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その他の特集（2011年）

激突！Bulldozer vs. Sandy Bridge

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CPU編

TEXT：鈴木雅暢

ベンチマーク決戦

Sandra XI、PCMark05、CINEBENCH、エクスペリエンスインデックス

■	インデックスのスコアはマルチタスク性能を反映か

　エクスペリエンスインデックスのスコアはご覧のとおり。上限の5.9をマークしたのはすべてクアッドコア。デュアルコアでは5.6が最高だった。下位のスコアを見ると2次キャッシュがほとんど無視されているほか、動作クロックが100MHz違うくらいではスコアの変化がない場合もあり、マルチタスク性能が重視されているようだ。冒頭でも述べたVistaの特徴を考慮すると妥当だと言えるだろう。SempronやCeleron D辺りのスコアには少々疑問を感じる面もなくはないが、PCMark05のCPUスコアともほぼ合致する傾向だ。基本的にはベンチマークテストの結果がWindows Vistaの快適度にも反映されると考えてよいだろう。

【ベンチマーク環境】

マザーボード：
［LGA775環境］GIGABYTE GA-965P-DQ6 Rev2.0（Intel P965＋ICH8R）
［Socket AM2環境］GIGABYTE M59SLI-DSS5（NVIDIA nForce 590 SLI）
［Socket F環境］ASUSTeK L1N64-SLI ＷＳ（NVIDIA nForce 680a ALI）
メモリ：センチュリーマイクロ CD1G-D2U800（PC2-6400 DDR2 SDRAM 1GB）×2
ビデオカード：ASUSTeK EAX1650PRO SILENT GE/HTD/256M（ATI Radeon X1650 PRO）
HDD：Seagate Barracuda 7200.9 ST3160811AS（Serial ATA 2.5、7,200rpm、160GB）
OS：Windows Vista Ultimate

性能を維持して消費電力を下げる

　IntelのCore 2 DuoはEIST（Enhanced Intel SpeedStep Technology）、AMDのAthlon 64 X2はCool'n'Quietと、最近のほぼすべてのCPUは、CPUの負荷に応じて自動的にクロックと電圧を切り換える省電力機能を搭載している。CPUへの負荷が低いときにはクロックと電圧を下げて電力を節約し、CPUパワーが必要なときはフルパワーに戻してくれるので、実質的な性能をほとんど犠牲にすることなく、消費電力を下げることが可能だ。

　Windows Vistaでは、これらの機能は自動的に有効になる。ただ、マザーボードのBIOSでこれらの機能が無効になっていることがあるため、有効になっているのを確認しておこう。Windows Vistaでの設定変更はコントロールパネルなどからアクセスできる「電源設定オプション」から行なえる。電源設定オプションでは、電源プランとして「バランス」、「省電力」、「高パフォーマンス」の3種類のプランが用意されており、デフォルトはEISTやCool'n'Quietを利用する「バランス」になっている。CPUを常にフルパワーで動作させたい場合は「高パフォーマンス」を選べばよい。これらのプランは「プラン設定の変更」メニューから細かくカスタマイズすることも可能だ。下のグラフはEISTのONとOFF時の消費電力をそれぞれ測定したもの。ピーク時の消費電力に変化はないが、アイドル時には省電力機能が効いて、EISTでは3Wほど消費電力が下がっている。

電源プランは、Windows Vistaのコントロールパネルにある「電源設定オプション」に用意されている。デフォルトではEISTやCool'n'Quietを利用する「バランス」となっている

オーバークロック性能が高いCPUは？

　オーバークロックは、パーツを定格外のクロックで動作させる行為。たとえば、2.13GHzで動作するのCore 2 Duo E6400の設定を変えて、3GHzで動かすというものだ。CPUはマザーボード上のPLL ICから供給されているFSBクロックを内部で何倍かにして動作しているが、多くのマザーボードにはこのFSBクロックを任意に変更できる機能が備わっており、オーバークロックはこれを利用して行なう。

　もちろん、どんなCPUでも設定を変えれば高いクロックで動作するわけではない。その設定に対する耐性がなければ失敗に終わる。オーバークロック耐性が高いCPUとしては、Core 2 Duo E6400やE6300が話題に上がる。一般に、動作クロックでグレードの差別化を図っているCPUブランドの場合、CPUのダイは上位モデルも下位モデルも同じウエハーから採られる。そのため下位の製品ほど定格より高いクロックで動作する傾向がある。とくに上位の層が厚いブランドはオーバークロックの期待値が高いと言えるが、Core 2 DuoのE6400やE6300もまさにその条件にあてはまる。

　グラフは実際にCore 2 DuoのE6400のオーバークロックを試した結果で、3.44GHz（430MHz×8）までの動作を確認できた。3万円前後で買えるE6400が、12万円以上で販売されているCore 2 Extreme X6800（2.99GHz）をはるかに上回るクロックで動作するのだからこれはオイシイ。もっとも、すべてのCore 2 Duo E6400が3GHz以上で動作するわけではない。オーバークロックを行なえば、故障したり部品寿命の短縮といったリスクも伴う。あくまでも自己責任で試してもらいたい。