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TEXT:保坂陽一 |
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第3部 見れば納得!! PC自作実践講座 |
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「PCを自作」と言うと難しそうに聞こえるが、実際に特別な技術は必要ない。この講座では一般的なパーツ構成での組み立て手順から、Windows Vistaのインストールまでを紹介しているので、ぜひ自分が組み立てる際の参考にしてみてもらいたい。 |
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ここではこちらで紹介している静音PCを、実際にイチから組み立ててみよう。静音PCと言っても、これは現在の標準的なパーツ構成で、組み立て方法もスタンダードなものとなっている。もちろんパーツごとにコネクタの配置や、固定方法などは違ってくるので注意は必要だが、基本的な部分で大きな違いはないはず。自分の購入した(購入する)パーツと、どこが違うのかをチェックしながら見てもらえれば、より理解が深まることだろう。また、今回の構成の場合、必須と言える工具はプラスのドライバー(先が長めで、磁石付きのものが便利)1本だけなので、まず家庭にあるものだけで大丈夫なはずである。
また、CPUやメモリなどは静電気に弱いパーツではあるが、組み立て前にノブをさわるなどしておけば、実際にはそれほど神経質になる必要はない。組み立ての際に気を付けるのは、おもに細かなパーツをなくさないようにすることや、尖ったパーツで手などをケガしないようにすること。急がずに、落ち着いて作業することを心掛けたい。
ちなみに、PCを組み立てると、パーツの箱や梱包材などが大量に残ることになるが、初期不良交換などの際に必要になるので、できればパーツの保証期間内はすべて保管しておきたい。ケースの箱などにまとめておけばよいだろう。何かトラブルが起こった際も、まず個人での対応が求められるのが自作PCなのだ。 |
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工具
標準的なパーツ構成ならプラスドライバー1本あればOK。ただ、安全のために手袋やラジオペンチ、マイナスドライバーなどもあるとよいだろう |
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ケーブル・ネジ類
今回組み立てるパーツ構成なら、ケーブルやネジなどはマザーボードやケースに付属しているものだけで大丈夫。購入したらよく確認しよう |
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パーツリスト |
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CPU |
Intel Core 2 Quad Q9550 |
28,000円前後 |
CPUクーラー |
サイズ MUGEN∞2 |
5,000円前後 |
マザーボード |
ASUSTeK P5Q-E |
16,000円前後 |
メモリ |
UMAX Pulsar DCDDR2-4GB-800 |
5,000円前後 |
ビデオカード |
玄人志向 GF9600GT-E512HW/HD/GE |
12,000円前後 |
HDD |
Samsung EcoGreen F2 HD502HI |
5,000円前後 |
光学ドライブ |
LG Electronics GH22NS40 |
4,000円前後 |
電源 |
サイズ 超力 SCPCR-500 |
10,000円前後 |
ケース |
CoolerMaster Sileo 500 |
13,000円前後 |
OS |
Microsoft Windows Vista Home Premium SP1(DSP版) |
13,000円前後 |
合計 |
111,000円前後 |
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(1)CPUをマザーボードに取り付ける |
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最初に行なう作業は、マザーボード上のソケットにCPUを取り付けることだ。これは狭いケース内に入れる前に安全に作業を行なうためである。なお、今回使用しているCore 2 Quad Q9550は、LGA775というCPUソケットに対応したもので、Core i7を除き、現行のIntel製デスクトップPC向けCPUは、すべてこのソケットを採用している。 |
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「1」まずはCPUソケットの脇にあるレバーを引き上げる。安全のために、まだソケット上にある樹脂製カバーは外さずにおいておこう |
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「2」レバーに続いて、内側にあるカバーを反対側に引き起こす。CPUをセットする端子部が出てくるが、ここを傷付けると大変なので注意したい |
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「3」CPUの角にある三角マークと、ソケット側の三角マークが重なるように向きを合わせ、CPUをソケットに置く |
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「4」開けたときと逆の手順で、レバーを下ろしてCPUを固定する。すると自然に樹脂製カバーが外れるので、マザーボードの箱と一緒に保管しておこう |
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Point! 机を傷付けないように |
マザーボードの裏面はトゲだらけ。作業を行なうときは、下に厚手のマットかダンボールのようなものを敷いておきたい |
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(2)CPUクーラーを取り付ける |
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CPUクーラーによるCPUの冷却は必須であり、確実な取り付けが求められる。CPUクーラーの取り付け方法は、製品によって大きく2パターンに分類され、一つはCPUの上面から固定するもの。もう一つはここで紹介している、マザーボードの背面に金具を取り付け、CPUを挟み込むように固定するものだ。手間は増えるが、こちらなら重い大型クーラーもしっかりと固定することができる。 |
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「1」CPUクーラーにLGA775用の固定具をネジ止めする。ヒートシンク部に取り付けるファン向きは、ファン側面の矢印を見れば判別できる |
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「2」マザーボードに取り付けたCPUの表面に、CPUクーラー付属のグリスを塗る。薄く、均一に塗るのがコツだ(こちらのPointも参照) |
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「3」マザーボードのCPUソケット裏面に固定具を取り付け、CPUを挟み込むように、1で取り付けたCPUクーラー側の固定具とネジ止めする |
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「4」取り付けたCPUクーラーの向きを確認。ここではケースの前面から背面へ空気が流れることを考慮し、自然な冷却が行なえるようにしている |
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「5」マザーボード上の「CPU FAN」と書かれたコネクタにファンの電源ケーブルを接続する。挿し忘れると熱暴走の原因になるので注意しよう |
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