小型PCの夢と可能性が広がる
小型PCはどうしても内部に熱がこもりがちなので、発熱の大きなCPUは使いたくない。そこでこのプランではTDPが65Wと消費電力が低く発熱の小さい「Core i5-2400S」をチョイスした。BDドライブとキャプチャデバイスの搭載は「イマドキのAVマシン」としてはスタンダードだが、Sandy Bridgeの新機能は小型PCの可能性を大きく広げてくれる。「InTru 3D」を利用して大画面の3D対応テレビに接続すれば、「Blu-ray 3D」対応ソフトが楽しめる。「Quick Sync Video」を活用すれば、小型PCでも動画エンコードを高速化できる。「新世代AVマシン」の名にふさわしい高機能ぶりだ。
【Mini PC】
Core i5-2400Sで組む 地デジも見られる小型マシン
- A:小型でも地デジが見られるAVPCにしたい
B:新機能を使って動画のエンコードを高速化したい
C:Blu-rayビデオの視聴や録画番組のムーブもしたい


省電力タイプだから低発熱で低騒音の
Core i5-2400Sがオススメ!
現在発売中のSandy Bridgeシリーズの中では唯一のTDPが65Wのモデルで、発熱が小さい。コンパクトなMini-ITXケースで使うには最適のCPUだ

多彩なインターフェースを搭載
ZOTAC H67ITX-A-E
4基のUSB 3.0ポート、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN機能、PCI Express x16スロットなど、小型ながら多数のインターフェースを搭載する多機能マザー

ケース内部を広く使える小型電源
SilverStone SST-ST45SF
ATX電源よりも一回り小さいSFX規格に対応する電源。定格出力は450Wだが、今回の構成では十分。ATX電源用の固定箇所に対応する変換アダプタを同梱

ATX電源を使うと内部がほぼ隠れてしまうが、SFX電源を使うとマザーボードのコネクタ部分が目視できる状態になり、メンテナンスしやすい
パーツ | 製品名 | 概要 | 実売価格 | |
---|---|---|---|---|
1 | CPU | Intel Core i5-2400S | TDP 65Wと省電力設計のクアッドコアモデル。動作クロックは定格2.5GHz、TB時最大で3.3GHz | 18,000円前後 |
2 | マザーボード | ZOTAC H67ITX-A-E | Mini-ITX対応ながら、USB 3.0や無線LANなど多彩な機能を搭載したH67搭載マザー | 18,000円前後 |
3 | メモリ | UMAX Cetus DCDDR3-8GB-1333 | ヒートスプレッダで覆われた、PC3-10600(DDR3-1333)対応メモリ | 7,500円前後 |
4 | ビデオカード | ― | ― | ― |
5 | システムドライブ | Intel X25-M Mainstream SATA SSD SSDSA2MH120G2K5 | Intel製コントローラとフラッシュメモリを搭載する人気シリーズの120GBモデル | 20,000円前後 |
6 | データドライブ | Western Digital WD Caviar Green WD20EARS×2 | 667GBプラッタを採用したコストパフォーマンスの高い2TBモデルを2台搭載し、4TBを実現 | 16,000円前後 |
7 | 光学ドライブ | バッファロー BR3D-12FBS-BK | BD-R×12倍速記録に対応。Blu-rayソフトの視聴、録画したテレビのデータの保存に使える | 17,000円前後 |
8 | CPUクーラー | リテールクーラー | ― | ― |
9 | キャプチャデバイス | アイ・オー・データ機器 GV-MVP/XS | 地上/BS/CSデジタル放送、3波に対応した1チューナー製品。家電並みの長時間録画可能 |
13,000円前後 |
10 | 電源 | SilverStone SST-ST45SF | 450W、80PLUS Bronze認証取得のSFX規格対応電源。付属アダプタでATX規格ケースにも対応 | 8,500円前後 |
11 | PCケース | Lian Li PC-Q11A | 14cm角ファンを搭載し、内部空間にも若干余裕のあるMini-ITXケース。USB 3.0ポートも備える | 14,000円前後 |
12 | OS | Microsoft Windows 7 Home Premium 64bit版 | 重いデータの処理が多いので、8GBメモリを活用できる64bit版のHome Premiumを選択 | 13,000円前後 |
合計145,000円前後 |
【問い合わせ先】
Intel:0120-868686(インテル)/ http://www.intel.co.jp/
ZOTAC:03-5215-5650(アスク)/ http://www.zotac.com/
UMAX:03-3768-1321(マスタードシード)/ http://www.umax.net/
Western Digital:—/ http://www.wdc.com/jp/
バッファロー:050-3163-1825/ http://buffalo.jp/
アイ・オー・データ機器:03-3254-1076/076-260-3643/ http://www.iodata.jp/
SilverStone:03-5298-3880(ディラック)/ http://www.silverstonetek.com/
Lian Li:03-5298-3880(ディラック)/ http://www.lian-li.com/
Microsoft:0120-41-6755(マイクロソフト)/ http://www.microsoft.com/japan/
組み立て時の注意点
小型ケースだが内部は比較的広い

