第4部 PCを快適に使うためのOSインストール前後の設定 5/5 | この春始めるPC自作

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第4部 PCを快適に使うためのOSインストール前後の設定

TEXT：芝田隆広

RAMディスクを利用しよう

■	高速メモリをHDD代わりにして超高速アクセス

　Windows Vista 32bit版などの32bit OSは、仕様上メモリを3GB程度までしか使用することができない。たとえば4GBのメモリを搭載したマシンの「システムのプロパティ」に「4GB」と表示されていても、実際には1GB程度が「管理外領域」となり、そこにアクセスすることはできない。そこでこの管理外領域のメモリを、HDDのようなストレージとして利用する方法を紹介しよう。

　まずメモリは、HDDなどと比べると数十～数百倍も速い。RAMディスクはこれをストレージとしてアクセスできるようにするもので、読み書きが頻繁に行なわれるWebブラウザの一時ファイルなどの保存場所として使うと、体感速度が劇的に向上する。

　今回紹介する「RamPhantom3」は、メモリを簡単にRAMディスクとして扱えるようにする代表的なソフト。アイ・オー・データ機器のWeb通販サイト「ioPLAZA」でダウンロード販売されている。購入時は、無料の会員登録が必要で、支払い方法は、クレジットカードのほか、銀行振込、コンビニ決済、郵便振替、Edyを利用することができる。

　インストールはとくに難しいことはない。購入手続きを終えてダウンロードしたファイルを実行すると、デスクトップにフォルダが作成される。そのフォルダ内のインストーラを起動し、メニューに従って作業を進めていけばよいだけだ。インストール完了後、再起動を行なうと、RAMディスクが自動で作成され、（マイ）コンピュータにドライブが出現するので確認しよう。

RamPhantom3を入手する

ioPLAZAのダウンロード販売にアクセス
ioPLAZAで「当社製ソフト」タブ→「RAMディスク」→「ダウンロード販売」→「RamPhantom3」とたどる

カートに入れて購入
販売ページが開いたら「カートへ入れる」ボタンを押し、購入手続きを進めていく。価格は2,480円だ。購入時は会員登録が必要となる

RamPhantom3をインストールする

インストーラを起動しよう
ダウンロードしたファイルを実行すると、デスクトップにインストーラが展開される。それを実行して、インストールを進めていく

セキュリティの警告が表示される
インストール途中で警告画面が表示される。「インストール」ボタンをクリックしてインストールを進める

インストール完了と再起動
ソフトのインストールが完了すると、再起動を促す確認画面が表示されるので、「完了」ボタンを押してPCを再起動しよう

ドライブ一覧にRAMディスクが出現
再起動すると自動で（マイ）コンピュータにRAMディスクが作成される。ここではFの「ローカルディスク」がRAMドライブだ

■	RamPhantom3の設定を“知る”そして“使う”

　RamPhantom3がインストールされると、タスクトレイにアイコンが表示される。このアイコンをダブルクリックして「RamPhantom3の状態」ウィンドウの「プロパティ」を押すと各種の設定が変更可能だ。

　まず設定しておきたいのがRAMディスクの容量とドライブレター。これは「RamPhantom3のプロパティ」の「全般」タブで設定することができる。

　また、メモリの内容は電源をOFFにすると消えてしまうので、RAMディスク内のデータを残しておくには、シャットダウン前にHDDにバックアップする必要がある。「バックアップ」タブで、バックアップのタイミングを選択しておくとよいだろう。

　RAMディスクは、Webブラウザのキャッシュ（一時ファイルの保存先）に使うと便利だ。RamPhantom3では、「RamPhantom3のプロパティ」の「インターネット一時ファイル」タブで使用しているWebブラウザにチェックを入れるだけで設定できる。

　Windowsの仮想メモリ置き場として使う手もある。コンピュータを右クリックして「プロパティ」→「システムの詳細設定」で「パフォーマンス」の欄の「設定」ボタンを押す。「パフォーマンスオプション」の「詳細設定」タブで「変更」ボタンをクリック。「すべてのドライブの～」のチェックを外し、Cドライブなどをクリックして「ページングファイルなし」→「設定」を選択した後、RAMディスクをクリックして「カスタムサイズ」で容量を指定すればよい。

　このほかPhotoshop CS4など、大きなファイルを扱うソフトの一時ファイル保存先として使うと、体感速度が向上するだろう。

RAMディスクをWindowsの仮想メモリに
Windowsの仮想メモリのページングファイルを、RAMディスクに変更する。環境によっては体感速度が向上する場合がある

Photoshopの仮想記憶ディスクに
Photoshop CS4では「編集」→「環境設定」→「パフォーマンス」の「仮想記憶ディスク」で、一時ファイルの場所を設定可能

「全般」タブ

「全般」タブでは、RAMディスクに割り当てる容量やドライブレターなどを指定できる。OSで管理できない余剰部分だけをRAMディスクにする場合は「OS管理外メモリーのみ」にチェックを入れて、スライドバーで容量を調節すればよい。ドライブレターはプルダウンメニューで選べる。使用頻度の低いドライブレター（例：Z）にしておこう。これはUSBメモリを装着したままOSを起動すると強制的にRAMディスクのドライブレターが変更されてしまう恐れがあるからだ

「バックアップ」タブ

「バックアップ」タブでは、RAMディスクの内容をHDDにバックアップするさいの設定を行なう。通常は「ログオフ時に自動で保存」にしておけばよい。またRAMディスクの容量が大きいときは、「コンピュータのアイドル時間を利用して保存」でこまめにバックアップしておけば、ログオフ時間を短くできるのでオススメだ

「インターネット一時ファイル」タブ

「インターネット一時ファイル」タブでは、Webブラウザの一時ファイル置き場をRAMディスクに変更できる。対応しているWebブラウザはInternet ExplorerおよびFirefoxの2種類。チェックを入れて「OK」を押すだけで設定が可能だ。そのほかのWebブラウザを使っている場合は、各Webブラウザの環境設定項目を確認して、手動で保存先を変更する必要がある