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TEXT:鈴木雅暢 |
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Pentium以来の「歴史的存在」Core 2 Duoの衝撃 |
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デュアルコアの優れたパフォーマンスは、2005年に登場した第1世代のデュアルコアCPUであるPentium D、およびAthlon 64 X2によって大いに認知され、順調に普及した。そして、その性能をさらに向上させるとともに、低消費電力というニーズも同時に満たしたのが、第2世代のデュアルコアCPU、Core 2 Duoだ。
それまでの高クロック至上主義を改め、電力効率を重視した新しいIntel Coreマイクロアーキテクチャを採用。このIntel Coreマイクロアーキテクチャでは、モバイル向けのCore Duo(Yonahコア)をベースにさらに1命令あたりの実行可能命令数を増やし、SSE系命令のスループットを2倍に、システムバス帯域も2倍にした上、動作クロックを向上。さらにメモリレイテンシを隠蔽する機能などを付け加えている。
その結果、Core 2 Duoは、既存のデュアルコアCPUを圧倒する高性能とともに、大幅な低消費電力化を実現。「性能と消費電力はトレードオフの関係にある」というそれまでの常識を覆した。それだけではない。ごく一般的な価格で買えるレギュラーモデルのCPUとしてリリースされたため、CPU市場へのインパクトが絶大。瞬く間にCPUシーンの中心的存在として君臨しただけでなく、Pentium DやAthlon 64 X2といった既存CPUの大幅なプライスカットも誘発し、市場全体を大いに活性化させることとなった。
デュアルコアCPUと低消費電力、2005年のCPUシーンのキーワードであった二つの要素は、Core 2 Duoの登場で融合し、2006年には「デュアルコアCPUで低消費電力」がごく普通のことになった。Intelが自らアピールするように、まさにPentium以来の「歴史的存在」と言っても過言ではないだろう。
AMDのAthlon 64 X2は、そのCore 2 Duoの影に隠れてしまった感がある。デュアルコアCPUとして、Pentium Dよりも性能、省電力特性の両面で優れていたが、Core 2 Duoの登場によりその立場は逆転してしまった。低消費電力版(Energy Efficient)の投入やプライスカットで対抗するも、今一つ印象が薄かったのもやむを得ないところだ。しかし、ここにきて製造プロセスルールを65nmに微細化した新コアを投入することを発表。レギュラーモデルのTDPをCore 2 Duoと同じTDP 65Wへ引き下げており、巻き返しが期待される。 |
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CPU高速化のアプローチはこのようなベルトコンベアにたとえると分かりやすい。従来の動作クロック向上による高速化アプローチはベルトコンベアの速度を上げること、そしてデュアルコアのアプローチは、ベルトコンベアのベルトを2本に増やすことに相当する |
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エンスージアスト向けではクアッドコアCPUも登場 |
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Intelからは、デュアルコアのさらに2倍、四つのコアを内蔵するクアッドコアCPU「Core 2 Extreme QX6700」もデビューしている。この製品は、一つのCPUパッケージ上にデュアルコアのダイを二つ実装してクアッドコアとした、いわば「デュアルコア×デュアルダイ」方式なのが特徴。真の意味でクアッドコアと言えるかは微妙だが、研究開発の負担軽減や歩留まり向上、生産調整の容易さなどの面でアドバンテージがある。
一方、AMDも、デュアルソケットを前提としたQuad FXを提唱し、注目を集めている。デュアルコア×デュアルソケットで4コアを実現するが、さらにクアッドコアCPU(コードネーム=Barcelona:バルセロナ)の投入も明らかにしており、将来的には8コアシステムが可能となる。このQuad FXプラットフォームには、Socket FのAthlon 64 FX-70シリーズが使われるが、最上位モデルのFX-74はAMD CPUとして初めて3GHzの大台に到達することでも注目されている。 |
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2007年登場予定のQuad FX
Quad FXプラットフォームのリファレンスシステム。PCI Express x16スロットを4本搭載しており、4CPUコア×4GPUが可能。チップセットはNVIDIAのnForce 680a SLI |
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65nmの最新コア、Brisbaneが登場
65nmプロセス製造のAthlon 64 X2 5000+のCPU情報表示画面。コードネーム(Brisbane:ブリスベーン)やSteppingに変更があることが分かる |
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Intelのデスクトップ向けプラットフォームであるLGA775。シングルコアからクアッドコアまで幅広く対応CPUを取り揃え、対応チップセットやマザーボードも豊富だ。2006年に登場したCore 2 Duoによって、高消費電力のイメージはすっかり払拭された。 |
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Intel |
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Core 2 Duo Eシリーズ |
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URL:http://www.intel.co.jp/ |
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新しいIntel Coreマイクロアーキテクチャの採用により、従来の常識からは考えられないような突出した高性能と低消費電力の見事な両立を実現した第2世代のデュアルコアCPU。新時代の定番CPUとしてすでに市場の中心的存在となっている |
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SPECIFICATION
コア数:2
2次キャッシュ:4MB/2MB
システムバス:1,066MHz
TDP:65W
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プロセッサ・ナンバ |
E6700 |
E6600 |
E6400 |
E6300 |
周波数 |
2.66GHz |
2.4GHz |
2.13GHz |
1.86GHz |
実売価格(前後) |
66,000円 |
40,000円 |
29,000円 |
24,000円 |
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Intel |
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Core 2 Extreme |
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URL:http://www.intel.co.jp/ |
