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TEXT：鈴木雅暢

寝室OKな静音サーバー vs. 大容量RAID 5サーバー

ファイルサーバー対決

複数台のPCを運用していると、データを一括管理するファイルサーバーが欲しくなる。個人で使うファイルサーバー向けのマシンが備えるべき条件とはどんなものだろうか。

■	NASより安くて速いファイルサーバーを作る

　PCが一般に普及した現在では、家庭内で複数台のPCを運用している方も少なくない。また、自分で撮影した写真やムービーをデジタルで管理するという用途もごく普通になってきた。

　このように複数台のPCを運用したり、失っては困るデータが増えたりしてくると、欲しくなるのがファイルサーバーやNAS（Network Atacched Storage）だろう。PC間のデータ移動には、ネットワークを経由するのが効率的だからだ。しかし、NASの性能はピンキリ。製品によってはとてつもなく遅いし、大容量のストレージスペースやデータの安全性を求めるとコストも膨らむ。

　ここでは、NASより快適なWindowsファイルサーバー（あるいは、ファイルサーバー的に使うWindowsベースのPC）を前提とした構成を考えてみよう。

基本パーツ別の重要度

HDD

★★★★★

ファイルサーバーでもっとも重要なのは、なんと言ってもストレージシステム。容量、速度、データの安全性、拡張性といった要素がある。どの要素をどの程度強く求めるのか、ユーザーによって優先順位は変わってくるだろう。RAIDなどもうまく活用して、自分にあったストレージシステムを構成したいところだ。

CPU

★★★★★

ほかの用途と違って、ファイルサーバーではCPU性能はあまり重要ではない。ネットワーク経由の読み書き速度にまったく影響がないとは言えないものの、利用者が限られた家庭内ファイルサーバーなら、よっぽど低速なCPUを使わない限りは無視してよいレベルだろう。静音性を意識するなら性能より消費電力がポイントになる。

マザーボード

★★★★★

グラフィックス機能はチップセット内蔵のもので十分。Serial ATAのポート数、RAID機能の有無などがマザーボード選びのポイントになる。

電源

★★★★★

ファイルサーバーが不安定では安心してファイルを保存できないので、電源は品質優先で選びたい。多数のHDDの搭載が前提なら定格出力もそれなりに必要だ。

ケース

★★★★★

ストレージ、マザーボードの事情に合わせる必要がある。HDDの搭載可能台数、HDDの放熱手段、静音性などがポイントになる。

メモリ

★★★★★

OSを快適に利用できるレベルの容量は必要だが、個人向けではアクセスが集中することもないはずで、優先順位は低い。

その他

★★★★★

HDDの転送速度を追求するなら別途RAIDカードの追加を検討したい。静音性を求めるならばCPUクーラーなども工夫するとよい。

ファイルサーバーのポイント

まずは自分が求めるストレージシステムをはっきりイメージすることだ。データの安全性を重視するならRAID 5が現実的だろう。バックアップのストレージをほかに用意している場合など、一時的にデータを一元管理できればよいというだけなら、とくにRAIDを利用しなくてもよいし、RAID 0でも構わない。そのストレージシステムに必要なRAID機能、搭載HDD台数に合わせて、マザーボード、ケースなどを選んでいくのがスマートだろう。