ゲームでも高性能
コアそのものの性能の高さが光る
マルチスレッド処理では
6コアにおよばない
CINEBENCH R11.5のレンダリングテストは、シングルスレッドで処理を行なう「CPU(シングルコア)」のスコアに注目。Sandy Bridgeは、第1世代Core iに比べてシングルスレッドの性能が非常に高いことが分かる。また、Sandy Bridge同士の比較ではCore i5-2300よりもCore i5-2400Sがスコアがよく、2400に近いスコアを出している。シングルスレッドの処理では基本クロックではなく、Turbo Boostの上限クロックで序列が決まることがよく分かる。
ただ、マルチスレッドに最適化された「CPU」のスコアでは、やはりコア数や同時処理スレッド数の差を覆すまでにはいたらない。さすがに6コア12スレッドのCore i7-980X Extreme Editionが強く、また4コア4スレッドの第2世代のCore i5よりは、4コア8スレッドの第1世代のCore i7のほうが少しではあるがスコアがよい傾向だ。それでも、4コア8スレッドのCore i7-2600K/2600が、6コア6スレッドのPhenomII X6 1100TBlack Editionを1pt以上上回るスコアをマークし、前世代の同格であるCore i7-875Kに26%の差を付けるなど、SandyBridgeコアのよさは疑いようがない。
3Dゲーム性能の目安としてはロストプラネット 2ベンチマークを利用した。DirectX 11世代の最新タイトルがベースでビデオカードに依存する部分も大きいためあまり明確な差は出ていないが、それでもCore i7-2600K/2600 は、Core i7-980X Extreme Editionと小差、高解像度では上回っている。Core i5-2500Kや2400もCore i7-875Kと互角以上と、それなりのアドバンテージを感じる結果だ。
フラグシップに迫る性能
H.264エンコード速度はトップクラス
エンコード性能も強力
HTML5テストでも良好な結果

ペガシスの「TMPGEnc Video MasteringWorks 5」はSandyBridgeの新機能「Intel Quick Sync Video」に対応した最新エンコーダだ
Sandy BridgeはGPUコアにハードウェアエンコーダを内蔵していることが大きな特徴だが、ここではその性能ではなく、CPUによる一般的な動画エンコード性能を見てみよう。フルHD解像度のWMVムービー(10Mbps)をMP4ファイル(H.264/512×288ドット/1Mbps)に変換するのにかかった時間を計測している。これもマルチスレッド性能を大きく反映する内容だけにトップはやはり6コアのCore i7-980X Extreme Editionだが、その後はCore i7-2600K/2600が小差で続き、Sandy Bridgeの優秀さがうかがえる。Core i5-2400Sは動作クロックの低さが響いて、Sandy Bridgeの中では成績が悪いが、それでもPhenomII X6 1100T BEよりもよいのだからコア能力の高さは確実である。
WebVizBenchはオンラインで実行できるHTML5のベンチマークテストである。リッチコンテンツを含むWebブラウズの快適度の目安として実行してみた。WebブラウザにはInternet Explorer 9 βを利用している。絶対値としては大きな差ではないものの、Sandy Bridge勢は第1世代のCore iシリーズに比べて確実によいスコアをマークしており、Core i7-2600K/2600は、6コアのCore i7-980X Extreme Editionを上回るスコアをマークしている。Core i5-2400SがCore i5-2300を上回るスコアを出していたり、Core i5-661とCore i5-760のスコア差があまりないことから4コアをフル活用するような処理ではなく1、2スレッドの処理だと思われるが、そのわりにCore i7-2600K/2600とCore i5-2500Kの差やCore 2 QuadとCore 2 Duoの差は付いており、またAMD CPUのスコアも相対的によい。キャッシュ性能/容量の影響が比較的大きいように思われる。