進化が加速するSSD 価格は徐々に下がる傾向へ
次々に新製品が登場するSSDは、緩やかにだが、低価格化が進んでいる。また、全体的な性能の向上が進むとともに、コントローラの種類の増加や、容量ごとのラインナップなど、製品バリエーションが増加している。なかでも注目したいのが、1万円前後で購入できるエントリークラス製品の登場だ。このタイプの製品は、30~40GBほどの記録容量しかないが、1万円前後で購入でき、SSDの快適さを体験するための格好の入門機になりつつある。
ミドルクラスのSSDは、現在のSSD市場の主力ラインと言える。このクラスは、シーケンシャルリード速度200MB/s以上、ライト速度も100MB/s以上の製品ばかりで、シーケンシャルリード250MB/sオーバーの速度に達する製品も少なくない。容量が80~120GBのものが2万~3万円で購入できるボリュームゾーンと言える。
ハイエンドクラスでのトピックは、最大転送速度6Gbps(600MB/s)のSerial ATA 3.0をインターフェースに備えた製品の登場だろう。現時点での対応製品は、Micron TechnologyのCrucial RealSSD C300のみだが、この製品のシーケンシャルリード速度は350MB/sに達しており、これはSerial ATA 2.5の転送速度(300MB/s)を超えている。さらなるSSDの進化に、Serial ATA 3.0への対応は必須と言えるだろう。また、SSDのコントローラにデータ圧縮技術を採用することで、速度と製品寿命の両方を向上させた製品が登場したことも興味深い。SandForce製がそれで、最近採用例が急増している。ここでは代表的な製品を選びベンチマークを行なっているので、購入検討の参考にしてほしい。
低価格化が進行するSSD
SSDは、製造原価の大半を占めるフラッシュメモリの価格が高止まりしているため、劇的な低価格化は望めないが、全体的には緩やかに安くなってきている
SSDの内部を理解して性能を読み解く
1インターフェース
Serial ATA 2.5(300MB/s)が一般的だが、SSDの性能が上がればこの速度は障壁となる。今後はSerial ATA 3.0(600MB/s)対応製品が増えることが見込まれる
2コントローラ
製品の速度、精度などの性能を左右するSSDの心臓部。SSDの速度は、主にコントローラから同時にアクセスできるNANDメモリの数(チャンネル数)によって決定される
3NAND型フラッシュメモリ
SSDにおいてデータを記録する媒体で、内部に複数のダイを積層している。SSDの中で一番高価なのがこのフラッシュメモリで、この搭載数によって製品の価格は大きく変わる
4外部キャッシュ
処理速度にある程度時間のかかるフラッシュメモリを補助するために、最近では多くの製品に搭載されている。システム情報の管理やデータキャッシュとして使用される
【このページと24.htmの検証環境】CPU:Intel Core i7-940(2.93GHz)、AMD PhenomII X4 965 Black Edition(3.4GHz)、マザーボード:GIGABYTE GA-X58A-UD7(rev. 1.0)(Intel X58+ ICH10R)、GA-890GPA-UD3H(rev. 1.0)(AMD 890GX+SB850)、メモリ:Corsair Memory XMS3 CMX6GX3M3A1333C9(PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×3 ※AMD環境では2枚のみ使用)、ビデオカード:NVIDIA GeForce 8600 GTリファレンスカード、システムSSD:東芝 THNS512GG8BBAA(Serial ATA 2.5、MLC、512GB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版