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TEXT・マシン制作
ライター保坂陽一 |
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ケースだけでなく、マザーボードやビデオカードもわりと見た目重視で選ぶ直感的衝動買い人間。最近、コンパクトなケースがどうとか言うより、部屋のスペースのほうがもう限界……だから買うなって? |
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イマドキのファンレスパーツはこうして使う |
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セミファンレス静音セカンドマシン |
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PCを組む際、何から決めるかと言うと、筆者の場合はまず間違いなくケースである。もちろん、最新CPUや、ヒートシンクがカッコよいビデオカードなども組み立てる際のきっかけにはなるが、気に入ったケースが見付からないと組み立てる気にならない(結果として使っていないCPUやビデオカードが増えるのはどうかと思うが)。そんな中で、筆者が最近気に入っているケースがある。それが今回使っているSilverStoneのSST-SG03だ。このケースは各部がメッシュ加工になった空冷能力を強化したモデルで、フロントはもとより、サイドパネルやバックパネルも一部がメッシュになっている。奥行きが312mmしかないmicroATXミニタワーだが、GeForce 8800 GTXなどのハイエンドビデオカードも搭載できるほか、ケース底部にシャドーベイを備えるなど、実にユニークな拡張性を備えたケースなのだ。

最近は静音と言えば、フロントパネル密閉型のほうがはやりだが、ケースを気に入ってしまったのだからしょうがない。今回はこのケースで静音マシンを目指すこととした。用途的にはファイルサーバー兼仕事用のサブマシンといったところである。 |
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ケースファンだけは強化
内部パーツをすべてファンレスタイプとした上で、静音ケースファンを増やしてエアフローを強化。フロントからリアへ、緩やかな風がケース内を通り抜ける |
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まずCPUを何にするかだが、コストと静音化のしやすさを考えて、AMDの省電力CPU、Athlon X2 BE-2350をチョイス。ビジネスアプリケーションはもちろん、ちょっとしたムービー再生やゲームなら問題になることはない。デュアルコアなので、これにファンレス電源、ファンレスCPUクーラー、ファンレスビデオカード(Radeon HD 2400 PRO)の3点セットを導入。その代わり、ケースファンに標準で付属するものに加え、低速の12cm角静音ファンを取り付けた。こうすることで、ケース内の隅々まで風が通るようにという考えである。思惑どおり行けば、それなりの静音マシンになるはずだ。また、マザーボードは690Gチップセット採用の定番モデルで、オンボードグラフィックス機能も備えている。わざわざビデオカードを使用したのは、RAGE時代からのATI派である個人的なこだわりだ。

ストレージはシステム用に手頃な500GBを一つ使用し、光学ドライブはなし! 代わりに5インチベイにはリムーバブルケースを取り付け、大容量データをHDDごとほかのマシンとやり取りできるようにした。これはもう筆者宅のマシンでは伝統的なポイントである。OSインストール時のみ光学ドライブを接続し、あとはネットワーク経由でほかのマシンのドライブを活用する。 |
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低発熱デュアルコアCPUと言えばコレ!
そろそろ世代交代か?と思わざるを得ない最近だが、静音マシンと言えばAthlon X2はまだ外せない。マザーボードなどを含めたコストパフォーマンスも見逃せないところ |
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(1)低出力なファンレス電源
ファンレス電源の「音無参號」は300Wと出力も大きくはないが、今回の構成であれば十分。その分発熱量も少なく、ファンレス化には有利だ |
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(2)これがマイマシンの証!
光学ドライブなし。リムーバブルケースは最近はやりの、カートリッジいらずで直接HDDを抜き挿しするタイプ |
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(3)背の低いファンレスCPUクーラー
ケースと同じSilverStoneから発売されているファンレスCPUクーラー。本来はセットになるファン付き電源と一緒に活用する |
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(4)メモリは取り付けスロットに配慮
メモリは1GBを2枚。メモリスロットは4本だが、熱と風通しを考えて、あえてCPUから離れたスロットに取り付けた。気休め程度だとは思うが |
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(5)ファンレスでも冷却は重要
最近のファンレスビデオカードはたとえエントリークラスのRadeon HD 2400 PROと言えど、ケースファンによるエアフローが必須だ |
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こうして作ったマシンだが、 CPU温度はアイドル時で42℃程度で、動作音はケース正面20cmの地点で40dB強。静音マニアには許せない数値かもしれないが、これだけ開口部の多いケースにしては上々だろう。また、ケースの構造上、本体を自分から向かって左斜め前に置くと聞こえる音は減少する。なお、ケースファンは二つとも回転速度制御は行なわず、一定速とした。よって動作音も常に一定だ。

ただ、ケースのサイドパネルは必ず閉じておかないと、エアフローが完成しない。試しにサイドパネルを開けると、ケースファンからの風が目の前の電源に当たって、横にダダ漏れ。CPU温度はじわじわ上昇し、アイドル時で60℃近くまで上がってしまった。また、このケースはアルミ製ということもあり、剛性は今一つのもよう。全体的にビビリが存在するので、防振シートなどを活用してもう少し煮詰めたいところである。ちなみに、実はケースファンは一つでも動作したのだが、ビデオカードやHDDなどのことも考えて、このままにすることとした。

合計金額は12万円弱とセカンドマシンにしてはよい値段になってしまったが、カートリッジ用の1TB HDD分を差し引きすればそれほどでもない。ファンレスパーツが割高なのは確かだが……。Core 2 Duo E8200などの最新CPUの低発熱っぷりを見ていると、あちらでも今回のような静音構成を試してみたくなるが、それはまたの機会にということで。 |
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熱源が集中する配置
CPUクーラーの上にファンレス電源が配置されることになるので、排熱構造としては最悪。実際、ケースファンだけでなんとかなっているのはAthlon X2の性能のおかげだろう |
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SPECIFICATION |
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CPU |
AMD Athlon X2 BE-2350(2.1GHz) |
10,000円前後 |
CPUクーラー |
SilverStone SST-NT06 Lite |
5,000円前後 |
マザーボード |
ASUSTeK M2A-VM HDMI |
10,000円前後 |
メモリ |
KINGBOX Technology KBD2GD2-800(1GB×2) |
6,000円前後 |
ビデオカード |
AOpen XIAi24P-DMC256X(Radeon HD 2400 PRO) |
7,500円前後 |
HDD1 |
日立GST Deskstar P7K500 HDP725050GLA360(Serial ATA 2.5、500GB) |
12,000円前後 |
HDD2 |
日立GST Deskstar 7K1000 HDS721010KLA330 (Serial ATA 2.5、1TB) |
32,000円前後 |
リムーバブルケース |
Thermaltake Max4 3.5 SATA HDD Rack N0023SN |
3,000円前後 |
電源 |
岡谷エレクトロニクス 音無参號 OTN-FL-350W2(300W) |
13,000円前後 |
ケース |
SilverStone SST-SG03S |
17,000円前後 |
ケースファン |
Xinruilian RDL1225SL(12SP) |
1,000円前後 |
合計 |
116,500円前後 |
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