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TEXT:鈴木雅暢 |
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“サイズの時代”の覇者はどっちだ!?
ミドルレンジ決戦 |
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CPUの消費電力は下がり、CPU付属のリテールクーラーも静かになったが、CPUクーラー市場はますます盛り上がりを見せている。オーバークロックを楽しんだり、究極の静音化を目指したりするなど、PC自作マニアの要求レベルが上がっただけでなく、自作入門者を含めたごく一般的なユーザーからも「どうせ作るならば、より静かでよいものを」というニーズがあるようだ。
実売価格3,000~4,000円のミドルレンジクラスの大型クーラーは、多数のフィンを重ねてヒートパイプで連結し、10~12cm角の大型静音ファンと組み合わせるというスタイルが定番。標準状態で静音クーラーとして完成されている上、価格も手頃なことから幅広いユーザーから支持されている売れ筋ジャンルだ。価格比較サイトの人気ランキングで常に上位にランクインしていることからも、その人気ぶりが分かる。
トレンドとしては、CPUソケット近くに配置されているVRMの冷却を意識し、風を上から吹き付けるトップフロー型の製品が増えてきた。VRMの冷却はオーバークロック耐性や、安定性の向上にもつながるし、リテールCPUクーラーも同じくトップフロー型なので入門者でもエアフローの設定を誤るような問題が起きにくいとも言える。
また、取り付けやすさの向上もポイント。複数のソケットに対応している製品でも、アタッチメントの改良が進んでおり、LGA775用はリテールクーラーと同じアンカーピンで固定できるタイプが増えている。
今回取り上げるANDY SAMURAI MASTER、鎌クロスはどちらもサイズの製品で、上記の定番条件とトレンドをもれなく満たした人気製品だ。これからじっくりと比較していこう。 |
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価格.com CPUクーラー 人気アイテムランキング |
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(2007年9月10日~9月16日版) |
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順位 |
メーカー |
製品名 |
最安値 |
1位 |
サイズ |
ANDY SAMURAI MASTER |
3,250円 |
2位 |
サイズ |
忍者プラス・RevB |
3,230円 |
3位 |
クーラーマスター |
風神匠 |
5,974円 |
4位 |
ZALMAN |
CNPS9700 LED |
7,280円 |
5位 |
ASUSTeK |
Silent Square Pro |
6,980円 |
6位 |
サイズ |
侍Z RevB |
2,560円 |
7位 |
クーラーマスター |
Cyprum |
3,260円 |
8位 |
サイズ |
MUGEN(インフィニティクーラー) |
3,643円 |
9位 |
サイズ |
鎌クロス |
2,675円 |
10位 |
サイズ |
峰COOLER |
Rev.B 3,050円 |
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coneco.net CPUクーラー 人気商品ランキング |
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(2007年9月13日~9月20日版) |
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順位 |
メーカー |
製品名 |
最安値 |
1位 |
Thermaltake |
TR2-R1 |
1,569円 |
2位 |
サイズ |
ANDY SAMURAI MASTER |
3,250円 |
3位 |
サイズ |
MUGEN(インフィニティクーラー) |
3,650円 |
4位 |
クーラーマスター |
風神匠 |
5,952円 |
5位 |
ZALMAN |
CNPS9700 LED |
7,220円 |
6位 |
Thermalright |
Ultra-120 eXtreme |
6,980円 |
7位 |
サイズ |
忍者プラス・RevB |
3,230円 |
8位 |
Arctic Cooling |
Freezer 7 Pro |
2,499円 |
9位 |
Speeze |
CFA01B2-J |
998円 |
10位 |
サイズ |
刀2クーラー |
2,560円 |
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ミドルレンジCPUクーラー、売れ筋製品の傾向はこれだ! |
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大型志向 |
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単体販売されているCPUクーラーは、リテールのCPUクーラーと比較すると大型で冷却性能を重視した製品が多い |
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アルミフィン+ヒートパイプ+大型ファン |
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ヒートパイプを通した大型のフィンに、低速回転で風量を稼ぐことができる大口径の静音ファンを装着するのが定番 |
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取り付けやすさ |
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数タイプのソケット対応製品でも、LGA775用のアタッチメントはリテールクーラーと同じアンカーピンで固定できるタイプが増えている |
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サイズ |
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ANDY SAMURAI MASTER |
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実売価格:4,000円前後 |
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推薦人:鈴木雅暢 |
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CPUクーラーはアートだ。インスピレーションを大切に |
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ヒートパイプに重ねた多層フィンの上に、12cm角の静音ファンを装着したトップフロー型の大人気CPUクーラー。メインとサブのフィンを交互に重ねることで、ヒートパイプからの熱を効率よく吸収する「IIFS(Infinity Interleave Fin Structure)」がウリ。開発担当者のANDY氏自ら鎧をまとってパッケージに登場したことで話題になったが、冷却、静音性能ともに優秀で、取り付けやすさも及第点。価格もリーズナブルで早々にブレイクし、定番としての地位を確立した。ただ、マザーボードによっては背の高いヒートシンクなどと干渉し、取り付けられない場合がある。 |
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ヒートパイプの熱をフィンに効率よく伝達するため、メインフィンとサブフィンを交互に重ねる構造となっている |
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低価格ながら銅製ヒートスプレッダを搭載。ここから6本のヒートパイプが延びる |
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Specification
対応CPUソケット:LGA775、Socket478/754/939/940/AM2
搭載ファン:12cm角
ファン回転数:1,200rpm±10%(3ピン接続)
本体サイズ(W×D×H):125×137×104mm
重量:690g
問い合わせ先:support@scythe.co.jp
URL:http://www.scythe.co.jp/ |
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サイズ |
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鎌クロス |
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実売価格:3,000円前後 |
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推薦人:橋本新義 |
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ミドルレンジ製品では、絶対性能よりもコストパフォーマンスを重視して製品を選んでいる |
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ポイント2 |
CPU以外のコンポーネントのエアフローも考慮 |
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特徴的なデザインが目を引く、コストパフォーマンス重視のクーラー。「X型ストラクチャー」と呼ばれるヒートパイプをX字形に交差させたデザインにより、ファンが発生させたエアフロー(空気の流れ)をマザーボードに最大限に届けることを狙う。また、CPUソケット周辺部品やチップセットクーラーとの干渉が少なく、マザーボードを選ばないという効果も生んでいる。3,000円前後と、実売価格がANDYより手頃な点もポイントだ。ファンは同社の10cm角製品「風拾」を搭載し、1,500rpmという比較的低速な回転で必要十分な性能を実現している。 |
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ヒートパイプでシンク部を空中に浮かせる独特の形状。中央の交差が「クロス」の由来だ |
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ヒートパイプは6mm径×3本の標準的な構成となっている。シンク部の重量も支えられるだけの十分な強度を持つ |
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Specification
対応CPUソケット:LGA775、Socket478/754/939/940/AM2
搭載ファン:10cm角
ファン回転数:1,500rpm±10%(3ピン接続)
本体サイズ(W×D×H):140×120×132mm
重量:530g
問い合わせ先:support@scythe.co.jp
URL:http://www.scythe.co.jp/ |
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