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発表! 最新CPU番付
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分かった気になるVRMの仕組
image最近のハイエンドマザーボードはCPUの安定動作を望むユーザーに向けて、VRMをはじめとする電源設計のよさをうたうものが多い。ここではVRMとその周辺技術について解説しよう。
マザーボードのVRMとは?
 VRMとは、Voltage Regulator Moduleの略で電源の1種である。PCパーツの一つに電源ユニットがあるが、これはAC100Vの家庭用電源をPC内部で使用する直流電流に変換するための装置で、マザーボードにはDC12V、5Vそれに3.3Vの電圧が供給される。だが現在のCPUの動作電圧は1.5V以下のものが大半で、電源ユニットから供給される電圧とは適合しない。そこでCPUに適応した電圧に変換するためにVRMが用いられる。
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VRMを構成する部品の種類(ASUSTeK P5E3 Deluxe/WiFi-AP@nの場合)
(A)PWMコントローラ
(B)MOSFET
(C)コイル
(D)ドライバIC
(E)コンデンサ
VRMは電圧を一定に保つ装置
 実はCPU以外にもメモリやチップセットへ供給する同種の電源回路がマザーボード上にはたくさんある。現在のマザーボードの回路部分でもっとも大きな面積を占めているのはこうした電源回路だ。CPUやメモリなどのICは一定の電圧で動作することを前提にしている。ところがCPUの消費電力は動作の状態により変動する。電圧が一定で消費電力が変動するということは電流量が変動するということだ。VRMは電流量が変動しても電圧(Voltage)を一定にする装置(Regulator)なのだ。
スイッチングレギュレータ
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VRMに限らず現在のマザーボード上の電源の基本はスイッチングレギュレータと呼ばれる回路だ。電流量が変化しても安定して任意の電圧を供給するため、スイッチング回路をON/OFFする時間の比を変えることで調整する。たとえば電流が増え電圧が低下しそうになるとスイッチONの時間を増やし電圧を低下させずに電流を増やす。このスイッチの働きをするのがMOSFETである。スイッチングした出力はパルス状なのだが、コイルとコンデンサ(キャパシタ)の働きで直流化する
 
3フェーズ同期整流回路
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スイッチング回路はONのときコイルに対して電源電圧を供給し、OFFのときは接地してコイルに蓄積されたエネルギーを放出する。MOSFETを使ってON/OFFのタイミングを制御するのが同期整流回路である。スイッチが同時にONになるとショート状態となるので必ず同期してON/OFFする必要がある。マルチフェーズ同期整流回路はスイッチング回路を複数用意して順次スイッチをON/OFFするようにしており、図は3フェーズ同期整流回路で、PWMコントローラとドライバICが一体化していないタイプ
ハイグレードなマザーボードにはハイグレードな部品が使われる
 CPUとそれ以外のデバイスでは消費電力が大きく違う。このためVRMに用いられる電源回路にはさまざまな工夫がなされていて、これらはマザーボード製品のグレードとも大きく関係している。高価なマザーボードほどVRMにもコストがかかった回路が使われているのだ。ここではCPU用のVRMに絞って、まずVRMの回路構成を、そして主要な部品について説明する。
A. PWMコントローラ
PWMとはPulse Width Modulation(パルス幅変調)の略で、スイッチのON/OFFの比、つまりスイッチングの幅を調整する回路を内蔵したICである。スイッチングレギュレータの出力電圧は、スイッチングがONの時間によって調節できる。PWMコントローラはドライバIC(または直接MOSFET)にスイッチングのタイミング信号を出力する。つまりVRMが設定した電圧を維持して電力供給するための制御を行なっている。実際にはVRMの出力電圧をフィードバックして、それを三角波の出力とコンパレータ(比較器)に入力してスイッチング信号のON/OFFの比(デューティ比)を調整する。出力電圧が高過ぎるときにはONの時間を短くして出力電圧を落とし、逆の場合はON時間を延ばして出力電圧を上げる。このフィードバックがごく短時間に行なわれることで、最終的な出力電圧の変動がほとんど無視できるレベルに抑えられるのだ。スイッチングレギュレータ汎用のPWMコントローラもあるが、VRMには専用設計されたものが使われる。
