その他の特集(2011年) | |||
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TEXT:鈴木雅暢 | ||||||||||||||
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動画のエンコードはCPUに大きな負荷をかけ、その速度が性能に大きく依存する用途として知られている。4コア以上のマルチコアに対応しているエンコーダも多く、クアッドコアが威力を発揮する用途としてもまず名前が挙がる。 ここでは具体的にどのくらいの差があるのかを見るため、ペガシスの定番エンコーダ「TMPGEnc 4.0 XPress」によるMPEG2エンコードのテストを行なっている。高品質なエンコードエンジンを備えるとともに最新のCPU技術へ積極的に対応することでも定評があり、SSE4.1にもいち早く対応をすませている(SSE4aには未対応)。今回は1,440×1,080ドットのHDVファイル(230秒)を720×480ドットのMPEG2(MP@ML)ファイルに変換し、それに要した時間をグラフに掲載している。 結果は、圧倒的と言うほどではないが、はっきりとクアッドコアCPUの優位が感じられる結果となっている。2.5GHzのCore 2 Quad Q9300が3.16GHzのCore 2 Duo E8500を上回っており、2.3GHzのPhenom 9600は3.2GHzのAthlon 64 X2 6400+ Black Editionよりも速い。また、ここではCore 2 Quad Q9300とQ6600との差、Core 2 Duo E8500とE6850の差がほかのアプリケーションと比べて大きく出ており、45nm世代で強化されたマイクロアーキテクチャのアドバンテージも感じられる。Intel CPUへの最適化度合いが強いアプリケーションということもあってAMD勢は全体的に劣勢で、Athlon 64 X2 6400+ Black EditionがPentium Dual-Core E2220に負けてしまっている。 |
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TMPGEnc 4.0 XPress。IntelのCPU技術へ積極的に対応することで定評があり、マルチコアへの最適化はもちろん、SSE4.1にもいち早く対応した | ||||||||||||||
なお、エンコードのテストはWindows Media Encoder 9を利用したWMV HDエンコードのテストも行なったのだが、AMD CPUで異常値が出るなどしたために掲載は見送っている。TMPGEnc 4.0 XPressはあきらかにIntel CPU寄りのアプリケーションであるし、これまでの傾向からはWMV HDはマルチコアへの最適化も進んでいるだけに使いたかったのだが、今回はWindows Vista SP1を初めてテストに採用したことや機材の都合などもあり、原因を突き止めて再テストするだけの時間がなかったというのが正直なところである。 動画関連のテストとしてはもう一つ、Futuremarkのベンチマークテストプログラム「PCMark Vantage」に用意されている「TV and Movies」のスコアも掲載している。このTV and Moviesは、文字どおりWindows Vista環境におけるTVと動画に関するユーザー体験をシミュレートしてスコアを算出するもので、以下のような四つのシナリオに沿ってテストが実行される。 <TV and Movies 1> ・HD DVDのHDコンテンツ(VC-1/28Mbps)を11Mbpsbitレートにトランスレートしてメディアサーバーに保存 ・HD DVDのHDコンテンツ再生(VC-1/28Mbps) <TV and Movies 2> ・HD DVDのHDコンテンツ(VC-1/28Mbps)を11Mbpsbitレートにトランスレートしてメディアサーバーに保存 ・HDTV再生(MPEG2/19.39Mbps) <TV and Movies 3> ・Windows Media CenterでのHDDアクセス <TV and Movies 4> ・メディアサーバーのHDコンテンツ(VC-1/11Mbps)をSD品質のWMV9(1 Mbps)にトランスコードしてポータブルプレイヤーに保存 ・Blu-ray DiscのHDコンテンツ再生(H D MPEG2/48Mbps) シナリオに含まれるすべてのエンコード作業(トランスレート/トランスコード)は、2コアが利用可能な場合は2コアを使って行なわれる上、シナリオの内容もHDコンテンツを再生しながらエンコードを行なうなど、非常にヘビーなマルチタスク環境を想定したものである。 グラフには4シナリオの結果から算出された総合スコアを掲載しているが、クアッドコアのメリットが大きく感じられる結果となっており、クアッドコアCPUであればすべて、デュアルコアで最高スコアをマークしたCore 2 Duo E8500よりもよいスコアを出している。 |
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最後に消費電力を見てみよう。アイドル時と負荷時(PCMark05 CPU Test SuiteのMultithreaded Test 2実行中)、それぞれのシステム全体の消費電力をワットチェッカーで計測している。結果は、実に興味深い。Core 2 Quad、Core 2 Duoともに、45nm世代では65nm世代に比べて実測の消費電力が明らかに減っているのだ。具体的には、45nm世代のQ9300は、65nm世代のQ6600に比べて、クロックが100MHz高いにもかかわらず、アイドル時で6W、負荷時では29Wも電力が低い。また、65nm世代のE6850よりもクロックが166MHz高いE8500は、アイドル時ではわずかに消費電力が増えているものの、負荷時では13Wも低い。リーク電流を大幅に減らし、電力効率を高めたというIntelの45nmプロセスルールの優秀さを裏付ける格好となっている。 一方、Phenom 9600はアイドル時でも負荷時でも飛び抜けて消費電力が高い。とくにアイドル時の171Wという数値は、45nm世代Core 2 Duoの負荷時並みだ。TDP 45WのAthlon X2も、TDP 65WのPentium Dual-CoreやCeleron Dual-Coreとあまり変わらず、負荷時にはむしろやや高くなっている。今回利用したマザーボードの影響もあるかもしれないが、TDPの差から受けるイメージほど低消費電力ではないという結果となっている。 今回のテストでは全体的にIntel CPU、とくに45nm世代の優秀さが目立った。65nm世代に対して性能面でのアドバンテージはほとんど見られなかったものの、消費電力に関してははっきりと優秀さを示しており、とくにクアッドコアモデルで負荷時の消費電力が下がっているのは大きな魅力だろう。 クアッドコアか高クロックデュアルコアかということに関しては、やはり目的や使い方によるとしか言えないが、ベンチマークテストの結果を通じて、クアッドコアは非常に極端な傾向を示すことは分かってもらえただろう。ゲーム用ということであれば、コストとの兼ね合いまで考えると高クロックのデュアルコアのほうがよいだろう。逆に、レンダリング、エンコードなどが主目的、あるいはPCMark VantageのTV and Moviesのシナリオにあるような使い方をするのであれば文句なくクアッドコアがオススメだ。ただ、クアッドコアを買うならやはりIntelの45nm世代を狙いたいところで、それだけに45nm世代が品薄の現状は残念である。 |
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