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TEXT:鈴木雅暢 |
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予算2万5,000円以内 |
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でのベストマッチは? |
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●デュアルコアCPUは譲れない
●マザーボードのコストを削ってCPUに回す
●オンボードグラフィックス機能の有無でマシンの性格が変わる
●低価格マザーボードでも多機能なものはある |
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デュアルコアCPUは二つのコアで負荷を分散できる。バックグラウンドタスクが多いWindows Vistaでも軽快なレスポンスが得られる |
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AMD CPU向けのグラフィックス機能統合型チップセットは描画パフォーマンスが高く、RAID、LANといった機能も充実している |
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Core 2 Duo対応の低価格マザーボードには、旧世代のメインストリームである945Pチップセットなどが使われている |
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AMD 690G、GeForce 7050 PVの登場で、HDコンテンツのデジタル出力に使えるHDMI出力を標準でサポートする製品が登場 |
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ここでは最安値クラスとして、予算2万5,000円以下での構成を考えてみよう。この場合の2万5,000円はあくまでも上限という意味で、下限にはとくにこだわらず、できるだけ安く構成することを目的としている。

まず譲れない前提条件としては、この価格帯であっても、デュアルコアCPUの利用をまず何よりも優先したい。CPUのページでも何度も述べてきたように、二つのコアで同時に処理をこなすことができるデュアルコアCPUのマルチタスク環境でのメリットは歴然としており、バックグラウンドで走るサービスが多いWindows Vistaにおいては、比較的ライトなビジネスアプリケーションの利用においてもその差ははっきりと実感できる。現在でもエンコーダや3DCGレンダリングソフトといったヘビーアプリケーションが対応を進めているが、今後はもっと多くのアプリケーションもデュアルコアを前提として設計してくることも考えられる。Windows Vistaを利用しない場合でも、これからPCを自作するのであれば、やはりデュアルコアCPUを選んでおきたい。現状では、デュアルコアCPUを選ぶことによるデメリットはほとんどないのである。 |
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Core 2 Duoシステムではマザーボードの選択肢が問題に |
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この価格帯ではCPU、マザーボードともに、どうがんばってもハイエンドモデルは手に入らないため、できるだけマザーボードのコストを抑えて、CPUに力を入れるというのが、まず有力な選択だろう。ただ、IntelのCore 2 Duoを利用するとなると、対応マザーボードは最安クラスでも8,000円前後はかかる。一方、CPUは最低でも1万6,000円前後するので、最安マザーボードと最安CPUの組み合わせでもほぼギリギリだ。さらに、実は最安の価格帯でCore 2 Duoに対応しているマザーボードは非常に数が少なく、VIA製チップセットを搭載した製品が少しある程度と、ほとんど選択の余地がない。VIA製だからと言って悪いと言うつもりはないが、Intelブランドに魅力を感じてCore 2 Duoを選ぶならば、やはりIntel製チップセットを選びたいという人が多いと思われるので、この価格帯でCore 2 Duoを利用するのは少々苦しいのかもしれない。Pentium D 915と2世代前のIntel 945Pチップセットを採用したマザーボードといった組み合わせが手堅い選択だろう。 |
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Athlon 64 X2なら選択肢は豊富 チップセットの選択がカギ |
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一方、AMDのAthlon X2を利用するならば、選択肢は豊富だ。まず、CPUの価格がCore 2 Duoよりも安い。9,000円前後のAthlon 64 X2 3600+、10,500円前後のAthlon 64 X2 3800+といった激安モデルはもちろん、1万7,000円前後のAthlon 64 X2 4800+くらいまでは候補に入る。マザーボードのほうも、AMD 690G、NVIDIAのGeForce 7050 PVといった最新のグラフィックス機能統合型チップセットを搭載した製品がすでに1万円前後で販売されており、人気を博している。

NVIDIAやAMD(旧ATI)製のAthlon 64 X2用グラフィックス機能統合型チップセットは低価格にもかかわらず、Windows Aeroの動作に十分なパフォーマンスを備えており、さらにRAIDやギガビットLANコントローラを備えるなど多機能なため、チップセットの機能を活かすだけで実用的なシステムが構成できるメリットがある。現在の定番と言える組み合わせは、劇的に安くなったAthlon 64 X2 3800+とAMD 690G(またはGeForce 7050 PV)チップセット搭載マザーボードの組み合わせ。これでマザーボード占有率は49%と、冒頭で例に挙げたメインストリームレンジの占有率よりかなり高い。Athlon 64 X2 3800+でも実用的な性能があることはCPUのページで実証済みなので、CPUが単に安いだけとも言えるが、予算に余裕があるならば、もう少しCPUを強化したほうがバランスはよいと言える。

上記のような組み合わせはかなり堅い選択と言えるが、HDコンテンツをデジタル出力しての視聴にまったく興味がない、あるいはビデオカードを別途装着することが前提ならば、あえてHDMIサポートの新チップセットを選ぶ必要もない。そういう場合は、GeForce 6100チップセットなどを搭載したさらに安いマザーボードを組み合わせて、予算に余裕を持たせてビデオカードの資金に回すというのはどうだろうか。もちろん、マザーボードを1万5,000円前後のミドルレンジクラスに引き上げるという選択肢もあるが、この場合はMB占有率は60%となり、明らかにバランスが悪く、オススメしづらいところだ。 |
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シンプル設計が基本だが、例外も
BIOSも含め、マザーボードの構成はシンプルなものが多いが、BIOSTAR製品などでは自動オーバークロック機能を備えているものもある。低コスト構成でも、自作ならではの楽しみを味わえる |
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ファンレスチップセットクーラーが主流
一昔前とは違い、低価格マザーボードのチップセットクーラーもファンレスが主流となってきている。ほかのパーツとの組み合わせしだいで、低コストマシンでも比較的容易に静音化が可能だ |
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何が何でもCore 2 Duoという人に |
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Core 2 Duo E4300 |
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(16,000円前後) |
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ECS P4M900T-M(V1.0) |
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(7,000円前後) |
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MB占有率
約30% |
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Core 2 Duoの利用を前提に考えるとこのような組み合わせしかないが、この価格帯であえてIntel CPUを使いたいという人は、そうとうなIntelブランド信奉者だと思われる。VIAチップセットとの組み合わせでは満足できないのではないだろうか。 |
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2万円以下の超低コストでも性能は十分 |
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Athlon 64 X2 3800+ |
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(10,500円前後) |
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ECS GeForce 6100 SM-M |
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(8,000円前後) |
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MB占有率
約43% |
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CPUにAthlon 64 X2を利用すれば、とくにムリをしなくともデュアルコアCPUの実用的なシステムが安価に構築でき、マザーボードも用途に合ったものが選べる。ここではあえて予算に余裕を持たせたが、もう少し上のCPUを使うのもよいし、余った予算をビデオカードを追加する資金に回す手もあるだろう。 |
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AV環境も強化した今ドキ流行のシステム |
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Athlon 64 X2 4200+ |
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(13,500円前後) |
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BIOSTAR TF7050-M2 |
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(10,000円前後) |
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MB占有率
約43% |
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ビデオカードを追加しないことが前提ならば、DVI出力は必須。HDMI出力にも対応したAMD 690G、またはGeForce 7050 PVチップセットが今の旬だ。動画再生アクセラレーション機能にRAID、ギガビットLANなど周辺機能も完備しており、基本機能面でも不足ない。 |
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