拡張カード編
Q. PCIスロットはなくなるの?
A. P67/H67でもPCIスロットを備えるマザーは多い。ただし今後は減少する
Intel P67/H67では、ついにチップセットによるPCIインターフェースのネイティブサポートが廃止された。一方で、まだまだニーズが高いことを踏まえてか、PCI Express x1−PCIブリッジチップを用いて、PCIスロットを提供するマザーボードも多い。とくに、Intel P67を搭載するATXマザーでは搭載例が多いので、手持ちのPCIカードが使えないという事態は避けられるだろう。ただ、PCI Express x16スロットを多数持つハイエンド製品の一部や、microATXのようにスロット本数が少ない製品では、PCIを省いてしまったものもある。ブリッジチップを搭載するコストも無視できないことから、今後はPCIスロットを提供しない製品も増えていくだろう。今後は購入する拡張カードもPCI対応製品からPCI Express対応製品やUSB外付け製品への移行を進めておくべきだ。(多和田新也)

microATXではPCIスロットを装備しないものも
安価なmicroATXマザーボードではPCIスロットを搭載しないものもある。PCI ExpressかUSBへの移行を進めるべきだ
PCケース編
Q. PCケースも買い換えたほうがよい?
A. とくに買い換える必要はない。ただ、USB 3.0対応製品への買い換えは検討したい
Sandy Bridgeではフォームファクターの変更はなく、必要とされる冷却能力も変わらないことから、必ずしもPCケースを買い換える必要はない。ただ、Sandy Bridge対応マザーはほとんどがUSB 3.0に対応しており、これを最大限活用したいなら、フロントにUSB 3.0端子を備えたケースへの買い換えを検討する余地があるだろう。
フロントのUSB 3.0端子については、内部ピンヘッダの仕様がつい最近まで定まっていなかったことから、マザーボードのバックパネルに接続する、いわば延長ケーブルをフロント部に引き回すことで実現するものが多い。ただ、ピンヘッダは2010年後半にIntelがガイドラインを出しており、この仕様を採用したマザーボードもいくつか発売されている。今後、ケース側の対応も多くなると見られることから、この仕様の浸透を待って買い換えるのも一つの手だ。(多和田新也)

フロントUSB 3.0 ボックスが付属するマザーも
オープンベイに装着するタイプの、ピンヘッダ接続形式のUSB 3.0ポートが付属するマザーボードも販売されている
OS編
Q. Windowsも合わせてアップグレードすべき?
A. 新拡張命令セットはWindows 7 Service Pack 1でサポート。新機能も多く、Windows 7導入のメリットは大
単に動作するかどうか、という点で言えばWindows XPでもWindows VistaでもSandy Bridgeのシステムを構築することは可能だ。だが、これらのOSを利用した場合にはいくつかの制限がある。Sandy Bridgeに搭載されたベクトル演算用の新拡張命令セット「Intel AVX」は、Windows 7 Service Pack 1 以降でサポートされることから、この命令セットを利用するにはWindows 7の導入が不可欠になる。また、Quick Sync Video機能を活用するためのIntel Media SDKは、Windows Vista以降でのサポートとなるため、Windows XPではこれによるハードウェアエンコード機能を利用できない。
CPUのサポートという面以外でも、普及目覚ましいSSDのTrim対応、3TB HDDを1 パーティションで利用するためのGUIDパーティションテーブルサポートといった点、さらに付け加えるならばDirectX 11のサポートもWindows Vista以上が必要だ。Windows XPを愛用するユーザーはまだまだ少なくないが、Sandy Bridgeに搭載された機能のフル活用、昨今のPCパーツのトレンドを踏まえ、Windows 7への移行をお勧めしたい。(多和田新也)

AVXはWindows 7 SP1で対応
Sandy Bridgeの新拡張命令であるAVXは近々リリース予定のWindows 7 Service Pack 1によりサポートされる予定だ