SFX電源の容積が小さいので、内部にはある程度の余裕がある。右側にあるのは14cm角の吸気ファンで、側板に設けた穴から外気を取り込む役割を果たす
電源ケーブルの変換アダプタが必要

SST-ST45SFのSerial ATA電源コネクタは3基。今回はSSD1台、HDD 2台、光学ドライブ1台という構成なので1基分足りない。別途4ピンからの変換アダプタを追加した
パフォーマンスチェック


最大で何と5,600時間録画できる!
今回は地上、BS、CS放送のデジタル3波に対応するテレビキャプチャデバイス「GV-MVP/XS」を組み込んだ。Windows 7のWindows Media Centerを使い視聴するタイプで、MPEG4 AVC/H.264形式の圧縮録画にも対応。そのまま録画する場合には地デジを4TBで530時間、15倍速モードなら5,600時間と、長時間録画が可能。内蔵グラフィックスを使うが、放送波や録画番組の視聴はコマ落ちもなく快適だった。



Quick Sync Videoが大貢献
Sandy Bridgeの新機能の一つ「Quick Sync Video」と対応ソフトを使えば、小型PCでも高速な動画エンコードを楽しめる(GV-MVP/XSで録画した番組は編集不可)。今回のテストでは旧スタンダードマシンに比べて、同じファイルを約1/5という短い時間でエンコードできた。



書き込み対応BDでムーブも可能
当然BDビデオの再生に対応する。またドライブは最大12倍速のBD書き込みに対応しており、録画した番組のムーブも行なえる。「PowerDVD 10 Ultra 3D」の最新版をインストールすれば、大型3DテレビでBlu-ray 3D対応ソフトを再生できる。

【検証内容】
ソニーのデジタルカメラ「Cyber-shot DSC-HX5V」で撮影した解像度1,920×1,080ドット、bitレート約17Mbps、約3分間の動画ファイル(AVCHD形式、容量376MB)をiPad向けの「MPentium 4(H.264)/AAC/1280×720/16:9」の設定でエンコードし終えるまでにかかった時間。Core i5-2400SのQuick Sync Video有効時のデータは、ハードウェアエンコーディング/デコーディングを両方有効にしたもの。そのほかのデータではどちらも無効にしている
【検証環境】
CPU:Intel Core i5-661(3.33GHz)、マザーボード:ASUSTeK P7H55-M/USB3(Intel H55)、メモリ:Corsair Memory XMS3 CMX8GX3M4A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:MSI R5770 Hawk(AMD Radeon HD 5770)、HDD:Seagate Barracuda 7200.12 ST3500410AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)、電源:Corsair Memory CMPSU-850HXJP(850W)、OS:Windows 7 Home Premium 64bit版