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Core 2 Duoのさらに上位に位置するCPU。最新のQX6700は、四つのコアを内蔵するクアッドコアCPUで、2次キャッシュは8MB(4MB×2)を内蔵する。X6800はデュアルコアだが、2.93GHzとクロックが高く、性格の違う2製品が揃う |
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SPECIFICATION
コア数:4/2
2次キャッシュ:4MB×2/4MB
システムバス:1,066MHz
TDP:130/75W
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プロセッサ・ナンバ |
QX6700 |
X6800 |
周波数 |
2.66GHz |
2.93GHz |
実売価格(前後) |
129,000円 |
127,000円 |
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Intel |
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Pentium D |
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URL:http://www.intel.co.jp/ |
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Core 2 Duoの1世代前となるIntelのメインストリームCPU。消費電力、発熱ともにかなり高いが、デュアルコアCPUだけに性能面は水準以上のものがある。Core 2 Duoの影響で価格がグンと安くなり、買い得感は高くなっている |
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SPECIFICATION
コア数:2
2次キャッシュ:2MB×2/1MB×2
システムバス:800/533MHz
TDP:130/95W |
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プロセッサ・ナンバ |
940 |
925 |
915 |
805 |
周波数 |
3.2GHz |
3GHz |
2.8GHz |
2.66GHz |
実売価格(前後) |
24,000円 |
19,000円 |
16,000円 |
13,000円 |
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Socket AM2は、2006年5月にリリースされたDDR2対応のAthlon 64シリーズをサポートする新しいCPUソケットだ。AMD64アーキテクチャではメモリコントローラをチップセットではなくCPUに内蔵するため、対応メモリの変更にはCPUソケットの変更が必要だった。 |
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AMD |
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Athlon 64 X2 |
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URL:http://www.amd.com/jp-ja/ |
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AMDの主力デュアルコアCPU。Pentium Dに対しては絶対的な優位を保っていたものの、Core 2 Duoにはやや押され気味。それでも、65nmプロセス版の投入により、Core 2 Duo並みの低消費電力を実現、巻き返しを図る |
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SPECIFICATION
コア数:2
2次キャッシュ:1MB×2/512KB×2
システムバス:2,000MHz
TDP:89W(90nm版)/65W(65nm版) |
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モデルナンバー |
5200+ |
5000+ |
4600+ |
3800+ |
周波数 |
2.6GHz |
2.6GHz |
2.4GHz |
2GHz |
実売価格(前後) |
41,000円 |
36,000円 |
28,000円 |
18,000円 |
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今後はSocket F対応となる孤高のフラグシップ |
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AMD |
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Athlon 64 FX |
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URL:http://www.amd.com/jp-ja/ |
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Athlon 64 X2の上位モデルとして用意されているエンスージアスト向けのプレミアモデル。Athlon 64 X2互換のSocket AM2版のほか、デュアルソケットを前提としたQuad FXプラットフォーム用に、Socket F版のFX-70シリーズが登場予定 |
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SPECIFICATION
コア数:2
2次キャッシュ:1MB×2
システムバス:2,000MHz
TDP:125W |
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モデルナンバー |
FX-62 |
周波数 |
2.8GHz |
実売価格(前後) |
86,000円 |
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AMD |
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Athlon 64 X2 Energy Efficient |
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URL:http://www.amd.com/jp-ja/ |
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Athlon 64 X2の低消費電力バージョン。TDP 65Wのモデルと、さらに低消費電力なTDP 35Wモデルが用意されている。65nm製造の新コア登場により、ノーマルモデルのTDPが65Wに引き下げられるため、今後はTDP 35Wモデルに注目 |
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SPECIFICATION
コア数:2
2次キャッシュ:512KB×2
システムバス:2,000MHz
TDP:65W/35W |
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モデルナンバー |
4600+(65W) |
4200+(65W) |
3800+(65W) |
3800+(35W) |
周波数 |
2.4GHz |
2.2GHz |
2GHz |
2GHz |
実売価格(前後) |
28,000円 |
22,000円 |
18,000円 |
47,000円 |
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