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発表! 最新CPU番付
アーキテクチャ総まとめ
TEXT:鈴木雅暢
K7以来の構造を継承し発展させたPhenom
 AMDのCPUのベースとなっているのは、初代AthlonのK7アーキテクチャだ。CPUの内部でx86命令を内部命令(μOP)に変換し、複数のパイプラインを使って並列に実行するスーパースカラという仕組はIntelのP6アーキテクチャと同様だが、アーキテクチャ的にはより贅沢になっている。P6もK7もx86命令を内部命令に変換するデコーダは三つだが、そのうち二つは解釈できる命令に制限があるP6に対し、K7は三つとも制限がなく高速なデコードが可能となっているほか、ALUにAGU(アドレス生成ユニット)をペアで用意することで、1サイクルあたりの命令処理数を高めるアプローチを採っていた。Phenomでもデコーダの数は三つで変わっていないが、初代Athlon当時からIntelアーキテクチャでの4デコーダに匹敵するくらいの並列性能を備えていたと言うこともできる。

 K7をベースに、より高クロック化が容易なよう改良を加えつつ、メモリコントローラをCPUに統合したのがAthlon 64(K8)だ。AMDの場合はこのときにすでにデュアルコア(Athlon 64 X2)への拡張を意識し、二つのコアでメモリコントローラや外部インターフェースを共有できる設計を採用していた。
image
Athlon 64以降のAMD CPUはメモリコントローラをCPUに内蔵する。Intel CPUと違ってメモリアクセスの際にシステムバスもチップセットも経由しないため、これらがボトルネックとなることなく、高速メモリのポテンシャルをフルに活かすことができる
 Phenomもこのラインの延長線上にある。コア数を最大4コアに拡張するとともに、浮動小数点演算ユニットの128bit化により128bitのSSE演算の高速化、共有型3次キャッシュの追加などの強化が施されており、SIMD拡張命令としてはSSE4a(IntelのSSE4.1と同じものではない)をサポートする。マルチコアへの最適化度合いを高めるとともにSSE系命令の性能向上を図ったという点では、初代Core 2 Duo→Penrynのアプローチと似ている。
imageデュアルコアであるAthlon 64 X2のダイ。上部がコア、下部が2次キャッシュだ。コア同士、メモリコントローラが通信するクロスバースイッチも最下部に見える
imageこちらはPhenomのダイ。四つのコアを一つのダイに作り込んでいることが分かる。各コア内に1次+2次キャッシュを内蔵するほか、共有型3次キャッシュも実装する
Intel CPUとの違い“ネイティブクアッドコア”
 PhenomとIntel CPUとのはっきりとした違いとして認識しておくべき点を整理しよう。まず、Intel系ではチップセットに任せているメモリコントローラをCPUに統合していること。これには低レイテンシでメモリにアクセスできることや、システムバスの速度がメモリアクセスのボトルネックにならない(システムバスの速度がシステム全体のパフォーマンスに与える影響が小さい)などのメリットがある。一方で、新しいメモリ規格に対応するにはチップセット/マザーボードの変更では対応できず、CPU自体の設計を変更する必要がある。

 また、クアッドコアのアプローチとして、Intelではデュアルコアのダイを二つ貼り合わせているのに対し、Phenomでは一つのダイに四つのコアを内蔵する「ネイティブクアッドコア」を採用している。これは理論的には当然、ネイティブのほうが有利だ。2ダイでのクアッドコアでは、ダイをまたぐコア間の通信をシステムバス経由で行なう必要があるし、別のダイにあるコア同士は2次キャッシュを共有していないため、処理内容によっては2次キャッシュの書き換えが必要になる場合もあり、その場合はメインメモリにアクセスするために大きなロスになる。ただし、現状では実際のアプリケーションにおいて、クアッドコア対応アプリケーションにおいて決定的なアドバンテージとして現われてはいない。

 これにはいくつか理由が考えられる。クアッドコアCPUとしてはIntelのCore 2 Quad/Core 2 Extreme QXシリーズが1年近く先行していたため、アプリケーションはIntelのクアッドコアを前提に開発されていること。また、クアッドコアに最適化されたアプリケーションはSSE系命令にも最適化されているため、Intel CPUのSSE系命令における有利さが、ネイティブクアッドコアであることの有利さを上回っているため、トータルでは差が現われないことなどである。

 なお、K7アーキテクチャ以降、AMD CPUのキャッシュは、下位のキャッシュに上位のキャッシュ内容を含まない排他的キャッシュとなっている。Intel系CPU、たとえばCore 2 Quadでは、1次キャッシュの内容を2次キャッシュでもそのまま持つため、実際にキャッシュできる内容は2次キャッシュのサイズに等しい。一方、Phenomでは、最大で1次+2次+3次の合計容量がキャッシュ容量として使える(コアごとに独立して持つ1次と2次の内容はコア間で重複する場合がある)。データの入れ換えのロスが発生するため多少レイテンシが増すが、容量の効率はよい。
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IntelのX38/P35などの一部のチップセットは、DDR2 SDRAMだけでなくDDR3 SDRAMをサポートするのが特徴。ベンチマークからもDDR3の優位性はうかがえるが、高価なのがネックで普及はまだ進んでいない。AMDは次期CPUでDDR3対応メモリコントローラを実装する見込み
 なお、SSE4についても少しフォローしておこう。Penrynファミリーから追加された47命令がSSE4.1、Intelの次期CPUであるNehalemではさらに7命令が追加される予定となっており、これがSSE4.2と呼ばれ、これらを総称してSSE4と呼ばれる。SSE4.1には「MPSADBW」、「PHMINPOSUW」といった、動画のエンコードの際に使う「動き検索」を高速に行なう命令などが含まれており、これを利用することで高精度な動き検索にかかる時間を大幅に短縮することができる。しかし、高精度な動き検索を高速に行なう方法はいくつも種類があり、実際にズバリこれが有効となるケースはごく一部に限られ、汎用的なものとは言い難い。

 ちなみに、AMDもPhenomからSSE4aという拡張命令を追加しているが、こちらは4命令の追加であり、IntelのSSE4とは別のものである(SSE3まではIntelのSSEと同じものである)。
【検証環境】
CPU:Intel Core 2 Duo E6750(2.66GHz)
マザーボード:MSI P35 Platinum Combo(Intel P35+ICH9R)
メモリ:Kingston HyperX KHX11000D3LLK2/1G(PC3-10600 DDR3 SDRAM、CL=9、1GB)×2、センチュリーマイクロ CD1G-D2U800(PC2-6400 DDR2 SDRAM、CL=5、1GB)×2
ビデオカード:NVIDIA GeForce 7900 GTリファレンスカード
HDD:Western Digital WD Raptor WD1500ADFD (Serial ATA 2.5、10,000rpm、150GB)
OS:Windows Vista Ultimate
imageDivXエンコーダでは、動き検索のオプションとして、テスト用に「実験用SSE4フルサーチ」という項目が用意されており、「使用不可」、「SSE2を使用可能」、「SSE4を使用可能」の3種類が選べる
image動画エンコーダの定番TMPGEncも、2007年10月16日リリースのバージョン(Ver.4.4.0.233)からMPEG1/2エンコーダがSSE4.1に対応しており、SSE4の使用/非使用を選べる
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