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TEXT:橋本新義 |
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このクラスのビデオカードの購入の動機としてまっ先に挙げられるのは、やはりゲームでの性能強化だろう。そこで今回の対決は、DirectXのバージョンごとの描画速度を見比べたい。
まずは現在のゲームで主流となっているDirectX 9での性能を見てみよう。ベンチマークとして使用したのは、現状のリファレンスとも言える3DMark06を解像度別に2パターン計測。さらに最新ゲームであるロスト プラネット エクストリーム コンディションの体験版(DirectX 9版)での計測を加えている。なお両者とも、各種設定はデフォルトを使用した(3DMark06の解像度を除く)。
まずは3DMark06だが、1,280×1,024ドットではZOTAC 8600GTSがやや優位であるものの、1,600×1,200ドットではGF P79GS-SPHが逆転する。同カードは本来1ランク上の価格帯で登場した製品で、メモリ接続のバス幅などで大きく優位点がある。とくに高解像度環境下でそうした点が活きてくると言えるだろう。
ロスト プラネットはテストされるシーンに応じて優勢が変わるが、全般的に強い8600GTSに対して、より複雑な「Cave」のシーンではGF P79GS-SPHが優位という結果となった。
残るULTIMATE HD2600XTは、残念ながらすべての結果で1ランク以上下となっており、旗色が悪い。以前より続く、ゲームではNVIDIA優位という流れはまだ健在のようだ。 |
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【測定環境】
CPU:Intel Core 2 Extreme X6800(2.93GHz)
マザーボード:MSI P35 Neo2-FI(Intel P35+ICH9)
メモリ:センチュリーマイクロ CD1G-D2U800(PC2-6400 DDR2 SDRAM、1GB)×2
HDD:日立GST Deskstar 7K160 HDS721616PLA380(Serial ATA 2.5、7,200rpm、160GB)
OS:Windows Vista Ultimate |
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加藤勝明 |
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GALAXY |
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GF P79GS-SPH/256D3 |
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ロスト プラネットではGPUを酷使するSnowと、GPU+CPUの総合性能が重要になるCaveで結果の傾向が逆転しているのがおもしろい。つまり巨大キャラがモーションブラーをかけつつ暴れるようなシーンは苦手だが、そうしたシーンを避ければ現役で活躍できる。3DMark06の性能もほかの製品とほぼ同レベルのスコアであるという点から見れば、まだまだ7900 GSは使えると言える。 |
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ライバルに一言 |
トータルバランスではほかの2者に負けるとはとうてい思えない。DX9ではまだ現役だ |
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宮崎真一 |
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ZOTAC |
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8600GTS 256MB DDR3 PCIE |
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3DMark06ではGeForce 7900 GSと同等の数値を示しており、DirectX 9環境でもGeForce 7シリーズのアッパーミドル向け製品と同等のパフォーマンスを見せている点は立派と言えよう。さらに、ロスト プラネットでは、ビデオカードの性能に依存するSnowの結果に注目したい。3製品中、この本製品はもっとも高い平均フレームレートを出しており、本製品の地力がうかがい知れる。 |
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ライバルに一言 |
ミドルレンジの中ではDirectX 9環境で最高のパフォーマンスを発揮 |
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橋本新義 |
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Sapphire |
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ULTIMATE HD2600XT 256MB GDDR3 PCIE |
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AMD勢では高性能なHD 2600 XTだが、3D性能に関しては残念ながらGeForce勢に一歩譲るのはやむなし。ファンレスという点を含めたコストパフォーマンスで評価するとそこまで悪くはないとは思うが、いかがだろうか。また、今回の対決はややハンデがある。と言うのもRadeon HD 2600 XTには、よりメモリが高速なGDDR4版があり、そちらを使えばGeForce 8600 GTSとの差が若干ながら縮まるからだ。 |
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ライバルに一言 |
もともとRadeonはコストパフォーマンス重視の設計。分が悪いのは折り込み済み |
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続いては、現在急速に注目されつつあるDirectX 10環境での性能を測定した。一時期は普及に疑問符が付いた感もあったDirectX 10だが、2007年7月に発売された「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」を皮切りに、ゲーマーの間で注目度が増しつつあり、今後に期待ができそうな情勢となってきた。
こちらの測定用に使ったのは、ロストプラネット エクストリーム コンディション体験版(DirectX 10版)と、Call of Juarez DirectX 10 Benchmarkの2本だ。なお後者は、解像度を変更した1,280×1,024ドットと1,600×1,200ドットの2パターンで計測(そのほかの設定は、ロストプラネットも共通してデフォルトである)。結果として表示される数値のうち、平均フレームレートとなる「Average」をピックアップしている。なお、GF P79GS-SPHは両ベンチマークの測定が不可能なため、スコアを掲載していない。これは搭載GPUであるGeForce 7900 GSがDirectX 9までの対応となっているためだ。
結果は、ロスト プラネットではDirectX 9版とほぼ共通した傾向を見せるが、Call of Juarezの1,280×1,024ドットで初めてULTIMATE HD2600XTが優位性を見せる。1,600×1,200ドットの結果では 8600GTSに逆転されているものの、ゲームタイトルと測定条件によっては、両者が比肩することもあるというよい証明となるだろう。 |
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加藤勝明 |
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GALAXY |
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GF P79GS-SPH/256D3 |
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DirectX 9世代のGPUだけに、DirectX 10世代の土俵では勝負すらさせてもらえないのがつらい。DirectX 10で表現力が上がるゲームタイトルも出てきたが、ゲームの体験そのものの質を向上させるほどとはまだ言い難い。ゲームに関して言えば(ハイエンドならまだしも)わざわざGeForce 8600 GTSクラスのGPUをDirectX 10のために導入する意味は薄いのではなかろうか。 |
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ライバルに一言 |
勝ち誇るのはDirectX 10必須のゲームタイトルが過半数を占めてからだ! |
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宮崎真一 |
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ZOTAC |
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8600GTS 256MB DDR3 PCIE |
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まず、ロスト プラネットの結果を見ると、2製品だけの比較となるが本製品が最高のパフォーマンスを発揮している。また、Call of Juarezでは1,280×1,024ドットでわずかだがULTIMATE HD2600XTを下回っているものの、1,600×1,200ドットでは逆転を果たしている。高解像度でもULTIMATE HD2600XTよりパフォーマンスの落ち込みが少ないことは、ミドルレンジ向け製品にとって大きなアドバンテージだ。 |
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ライバルに一言 |
DirectX 10環境でパフォーマンスを望むのであれば本製品しか選択肢はない |
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橋本新義 |
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Sapphire |
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ULTIMATE HD2600XT 256MB GDDR3 PCIE |
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まず強調したいのは、DirectX 10にしっかり対応しているという点。非対応のGPUもある中で、GPUがきちんと対応しているのは重要ではないだろうか。しかもロスト プラネットでは旗色が悪いが、Call of Juarezでは別のカードのような健闘を見せている。この結果はゲームタイトルによっては比肩する性能が出せるというよい例と言えるだろう。願わくばこうしたタイトルの増加を望むところだ。 |
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ライバルに一言 |
今後のゲームを考えると、とにかくDirectX 10が動くことは重要では? |
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