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TEXT:保坂陽一 |
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フラッシュメモリ編 |
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“ハイスピードモデル”は本当に速いのか? |
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低価格かつ大容量で、高速化も進むフラッシュメモリ。その恩恵はWindows VistaのReadyBoost機能にとどまらず、さまざまな分野に浸透している。ここではそんなUSBメモリおよびメモリカードに焦点を当ててみた。 |
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Windows Vista需要で高速タイプも続々登場 |
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リムーバブルメディアとしてすっかりおなじみになったUSBメモリ。デジカメや多機能なケータイの普及に伴って、SDメモリーカードやメモリースティックもPCユーザーのみならず、広く使われるようになっている。また、最近ではUSBメモリやメモリカードなどをキャッシュ領域として活用することで、アプリケーションの起動などを高速化する、Windows VistaのReadyBoost機能でも注目されている。ただ、手頃かつ簡単にアップグレードが可能として注目される技術ではあるが、これを活用するには一定以上の転送速度や容量が必要とされており、どんなものでもというわけにはいかない。転送速度の基準は4KBデータのランダム読み出しで2.5MB/s、512KBのランダム書き込みで1.75MB/s以上とされているが、使えるか使えないかは接続してみればすぐ分かる。そのデバイスのプロパティにあるReadyBoostタブで「使用する」が選択できるようになっていればOK。使用できないものは選択肢そのものが表示されない。空き容量は256MB以上が必要で、Windows Vistaのヘルプによるとメインメモリの1~3倍の容量が推奨されているが、最大で4GBまでしか活用できないという制限もある。 |
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USBメモリやメモリーカードは接続時にテストが行なわれ、ReadyBoostに対応しないものは、その使用設定も表示されない |
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最近は通信カードなども登場してきたExpressCardスロットだが、まだまだ用途は少ない。対応フラッシュメモリはReadyBoostにうってつけ? |
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ReadyBoost対応の高速タイプを選んでおけば安心 |
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ここではまず現在市販されているUSBメモリの転送速度を、EP82改/かず氏が公開しているFDBENCHで計測してみた。今回はランダム読み出しとランダム書き込みの二つの結果に絞って掲載している。ReadyBoostの効果のほどはさておき、何をするにも高速なほうが効果は大きいのは間違いないだろう。各社とも高速タイプでReadyBoost対応としているものは十分な読み出し速度を備えているのは確かなことが分かったが、それ以外のスタンダードグレードのものは、ReadyBoostで活用できないという顕著な結果だ。残念ながら、一昔前の余ったUSBメモリを活用するというわけにはいかないようである。また、イメーションのPivot Flash Driveのように、テスト結果は振るわなくともReadyBoostで使用できたものもあるが、効果はそれほど期待できないかもしれない。ちなみに、ノートPCユーザーには気になる製品として、ExpressCardタイプのフラッシュメモリも計測してみたが、性能は高速タイプのUSBメモリと同等クラスという結果が出た。それでもまだまだ活躍の場の少ないExpressCardスロットが空いているという人は、これを活用してみるのもよいだろう。 |
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【テスト環境】
ソニー VAIOノート VGN-SZ93S(CPU:Intel Core 2 Duo T7200
メモリ:PC2-5300 DDR2-SDRAM 512MB×2、HDD:160GB
OS:Windows Vista Home Premium)
【テスト内容】
FDBENCH Version 1.01を使用し、
USB 2.0ポート接続およびExpressCardスロット接続で各製品を計測。使用容量は500MB |
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Ready |
ReadyBoost対応 |
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転送速度 |
メーカー公称の最大読み出し速度 |
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アイ・オー・データ機器 |
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ToteBag TB-BH1G/R 1GB |
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実売価格:5,000円前後 |
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転送速度:非公開 |
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DSP版限定パッケージのWindows Vista Ultimate αにも同梱された製品(同梱品は512MBモデル)。それだけに性能も悪くない |
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イメーション |
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Pivot Flash Drive 2GB |
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実売価格:9,000円前後 |
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転送速度:非公開 |
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回転式の一体型キャップを採用したUSBメモリ。残念ながら速度は今一つだが、ラバーを採用したデザインはなかなか秀逸 |
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エレコム |
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MF-HU201GSV 1GB |
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実売価格:6,000円前後 |
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転送速度:25MB/s |
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シンプルなデザインの高速モデル。今回テストした中では書き込み性能がトップで、バランスの取れた良品と言える |
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グリーンハウス |
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PicoTurbo GH-UFD2GTB 2GB |
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実売価格:5,500円前後 |
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転送速度:27MB/s |
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公称27MB/sの高速転送モデル。ランダム書き込みの値は振るわないが、シーケンシャル書き込みは全製品中トップの性能であった |
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ソニー |
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PocketBit USM2GJX 2GB |
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実売価格:9,000円前後 |
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転送速度:29MB/s |
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スライド式のコネクタを採用した同社のハイスピードタイプ。読み出し性能は今回の中ではトップで、ReadyBoostに向いている |
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トランセンドジャパン |
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JetFlash 160 TS2GJF160 2GB |
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実売価格:7,000円前後 |
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転送速度:12MB/s |
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容量による5色のカラーバリエーションを持つReadyBoost対応モデルだが、性能はほかの製品に一歩譲る。8GBモデルはより高速 |
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トランセンドジャパン |
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JetFlash V10 TS8GJFV10 8GB |
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実売価格:17,000円前後 |
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転送速度:10MB/s |
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同社としてはスタンダードモデルに属するスタイリッシュな製品。ReadyBoostには非対応だが、コストパフォーマンスは魅力的 |
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バッファロー |
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ClipDrive RUF-C2GL-B/U2 2GB |
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実売価格:8,000円前後 |
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転送速度:非公開 |
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ロングセラーなスタンダードモデル。ReadyBoostには非対応だが、店頭で特価品としてもよく見かける、入手性の高い製品 |
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バッファロー |
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RUF2-R1G-S 1GB |
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実売価格:13,000円前後 |
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転送速度:32MB/s |
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UltraSpeed(激速)モデルとされるだけあって、読み出し、書き込みともに優秀な逸品。クリップ付きなのはよいが、本体は大きめ |
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プリンストンテクノロジー |
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Xiao Turn PFU-2TS2G 2GB |
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実売価格:8,000円前後 |
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転送速度:非公開 |
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キャップをスライドさせてから回転する、ユニークかつ収納しやすい製品。ReadyBoostには対応しないが、使い勝手はピカイチ |
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レキサー・メディア |
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JumpDrive Lightning 2GB |
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実売価格:22,000円前後 |
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転送速度:22MB/s |
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重厚感のあるステンレス製ボディを備えた高速モデル。価格は高いが、ビジネスマン向けのアプリケーションも搭載している |
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ハギワラシスコム |
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HEX-S2GJ 2GB |
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実売価格:15,000円前後 |
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転送速度:32MB/s |
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ExpressCard/34タイプのフラッシュメモリで、ReadyBoostにも対応。今回のテストではUSBメモリと大差のない結果となった |
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