基本性能とともに拡張性も重視
まずは誰にでもお勧めできるオーソドックスなプランだ。CPUにはSandy Bridgeの現行モデルでは最高クロックの「Core i7-2600」を選択。ビデオカードも最新のアッパー寄りのミドルクラスなので基本性能はケチの付けようがない。PCケースが優秀なので拡張性が高く、作業も容易、冷却能力にも不足は生じにくいだろう。予算を抑えたい場合には、リテールクーラーのままで、SSDやビデオカードのクラスを下げてみるのもよい。
【Standard PC】
Core i7-2600で組む新世代スタンダードマシン
- A:イマドキのネットゲームを快適に楽しみたい
B:OSや日常的な作業をよりスピーディに行ないたい
C:アップグレード後も安心して使いたい
D:やっぱりUSB 3.0対応デバイスを使いたい


基本性能は最高で価格はお手頃なCore i7-2600が適任!
オーバークロック(OC)で限界を攻めないなら型番にKが付くモデルは必要ない。その意味では現行Sandy Bridgeで最高クロックながら、Core i7-2600Kより3,000円前後安く購入できるCore i7-2600が性能的に最適だ

内部は広く作業はしやすい。マザーボードベース裏側の背面配線を徹底すれば、エアフローも見た目もかなりよくなる。本構成での詳しい組み立て手順をこちらからのコーナーで紹介している
パーツ | 製品名 | 概要 | 実売価格 | |
---|---|---|---|---|
1 | CPU | Intel Core i7-2600 | 内部倍率がロックされているが、動作クロックは2600Kと同じ3.4GHz。TB時は3.8GHzまで上がる | 27,000円前後 |
2 | マザーボード | ASUSTeK P8P67 | スタンダードなIntel P67搭載マザー。合計4基までのUSB 3.0ポートを利用できる | 19,000円前後 |
3 | メモリ | Patriot Memory PSD38G1333KH | 安価になったPC3-10600(DDR3-1333)対応メモリをセレクト。4GB×2で合計8GB搭載 | 8,000円前後 |
4 | ビデオカード | Sapphire HD 6850 1G GDDR5 PCI-E DL-DVI-I+SL-DVI-D/HDMI/DP | AMDのミドルレンジGPU「Radeon HD 6850」を搭載。ディスプレイ出力ポートが多彩 | 20,000円前後 |
5 | システムドライブ | Micron Technology Crucial RealSSD C300 CTFDDAC064MAG-1G1 | やや容量は小さいが実売価格が安く、手軽にSSDの高速なリード/ライト性能を体感できる | 12,000円前後 |
6 | データドライブ | Western Digital WD Caviar Green WD20EARS | データドライブには1GBあたりの単価が激安の2TBモデルを選択 | 8,000円前後 |
7 | 光学ドライブ | LG Electronics WH10LS30K | BD-Rの記録速度は10倍速で十分。1万円という低価格が魅力だ | 10,000円前後 |
8 | CPUクーラー | Corsair Memory CAFA50 | 12cm角ファンのサイドフロータイプのCPUクーラー。ヒートパイプが8mm径と太い | 4,000円前後 |
9 | 電源 | サイズ 剛力3プラグイン 600W | プラグインタイプで必要なケーブルだけを接続できる。600Wで80PLUS Bronze認証取得 | 8,000円前後 |
10 | PCケース | Cooler Master HAF 912 Advanced | 20cm径の大型ファンを2基搭載して冷却能力に優れる。筐体は大きめで作業しやすい | 16,000円前後 |
11 | OS | Microsoft Windows 7 Home Premium 64bit版 | 8GBの大容量メモリを活かせる64bit版。一般用途ならHome Premiumで十分 | 13,000円前後 |
合計145,000円前後 |
【問い合わせ先】
Intel:0120-868686(インテル)/ http://www.intel.co.jp/
ASUSTeK:news@unitycorp.co.jp(ユニティ)/ http://www.asus.co.jp/
Patriot Memory:inf@fastcorp.co.jp(ファスト)/ http://www.patriotmem.com/
Sapphire:03-5215-5650(アスク)/ http://www.sapphiretech.jp/
Micron Technology:03-3206-0806(エスティトレード)/ http://www.crucial.com/
Western Digital:—/ http://www.wdc.com/jp/
LG Electronics:info@mvkc.jp(エムヴィケー)/ http://jp.lge.com/
Corsair Memory:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ http://www.corsair.com/
サイズ:support@scythe.co.jp/ http://www.scythe.co.jp/
Cooler Master:support@cm-industry.co.jp(CMインダストリー)/ http://www.coolermaster.co.jp/
Microsoft:0120-41-6755(マイクロソフト)/ http://www.microsoft.com/japan/
組み立て時の注意点
結束バンドやフックを活用

ほぼすべてのケーブルが背面に回る。複数のケーブルが集中すると、そこが膨らんで側板が閉めづらくなるので束は適度に分散しよう。結束バンドやケースのフックを利用したい
CPUファンは上向きに設置

今回選んだHAF 912 Advancedでは天板に20cm径の大型ファンを搭載している。CPUの発熱をより効率的に外部に逃がすため、ファンを上向きにして設置した
パフォーマンスチェック


重量級のネットゲーム 「FFXIV」もOK
前作に比べ表現力が飛躍的に高まったが、描画の負荷も高くなった「FINAL FANTASY XIV OFFICIAL BENCHMARK」を実行させてみたところ、LOWなら6,136で「とても快適」、Highでも3,594で「やや快適」。重量級のPCゲームも十分楽しめるPCであることが分かる。

SSDとHDDの二刀流がイマドキのスタンダード
OSとよく使うソフトウェアは、容量は少ないがリード/ライト性能が高速なSSDに保存。自分で作成したデータや容量の大きなPCゲームは、2TBのHDDに保存する。速度と容量を両立するこの「ストレージ二刀流」を、これからのスタンダードとして運用したい。


将来的にはオーバークロックも
複数ビデオカードも対応可能
このままでも十分高性能なマシンではあるが、1年後、2年後にちょっともの足りなくなってきたな、と感じることがあるだろう。そういうときでも今回の構成なら大丈夫。前面と天板には20cm径の大型ファンを搭載しており、冷却性能は非常に高い。OCを楽しみたくなったらKモデルに差し換えればよい。側面には14cm角ファンを追加搭載可能なので、ビデオカードを2台導入することになっても、その発熱に十分対応できる。

USB 3.0ポートが前面で使える
前面にUSB 3.0ポートを装備しており、簡単にUSB 3.0対応デバイスを利用できる。USB 3.0対応のUSBメモリやポータブルHDD、HDDケースなども価格が下がってきており、環境は整いつつある。

【検証環境】
CPU:Intel Core i5-661(3.33GHz)、マザーボード:ASUSTeK P7H55-M/USB3(Intel H55)、メモリ:Corsair Memory XMS3 CMX8GX3M4A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:MSI R5770 Hawk(AMD Radeon HD 5770)、HDD:Seagate Barracuda 7200.12 ST3500410AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)、電源:Corsair Memory CMPSU-850HXJP(850W)、OS:Windows 7 Home Premium 64bit版