imageこのPWMコントローラチップは、Analog Devices製のADP3228というもの。最近のASUSTeKの製品ではこれを省電力化チップの「EPU」としているが、VRM用のPWMコントローラの一つであることには違いない
B. MOSFET
パワーデバイスとしては普通のバイポーラトランジスタより扱いやすく、なおかつ性能がよいため、VRMに使われるスイッチングデバイスはほぼPower MOSFET(本項ではすべてMOSFETと呼ぶ)となっている。内部抵抗が小さいとは言えまったくないわけではなく、電流が流れる際にはMOSFETによる損失が発生する。このためマザーボードにMOSFETの放熱面が向くようにハンダ付けされていることが多く、さらに放熱が不足する場合はチップの上面にヒートシンクを置くこともある。マルチフェーズの同期整流回路では、各フェーズごとにハイサイドとローサイドのスイッチとして2個1組にして、それがフェーズ数の分あるのが基本構成だが、各フェーズに3個や4個1組のMOSFETを用いてスイッチング回路を構成することもめずらしくない。一つあたりのMOSFETに流せる電流には限度があり、また流す電流が多ければ発熱も増えるので、MOSFETの負荷を減らすために多くのMOSFETを使うことになる。
imageMOSFETの大きな面がマザーボードにハンダ付けされているのは放熱効果を狙っているから。オーバークロックなどで発熱が大きくなることが想定される製品では、MOSFET上にヒートシンクを付けるものが多い
C. コイル
コイルは直流成分はそのまま通す一方で、自身にエネルギーを蓄積していて、電源電圧がなくなった場合、そのエネルギーを放出する性質がある。つまりスイッチがONになっているときは、電源供給側から電力が与えられ、OFFになったときはコイルからの電力供給が出力側に与えられることになる。このため、スイッチをいきなりOFFにしても電流が流れなくなるのではなく、なだらかに電流が減少する。これにコンデンサを組み合わせることでフィルタ回路を形成して出力が平滑化され直流出力となる。スイッチング周波数が高いほどコイルを小型化できることもスイッチング周波数を上げる理由の一つである。
imageマザーボードによって外見の異なるコイルが多々あるが、種類によって性能が大きく異なるわけではなく、実際はCPUクーラーとの干渉を考慮しての場合が多い
D. ドライバIC
MOSFETのゲートを駆動するにはある程度の負荷容量を駆動する能力が必要となる。PWMコントローラが出力するON/OFF制御のタイミング用の信号はドライブ能力が不十分なことが多い。そうした制御用信号からMOSFETをスイッチングする信号を生成するのがドライバICである。中身はタイミング信号の増幅回路と保護回路で構成されている。同期整流回路用としてON/OFFのタイミングがオーバーラップすることを防ぐ機能なども内蔵しているものが多い。ドライバICは単機能のICなので8ピンくらいの小さいパッケージであることが多い。ちなみにゲートドライバと呼ばれることもある。
imageAnalog DevicesのADP3110A。PWMコントローラと組み合わせてVRMを構成する用途に向けて作られたドライバICだ
E. コンデンサ
VRMが注目されるようになったきっかけを作った部品がこのコンデンサである。VRMで重要なコンデンサは出力の平滑コンデンサで、通常は大容量のアルミ電解コンデンサを用いる。アルミ電解コンデンサは誘電体にアルミ箔を使用した酸化被膜を用い、もう一方の電極を電解質で形成したものだが、電解質に電解液を使う普通のアルミ電解コンデンサのほかに、導電性高分子を使う固体アルミ電解コンデンサがあり、最近ではVRMに用いるコンデンサとしては後者のほうが重宝されている。しかしながら、正しく部品を選択すればアルミ電解コンデンサでもマザーボードには十分な耐久力を持たせられる。
image最近増えてきた固体電解コンデンサ。従来のアルミ電解コンデンサと比べて寿命が長く、性能がよいのは事実だが、その採用以前に適切な設計をすることが大事である
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