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TEXT:橋本新義 |
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DDR3と4GB以上へのシフトが鮮明に |
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メモリ編 |
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2009年のメモリ市場は、DDR2からDDR3への移行が本格的に進行するとともに、64bit版Windowsの普及に合わせて、4GB以上の大容量の環境が一般的となった。8月からDDR2の価格が急騰したことで、DDR2とDDR3がほぼ同価格になったことも見逃せない。 |
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■ |
DDR3への本格的な移行と4GB搭載の標準化がトレンドに |
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2009年のメモリにおける最大のトレンドは、DDR3への移行が本格的にスタートしたことだ。これは、LGA1156版Core i7/i5やPhenom II/Athlon IIといった自作PCユーザーに人気の高いCPUと対応マザーがDDR3に対応した点と、DDR2に対する価格差が解消されつつある点が要因だ。こうした移行時期は、自分のPCではどのメモリが使えるのかに注意して購入する必要がある。買い足しならばDDR2でもよいが、マザーボードとあわせて購入するのなら、性能・将来性を考えるとDDR3をお勧めしたい。

また、購入時にもう一つ注意したいのは、DDR2とDDR3の速度規格の名称だ。メモリチップの名称とメモリモジュール(DIMM)としての名称の2種類が存在するため、慣れないとやや混乱する。今回はこれらについても表にまとめたので参考にしていただければ幸いだ。

また、大きく注目されるのが大容量化のトレンドだ。これは2009年夏までに進んだ低価格化と、Windows 7への移行に合わせて64bit環境が普及したことが要因。ただし、価格の点では、とくにDDR2が8月より急騰してしまい、12月でも高値で推移している状況だ。2010年は低価格PCにもDDR3が普及し、移行がさらに加速するだろう。また、4GBモジュールの低価格化が進めば8~12GB構成も一般的になりそうだ。 |
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CPUごとの対応メモリを整理しよう |
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自分のPCに合うメモリがDDR2かDDR3かは、基本的にはCPUの種類で決定される。下にまとめたように、IntelのCore i7とCore i5はDDR3のみ、AMDのPhenom IIとAthlon IIはDDR2/3兼用(マザーボードによって変わる)、そしてIntelのCore 2シリーズはDDR2専用(ただしごく一部にDDR3対応マザーもあり)となっている。 |
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LGA1366版Core i7 |
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Phenom II |
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Core 2 Duo/Quad |
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LGA1156版 Core i7/Core i5 |
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Athlon II |
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Pentium/Celeron |
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IntelのCore i7/Core i5はDDR3のみのサポート。AMDのPhenom II/Athlon IIはマザーボードによって使用するメモリを選択できる。Core 2シリーズも両対応だが、対応マザーの大半はDDR2のみ使えるようになっている |
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チップ規格とモジュール規格の関係 |
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DDR2やDDR3メモリでは、速度によって分類された規格名が用意されているが、その名称は2種類ある。一つはメモリチップ単体での規格名、もう一つはモジュール(DIMM)の規格名だ。前者はメモリチップの動作クロックを示し、後者はDIMM1枚あたりのデータ転送速度を示している。たとえば「DDR3-1333」(動作クロック1,333MHz相当)のメモリチップは、DIMMの状態では「PC3-10600」(データ転送速度10,600MB/s=10.6GB/s)となる。慣れないうちはこの名称が混乱のもとになるが、下の式で簡単に変換できるので、覚えておけば安心だ。 |
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チップ規格 |
モジュール規格 |
DDR2-533 |
PC2-4200 |
DDR2-677 |
PC2-5300 |
DDR2-800 |
PC2-6400 |
DDR3-1066 |
PC3-8500 |
DDR3-1333 |
PC3-10600 |
DDR3-1600 |
PC3-12800 |
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Corsair Memory |
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DOMINATOR CMD12GX3M6A1600C8 |
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問い合わせ先:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)
URL:http://www.corsairmemory.com/ |
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PC3-12800(DDR3-1600) |
CL=8 |
