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TEXT:北川達也 |
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ROUND2 1GBあたりの容量単価を比較 |
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容量単価が圧倒的に安いHDD SSDのコストパフォーマンスは低い |
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ストレージを購入する場合の一つの目安が容量単価である。ストレージでは、通常「1GB」あたりいくらになるかを示す「GB単価」で比較することが一般的で、販売価格を記録容量で割ることで算出される。これが低いほどコストパフォーマンスに優れることになる。下にまとめたので参照してほしい。
まず、最初に目に付くのが、HDDとSSDの圧倒的なGB単価の違いだ。SSDのGB単価は、もっとも低価格なCFD販売のSSD-Jで193.6円、もっとも高いIntelのX25-E Extreme SATA SSDでは何と1,293.4円もする。安価なCFD販売のSSD-JですらHDDの中でもっともGB単価が高いWestern DigitalのWD VelociRaptorの2倍以上で、もっとも安価なSamsungのEcoGreen F2 HD103SIとの比較では約26倍にもなる。現時点でのSSDは、HDDと比較してまだまだ高価で、容量単価という点ではHDDのほうがはるかに安い。
また、現時点でもっともコストパフォーマンスに優れるHDDの記録容量は、「1TB」だ。これは、1TBのSamsungのEcoGreen F2 HD103SIのGB単価が、ほかの製品と比較してもっとも安価なことから容易に想像できる。一方で現在のHDDの最大容量となる2TBを実現しているWestern DigitalのWD Caviar Green WD20EADSのGB単価は、1TBのSamsungのEcoGreen F2 HD103SIの2倍以上となっており、HDDとしてはコストパフォーマンスは高くない。2TBの記録容量が欲しい場合、現時点では、2TBのHDDを購入するより、1TB HDDを2台購入し、RAID 0で使用するほうが価格性能面ともに優れると考えることもできる。 |
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容量120GB? 128GB?
SSDには120GBと128GBなど、微妙に容量が異なったモデルがある。これはメーカーが一部をテンポラリ領域やデフェクトマネジメント(故障したセルの隔離など)のための管理領域として確保しているためだ(120GBの場合は8GB分)。128GBをフルに使えるSSDは動的にこの領域を確保する仕組になっているが、専用の領域を用意したほうが信頼性などの点でメリットがある |
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2TBを超える製品には注意
2TB超の領域の使用にはいくつかの制限があるので注意したい。まず、2TBを超える領域は、GUIDパーティションテーブル (GPT)と呼ばれる方式でのみ使用できる。GPTは、64bitのWindows XPまたは、32/64bitのWindows Vistaがサポートしており、GPTで管理することでこれらのOSから使用可能だ。ただし、OSをインストールして起動ドライブにしたい場合は、さらにEFI対応のマザーボードと64bit版Windows Vista SP1以降が必須となる。 |
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Western Digital |
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WD Caviar Green WD20EADS |
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実売価格:33,000円前後 |
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問い合わせ先:なし
URL:http://www.wdc.com/jp/ |
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2TB |
5,400rpm |
Serial ATA 2.5 |
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世界最大容量の2TBモデル
現時点で最大の「2TB」の記録容量を実現したHDD。最新世代の500GBプラッタを4枚使用することでこの容量を実現している。回転数は5,400rpm |
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Samsung |
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EcoGreen F2 HD103SI |
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実売価格:8,000円前後 |
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問い合わせ先:なし
URL:http://www.samsung.com/jp/ |
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1TB |
5,400rpm |
Serial ATA 2.5 |
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容量単価に優れるデータ用HDD
500GBプラッタを採用したコストパフォーマンスに優れるHDD。回転数は5,400rpmだが、最新の高密度プラッタを採用しているため、1世代前の7,200rpm HDD並みの性能を実現している点が特徴 |
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結論
GB単価で選ぶなら1TBのHDD
現時点でGB単価がもっとも安く、コストパフォーマンスに優れるのは1TBのHDDだ。2TBのHDDのGB単価は、1TBの2倍以上と高い。SSDは、HDDと比較してGB単価が非常に高いため、システム用と割り切り、データファイルはHDDに置くという併用がオススメだ。 |
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ROUND3 消費電力と静音性の差 |
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稼働部品のないSSD 高い静音性と省電力性を実現 |
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PCの騒音を抑えたい場合、もともとの動作音が小さい製品を使用するのがもっとも効果的。また、発熱にも影響する消費電力の大小も気になるところ。ここでは、HDDやSSDの騒音と消費電力を比較する。騒音の計測は、むき出しの状態でスポンジの上に置いたHDD/SSDをSerial ATA-USB変換アダプタを用いてノートPCと接続し、約2cmの距離から騒音計でアイドル時と高負荷時の動作音を計測した。消費電力もアイドル時と高負荷時の消費電力を測定した。
結果だが、稼働部品を一切使用していないSSDは、動作音および消費電力の両面でHDD並みかそれ以上であった。とくにPhotoFast G-Monster V3の消費電力は、最新世代SSDとあって今回テストした中でもっとも低いものだった。
HDD同士での比較では、基本的に回転数が高いほど動作音が大きくなる傾向にあり、10,000rpmのWestern DigitalのWD VelociRaptorは、ほかの製品と比較して明確に動作音が大きい。また、消費電力は、基本的に何枚のプラッタを使用しているかによって異なっており、とくに高負荷時にその違いが大きく出る傾向がある。特筆すべきはノートPC用の2.5インチHDDのWestern Digital WD Scorpio Blueの消費電力の低さで、SSDとほぼ同程度。動作音と安さを考えれば安価な小型静音マシンに向くだろう。 |
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HDDは省電力機能を強化
WD Caviar Greenシリーズは、最適なシーク速度やキャッシュアルゴリズムを調整することで、消費電力を大幅に低減している |
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無音・低発熱のSSD
SSDは、稼働部品がないため価格に関係なく、動作がないのでPCの静音化には最適。消費電力も低く、発熱がほとんどない点も特徴だ |
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Western Digital |
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WD Scorpio Blue WD3200BEVT |
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実売価格:7,000円前後 |
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問い合わせ先:なし
URL:http://www.wdc.com/jp/ |
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320GB |
5,400rpm |
Serial ATA 2.5 |
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ノートPC向けの省電力モデル
厚さ9.5mmの5,400rpmの2.5インチHDD。Western Digital独自のWhisperDrive技術を採用し、静音性や省電力性を向上させている。ドライブ構造とプラッタ表面を衝撃から保護する技術も搭載する |
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結論
静音性や消費電力重視ならSSD
静音性や消費電力では、価格に関係なく稼働部品がないSSDがHDDと比較して優れる。また、HDDの動作音は価格に関係なく、回転数が高いほど大きく、消費電力は容量に比例して基本的に高くなる。GB単価は3.5インチHDDに劣るものの、バランス面では2.5インチHDDも悪くない。 |
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