度
定番的な人気を誇っているCPUだけに完成度の高さが目に付く。日常用途は快適に、高負荷用途も水準以上に高速にこなせる万能CPUだ。
デメリット:価格が少し高い
性能面は文句ないが、最近のCPUの価格からすると少し価格が高止まりしていて買い得感は今一つ。逆に言えばそれくらいしか欠点がない。
日常用途と高負荷用途の性能を検証する
それぞれのCPUの特性を見るため2種類のテストを行なった。まず日常的な処理をシミュレートするPCMark05のCPU Test Suiteは一部を除きほとんどシングルスレッド処理が中心のテストだ。PhenomII X6 1055TはTurbo CORE、Core i7-860はTurbo Boostと、シングルスレッド処理を高速化する機能を搭載しており、結果はCore i7-860に軍配が上がった。最大クロックがCore i7-860のほうが3.46GHzと高く、またTurbo Boostのほうが作動する頻度も高いので順当なところだろう。
一方、高負荷用途のテストとして、TMPGEnc 4.0 XPressでのトランスコードを実行。マルチスレッド処理性能に大きく左右されるテストだが、6コアと4コア8スレッドのCPUでは後者のCore i7-860のほうが高速だった。それでもPhenomII X6 1055Tも4コアのAthlonII X4 605eと比べると70%以上高速で、6コアならでは性能が実証されていると言える。
こんなパーツと組み合わせたい!
- Socket AM2/AM3
- ファンコン付き
- LGA775/1156/1366
CPUクーラー
サイズ 夜叉クーラー
実売価格:3,800円前後
クーラーチェンジで冷却性能アップ!
CPU付属のリテールクーラーは冷却性能が高くない。大口径ファンを使ったサードパーティ製クーラーを使うと静音性と冷却性能を両立できる。実際の効果は下のグラフのとおりで、ほとんど聞き取れないレベルまで回転数を絞ってもリテール品より低い温度で運用できた。
つまみで回転数を制御
ケースのバックパネルから回転数を調整できる拡張ブラケットタイプのファンコントローラが付属している
【検証環境】マザーボード:ASUSTeK Crosshair IV Formula(AMD 890FX+SB850)、ASUSTeK M4A88TD-V EVO/USB3(AMD 880G+SB850 ※AthlonII X4 605eに使用)、ASUSTeK RampageIII Extreme(Intel X58+ ICH10R)、ASUSTeK MaximusIII Formula(Intel P55)、ASUSTeK P5QPL-AM(Intel G41+ ICH7)、メモリ:Corsair Memory CMX8GX3M4A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM、2GB×4 ※RampageIII Extremeは3枚使用、ほかでは2枚のみ使用)、UMAX Pulsar DCDDR2-4GB-800(PC2-6400 DDR2 SDRAM、2GB×2 ※P5QPL-AMで使用)、ビデオカード:ATI Radeon HD 5770リファレンスカード(GPU非搭載マザーでのみ使用)、HDD:Seagate Barracuda 7200.12 ST3500418AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版
※温度はASUSTeKのマザーボード付属ユーティリティのPC ProbeIIから読み取っているが、IntelとAMDのCPUでは内蔵温度センサーの仕様が異なり、マザーボードも異なるため、CPU温度の直接比較には適していない。あくまでも同一CPU同士の相対的な変化を見てほしい。また、CPU温度測定のグラフにある「High」は付属ファンコントローラのつまみを最大に回した状態、「Low」はつまみを最低に回した状態での測定となっている。