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LGA1366環境ならではの6枚組キット
12GBという大容量メモリ環境を実現可能な、2GB×6枚組のDDR3メモリ。LGA1366版Core i7向けのキットだ。同社製のOCメモリDOMINATORシリーズに属し、シリーズに共通する冷却機構DHXに加え、メモリスロット装着用のAirflowファンも同梱する。6枚間の信号出力タイミングなども厳密に揃えられており、安心して使える。Intel のXMP 1.2規格にも対応し、対応マザーで簡単にOC設定が可能だ。 |
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性能「5」 |
省電力性「4」 |
コストパフォーマンス「3」 |
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LINE UP |
型番 |
容量 |
実売価格 |
CMD12GX3M6A1600C8 |
2GB×6 |
41,000円前後 |
CMD8GX3M4A1600C8 |
2GB×4 |
34,000円前後 |
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OCZ Technology |
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OCZ3G1600LV4GK |
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問い合わせ先:03-5215-5650(アスク)
URL:http://www.ocztechnology.com/jp/ |
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PC3-12800(DDR3-1600) |
CL=8 |
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永久保証付きOCメモリ
OCメモリメーカーとして名高いOCZ Technologyのデュアルチャンネルメモリキット(2GB×2)。LGA1156環境におけるDDR3メモリの標準クロックである1,333MHzを大きく上回る1,600MHz動作を実現しているほか、CL=8と低レイテンシなのが特徴だ。DDR3-1600動作時の動作電圧が1.65Vと低く、発熱を抑えられるのもウリの一つ。永久保証付きで、品質面でも大いに安心感のあるメモリだ。 |
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性能「5」 |
省電力性「4」 |
コストパフォーマンス「3」 |
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LINE UP |
型番 |
容量 |
実売価格 |
OCZ3G1600LV4GK |
2GB×2 |
14,000円前後 |
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Patriot Memory |
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PSD34G1600KH |
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問い合わせ先:inf@fastcorp.co.jp(ファスト)
URL:http://www.patriotmem.com/ |
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PC3-12800(DDR3-1600) |
CL=9 |
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手頃な価格のDDR3-1600メモリ
LGA1156版Core i7/i5をターゲットにした、2枚組のDDR3-1600対応メモリ。1,600MHz相当でCL=9という高速動作を実現しつつ、DDR3メモリとしても手頃な価格という、お買い得度の高い製品だ。オーバークロックメモリを得意とするPatriotらしく、同社のイメージカラーであるメタリックブルーのヒートスプレッダを搭載し、2本のメモリ間のタイミングマッチングなどもしっかりと実施されている。 |
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性能「5」 |
省電力性「4」 |
コストパフォーマンス「5」 |
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LINE UP |
型番 |
容量 |
実売価格 |
PSD34G1600KH |
2GB×2 |
10,000円前後 |
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CFD販売 |
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CFD ELIXIR W3U1333Q-2G |
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問い合わせ先:052-619-1560
URL:http://www.cfd.co.jp/ |
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PC3-10600(DDR3-1333) |
CL=9 |
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豊富な動作検証で安心
多くのショップで高い人気を誇る、CFD ELIXIRブランドのスタンダードDDR3メモリ。LGA1156版Core i7/i5やAMD製CPUに向けた2枚組製品だ。ノーブランド品に近い低価格でありながら永久保証が付くほか、販売代理店のCFD販売により動作確認済みマザーボード情報が詳細に提供されているため、低価格のDDR3メモリの中でも安心して使えるスタンダードな製品である。取り扱いショップも多い。 |
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性能「4」 |
省電力性「4」 |
コストパフォーマンス「5」 |
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LINE UP |
型番 |
容量 |
実売価格 |
W3U1333Q-2G |
2GB×2 |
9,000円前後 |
W3U1333Q-1G |
1GB×2 |
5,000円前後 |
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