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TEXT:宇野貴教 |
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ROUND2 パネルの種類で画質が変わる? |
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液晶ディスプレイのパネルは、おおまかに分けてTN、VA、IPSの3種類の表示方式があり、光を透過させる仕組が異なる。表示方式は画質と価格に直結する要素なので、違いと特徴についてきちんと把握しておこう。
3種類の中で一番多く採用されているのがTN方式で、メリットは応答速度が速く動画に強いことと、製造コストを安く抑えられることにある。そのため、コストパフォーマンスを重視した製品のほとんどはTN方式を採用している。TNパネルの難点は視野角が狭く、見る角度によって色が変化してしまうこと(色度変位)で、フォトレタッチなど色みを重視する用途にはあまり適さない。
VA方式はミドルレンジ以上の製品の多くで採用されている方式だ。画質に関してはとくに苦手とする要素がないこともあり、さまざまな用途で活躍できる汎用性の高いパネルと言えるだろう。IPS方式は視野角が広く発色が美しいため、静止画質を重視する人向けだ。パネル価格が高価なこともあり、採用する製品は非常に少ない。 |
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TN(Twisted Nematic)方式 |
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VA(Virtical Alignment)方式 |
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IPS(In Plane Switching)方式 |
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液晶パネルの表示方式は大きく分けて3種類。低価格モデルを中心に採用例が多いのはTN方式で、表示画質はほかの方式よりも劣るが、製造コストはダントツで優秀だ。IPS方式は表示品質が高いものの製造コストも高く、採用する製品はわずかしかない。VA方式はTNとIPSの中間というポジショニングでバランスが取れており、その仕組上、締まりのある黒を表示できるという特徴がある。 |
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EIZO |
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FlexScan S2432W-H |
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実売価格:87,000円前後 |
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問い合わせ先:0120-956-812
URL:http://www.eizo.co.jp/ |
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24.1型ワイド |
VAパネル |
Adobe RGB カバー率96% |
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Adobe RGBカバー率96%を誇るVAパネルモデル
VAパネルを採用する24.1型ワイドの高級モデル。老舗ディスプレイ専業メーカーの同社らしく、Adobe RGBカバー率96%など、表示品質へのこだわりをアピールしているのが特徴だ |
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Specification
最大表示解像度:1,920×1,200ドット
応答速度:16ms(中間色域6ms)
輝度:360cd/m2
コントラスト比:1,000:1
インターフェース:DVI-D(HDCP)×1、Dsub 15ピン×1、USB 2.0×2、LINE IN×1、ヘッドホン×1
本体サイズ(W×D×H):566×208.5×456~538mm
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NECディスプレイソリューションズ |
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MultiSync LCD2690WUXi2 |
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実売価格:160,000円前後 |
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問い合わせ先:0120-975-380
URL:http://www.nec-display.com/jp/ |
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25.5型ワイド |
H-IPSパネル |
Adobe RGB カバー率97.5% |
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IPS方式パネルを採用するプロフェッショナル向け最高級画質
IPSの中でも高開口率を誇るH-IPS方式パネルを採用する25.5型ワイド。かなり高価な製品だが、静止画の表示品質は最高峰と言えるクオリティを持っており、DTPやCG制作、フォトレタッチには最適である |
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Specification
最大表示解像度:1,920×1,200ドット
応答速度:16ms(中間色域8ms)
輝度:320cd/m2
コントラスト比:1,000:1
インターフェース: DVI-I(HDCP)×1、DVI-D(HDCP)×1、Dsub 15ピン×1
本体サイズ(W×D×H):589.8×306×444.2~594.2mm
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最近のプロユースの製品はAdobe RGBのサポートが一般的になっているが、この表記には注意が必要だ。重要なのはAdobe RGBの色域をどのくらいをカバーしているか(カバー率)であり、仮に「Adobe RGB比100%」であっても、それは表示できる色域が同じ面積であるに過ぎない(面積比)。 |
