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TEXT:鈴木雅暢 |
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ビデオカード
3Dグラフィックスを駆使するVista環境においては一般ユーザーにとってもビデオカードの性能が重要となる。ビデオカード自体も変わりつつある。 |
ここがトレンド!
○Aero対応は必須
○静音性の向上が顕著
○ビデオメモリも重要に
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ディスプレイに出力する画面を描画する役割を持つのがビデオカード。現在最大のトピックは、もちろんWindows Vistaへの対応である。従来はゲーマー以外の一般ユーザーにとってはそれほど重要度の高くないパーツであったが、Windows Vistaが、3Dグラフィックスの技術をデスクトップ画面の描画に活かせる「Windows Aero」を導入したことにより、一気に重要度が増している。
最近秋葉原などの電気街で人気が高いのは、実売価格2万円前後の製品。「中の上」から「上の下」辺りのグレードのグラフィックスチップ(GPU)を搭載したモデルだ。このクラスは最新の3Dゲームも快適にプレイできる実用的なラインで、もちろん、Aeroも快適に動作する。GPUの製造技術が向上したことで、性能向上とともに省電力化が進んでおり、高い静音性を実現した製品も増えている。
なお、Aeroを有効にするための要件としては「DirectX 9/Pixel Shader 2.0対応でビデオメモリ128MB以上」という基準があるが、これだけでは十分とは言えない。GPUコアやビデオメモリのスピードがある程度高速でなければ、ウィンドウの半透明処理やフリップ3DなどといったAeroの特殊効果自体は使えるものの、なめらかな表示が得られないことがある。下表に記したような現行GPUを搭載した、実売1万5,000円前後の製品が無難なラインと言えるだろう。また、1,600×1,200ドット以上の解像度で利用するのであれば、256MB以上のビデオメモリ容量が欲しいところだが、それ以上はそれほどデスクトップ描画のパフォーマンスに差が現われない。 |
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グラフィックスチップ(GPU)
Vista環境で大きく注目を集めているGPU。さまざまなグレードのものがあるが、基本的に性能はビデオカードの価格に比例していると思ってよいだろう |
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Leadtek |
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WinFast PX7950 GT TDH 256MB |
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実売価格:34,000円前後 |
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NVIDIAのハイパフォーマンスGPU、GeForce 7950 GTを搭載したビデオカード。最新3Dゲームが快適にプレイできる性能と静音性を両立している。PCI Express x16対応 |
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Leadtek独自設計のクーラーは動作音が非常に静粛だ |
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MSI |
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NX7600GS-MTD256E |
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実売価格:18,000円前後 |
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快適な動作が目的ならばGeForce 7600 GSクラスのミドルレンジGPUで十分。これに加えて本製品はHDMI出力コネクタを搭載しているのも特徴。さらに、Low ProfileタイプのPCI Express x16スロットにも対応できる |
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HDコンテンツのデジタル出力に使えるHDMI出力(HDCP対応)を標準で装備している |
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現在の主なグラフィックスチップ |
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NVIDIA |
ATI |
価格・性能 |
GeForceシリーズ |
Radeonシリーズ |
8800 GTX |
X1950 XTX |
50,000円~
30,000円~
20,000円~
10,000円~
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8800 GTS |
X1900 XTX |
7900 GTX |
X1950 PRO |
7950 GT |
X1900 PRO |
7900 GS |
X1650 XT |
7600 GT |
X1650 PRO |
7600 GS |
X1600 XT |
7300 GT |
X1600 PRO |
7300 GS |
X1300 XT |
7300 LE |
X1300 |
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High
Low
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※価格はそのGPUを採用した標準的な仕様のビデオカードをもとにした目安。搭載される機能、ビデオメモリの容量などで大きく変化する |
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MSI |
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NX7900GS-T2D256EZ |
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コストパフォーマンスの高いGeForce 7900 GSを搭載するファンレスビデオカード |
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実売価格:26,000円前後 |
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(1)ビデオメモリ |
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ビデオカードに実装されているメモリ。出力前の画面を一時的に保存しておくフレームバッファのほか、テクスチャデータなどに利用される。ビデオメモリ容量によって、表示解像度や利用できるエフェクトなどが決まる |
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(2)電源コネクタ |
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消費電力が高く、インターフェースからの給電では足りないビデオカードに電源を供給するためのコネクタ。電源ケーブルを接続し忘れると、PCが起動しないことが多いので、組み立ての際にも要注意 |
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(3)出力コネクタ |
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ディスプレイに出力するためのコネクタ。この製品の場合は、デジタル出力用のDVI-I×2、テレビ出力(コンポジット/コンポーネント/S端子)という構成で、アナログ出力(Dsub 15ピン)は付属の変換アダプタで使用できる。ディスプレイが対応していればぜひ高画質なDVIで接続したい |
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(4)GPU |
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3Dグラフィックスの描画(座標変換、ライティング、レンダリングなど)を高速で行なうためのプロセッサ。ビデオカードの性能/機能の大部分はこのGPUの種類で決まる。発熱が大きいので冷却システムは必須であり、この製品でも下の写真のように大型のヒートシンクが取り付けられている |
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(5)インターフェース |
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マザーボードとビデオカードの接点となるインターフェース。現在はPCI Express x16(データ転送速度8GB/s)が主流になっているが、その前世代に主流であったAGP 8X(同4GB/s)のカードもまだ多く流通している |
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インターフェース |
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ビデオカードのインターフェースは、PCI Express x16タイプが主流だが、前世代の主流であったAGPに対応する製品もまだ販売されている。GPUが同じであればインターフェースによる速度差は小さいので、PCI Express対応ビデオカードだけを目的としてマザーボードを買い換える必要はない |
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サイズ・クーラーの性能 |
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カードのサイズ(長さ)やクーラーの大きさは購入前に確認しよう。とくにハイエンドの製品はカードサイズが長く、2スロット分のスペースを使用する厚みのあるものもある。また、カードの背面に張り出すようなクーラーもケースやマザーボードのレイアウトによっては、ほかのパーツと干渉することがあるので注意が必要だ |
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大型ヒートシンクを搭載して、ファンレス構造による静音化を図った製品は人気が高いが、取り付けるマザーボードやケースには注意(写真はMSI NX7900GS-T2D256EZ) |
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電源コネクタ |
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消費電力の高いGPUを採用した高性能ビデオカードでは、電源ユニットから直接給電できるようにカード上に電源コネクタが実装されている。コネクタ形状はカードによって違うが、ビデオカードに付属しているものや、市販されている4ピンペリフェラル電源コネクタからの変換ケーブルを使えば、電源を交換する必要はないだろう |
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ビデオメモリ |
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高解像度環境での利用やエフェクトなどを多用する場合には、多くのビデオメモリが必要だ。Windows VistaのAeroも意外に多くのビデオメモリを必要としており、1,280×1,024ドット以上で128MB以上、1,920×1,200ドット以上では256MB以上が必要となる |
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搭載されるビデオメモリの容量は要チェック。同じGPUを採用した製品でも、搭載容量の違うモデルが存在することもある |
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