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結論
最高峰はIPS、予算しだいでVAを
静止画質を最優先するならIPS方式の製品を選びたいが、IPS方式は高価で動画再生がやや苦手という難点がある。パーソナルユースならVA方式を採用する製品が万能で価格もお手頃だ。予算が許すならIPS方式、できれば予算は抑えたいというならVA方式がよいだろう。 |
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ROUND3 超高解像度(WQXGA)と低解像度(WXGA)の差 |
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液晶ディスプレイの画面解像度が広くなれば、これまで1枚しか表示できなかったウィンドウを2枚3枚と並べて表示できるようになるため、ビジネスユースなどでは間違いなく作業効率がアップする。ここ数年の液晶事情を考慮すると、標準的解像度と言えるのは、20~22型ワイドのWSXGA+(1,680×1,050ドット)か、フルHD(1,920×1,080ドット)だろう。より広い解像度が欲しいなら、WUXGA(1,920×1,200ドット)表示が可能な24~27型ワイドを選べばよい。
それ以上の解像度を求めるとWQXGA(2,560×1,600ドット)の30型ワイドまでレンジが上がってしまう。WQXGAはパネルが高コストで、一般的な用途では解像度が高過ぎるため製品数はあまり多くないが、得られる画面の広さは別次元。解像度が高い(視界が広い)ほど有利になるFPSなどの一部のゲームでは、そのヘビープレイヤーから強い支持を集めているが、やはりこれは例外中の例外と言えるだろう。
逆に低解像度の液晶ディスプレイは、ビジネスユースを中心に低価格モデルとしてまだまだ健在。メールやWebブラウズ中心なら実用性は十分だ。 |
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パネルサイズの大きいモデルはバックライトの光量も大きくなるので、消費電力が非常に高い。電気代と発熱に気を配る必要がある |
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30型WQXGA(2,560×1,600ドット)と18.5型WXGA(1,366×768ドット)を並べて、Webブラウザで同じページを表示させると、その違いが際立って見える。一方はWebブラウザのウィンドウだけで画面の半分以上を占めているが、もう一方は縦にも横にも余裕がある |
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Dell |
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3008WFP |
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直販価格:148,000円 |
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問い合わせ先:0120-912-039(デル)
URL:http://www.jp.dell.com/ |
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2,560×1,600ドットの超大画面液晶
圧倒的な大画面・高解像度が特徴の高級機。DVI-D、HDMI、DisplayPort、コンポーネントなど豊富な入力端子も備える。価格だけを見れば高価だが、30型ワイドのWQXGAモデルとしては安価な部類に入る |
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Specification
最大表示解像度:2,560×1,600ドット
応答速度:中間色域8ms
輝度:370cd/m2
コントラスト比:DCR 3,000:1
インターフェース:DVI-D(HDCP)×2、Dsub 15ピン×1、HDMI×1、DisplayPort×1、コンポーネント(RCA)×1、S-VIDEO/VIDEO IN×1、USB 2.0×4
本体サイズ(W×D×H):696.67×237.43×482.11mm
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HP |
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1859m |
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直販価格:10,500円 |
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問い合わせ先:0120-111-238(日本HP)
URL:http://www.hp.com/jp/ |
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1万500円で買えるリーズナブルな小型モデル
18.5型ワイドで1,366×768ドットの解像度を持つ。1万500円という超低価格なので、1台目として、あるいはサブディスプレイとしても気軽に購入できる。HDCP対応、DVI装備など機能も十分だ |
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Specification
最大表示解像度:1,366×768ドット
応答速度:5ms
輝度:300cd/m2
コントラスト比:1,000:1
インターフェース: DVI-D(HDCP)×1、Dsub 15ピン×1、LINE IN×1
本体サイズ(W×D×H):470×183×355mm
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WUXGAを超える解像度の液晶ディスプレイを利用する場合は、デュアルリンクで接続する。対応するビデオカードとケーブルが必要で、ケーブルは上図のピン配置で判別が可能 |
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結論
デュアルディスプレイという選択肢も
WQXGAの広い画面は魅力だが、価格が一気に跳ね上がってしまうので、ビジネスユースやヘビーゲーマーなど、どうしても欲しいというユーザー向けと言える。予算が厳しいなら、フルHD液晶やWUXGA液晶を組み合わせてデュアルディスプレイを構築するのも一つの手だろう。 |
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