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TEXT:宮崎真一 |
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ハイエンド・ミドルレンジ・ローエンドすべてが集結 |
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Intel 4シリーズチップセットを徹底比較 |
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マザーボードを選ぶ際は、あらかじめチップセットの仕様について理解しておくことが重要だ。最近では、Intel 4シリーズチップセットがリリースされ、採用マザーボードが増加している。現行のIntelチップセットの特徴をしっかりと確認しよう。 |
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グラフィックス非統合型Intel 4シリーズのラインナップ |
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Intel 3シリーズの後継にあたるIntel 4シリーズは、ハイエンド向けのX48、ミドルレンジ向けのP45、ローエンド向けのP43と、それぞれのクラスに合わせたチップセットが用意されている。さらにグラフィックス機能統合型のG45/G43が存在するが、こちらはこちらで紹介する。この中でP45とP43は最新世代のICHであるICH10シリーズを採用している。また、X48とP45では、ATI製GPU搭載ビデオカードを2枚使って性能の大幅な向上が狙えるCrossFireXをサポートしているのが特徴。その一方で、P43では同機能に非対応で、ミドルレンジのP45とローエンドのP43ではこの点が大きな違いとなる。
そのほか、ハイエンドのX48はシステムバス1,600MHzに対応し、Intelの独自メモリ拡張規格であるXMP対応モジュールを使うことでDDR3-1600をサポートする。P45はシステムバス1,333MHzまでの対応で、XMPではDDR3-1333(定格はDDR3-1066まで)のサポートとなる。ただし、マザーボードによってはメーカーが独自にシステムバス1,600MHzなどに対応させているものがある。 |
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X48 |
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オーバークロックや性能を追求するなら |
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Intel 4シリーズのハイエンド向けチップセット。本来、DDR3メモリのみのサポート予定だったが、DDR3メモリの普及が遅れたため、DDR2メモリもサポートすることになった。組み合わされるICHは1世代前のICH9シリーズ。また、2本のPCI Express x16スロットは同時に16レーンずつ利用可能で、フルレーンでのCrossFireXをサポートする。 |
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システムバス1,600MHzをサポートするなど、より上位モデルのCPUに対応するため、大半のX48マザーのVRMはかなり堅実に作られている |
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P45 |
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手堅く万能なオールラウンダー |
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P35の後継となるP45はミドルレンジ向けのチップセット。組み合わされるICHには新しいICH10シリーズが採用されるほか、CrossFireXについてはP35で16レーンと4レーンというアンバランスな構成だったものが、P45では8レーンずつの構成に変更された。そのほか、DDR3-1066(XMP使用時はDDR3-1333)に対応するなど、P35からの強化点は多い。 |
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P45採用マザーボードでは、最近の省電力化トレンドに合わせ、独自の消費電力低減機能を備えたものが多く見られる |
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P43 |
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とにかく安く! よけいな機能はイラナイ |
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P45の下位チップセット。P43では、CrossFireXのサポートを省略しているものの、基本仕様はP45のものを踏襲しているため機能性は良好。また、搭載マザーボードはいずれも実売1万円台とリーズナブルなので、お買い得感が高い。CrossFireXを必要としないユーザーや、低価格に仕上げたいユーザーにうってつけのチップセットと言えよう。 |
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コストを抑えるため、P43搭載マザーボードの付属品はシンプルな構成なものが多い。最低限のケーブル類は同梱されるが、おまけ的な要素はほぼない |
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非統合型Intel 4シリーズチップセットの総合性能を比較 |
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まずは、PCMark VantageでIntel 4シリーズの総合性能を比較してみたい。今回、X48とP45に関しては、DDR2-800だけでなくDDR3-1333対応マザーボードも用意し、DDR3メモリとDDR2メモリのどちらを利用した場合が良好な結果を示すかも検証した。なお、比較対象として前世代ミドルレンジのP35も用意した。
結果を見てみると、X48とP45の両方で、DDR3メモリ環境がDDR2メモリ環境のスコアを上回っている。とくにX48ではDDR3-1333とDDR2-800との差が76しかないのに対して、P45ではその差が186となり、DDR3-1333を用いることで、性能アップが見て取れる。Intelによれば、P45のメモリコントローラはX48のものを踏襲していると言うが、もちろん、製品による差という線も拭い切れない。
一方、DDR2メモリの場合は、X48、P45、P35で近いスコアとなった。P43の値が良好だが、これもチップセットの性能と言うよりは使用したマザーボードによる部分が大きいと考えられる。
結論として、総合性能に関して言えば、Intel 4シリーズはIntel 3シリーズから大きな性能向上を果たしているわけではないようだ。そのため、パフォーマンスを追求するなら、まずDDR3対応マザーにこだわるべきだろう。 |
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【検証環境】
CPU:Intel Core 2 Quad Q6600(2.4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Rampage Extreme(Intel X48+ICH9R)、GIGABYTE GA-X48-DS5(Intel X48+ICH9R)、GIGABYTE GA-EP45T-DS3R(rev. 1.0)(Intel P45+ICH10R)、ASUSTeK P5Q(Intel P45+ICH10R)、BIOSTAR TP43 HP(Intel P43+ICH10)、ASUSTeK P5K PRO(Intel P35+ICH9R)
メモリ:Kingston Technology KHX14400D3K2/2GX(PC3-14400 DDR3 SDRAM、CL=8、1GB×2)、Corsair Memory TWIN2X2048-8500C5D(PC2-8500 DDR2 SDRAM、CL=5、1GB×2)
ビデオカード:ATI Radeon HD 4670リファレンスカード
HDD:Western Digital WD RE2 WD7500AYYS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、750GB)
OS:Windows Vista Ultimate SP1 |
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GIGABYTE |
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GA-X48-DS5 |
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実売価格:27,000円前後 |
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問い合わせ先:03-5812-6120(リンクスインターナショナル)
URL:http://club.gigabyte.co.jp/ |
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コストパフォーマンスの高いDES対応モデル
X48を採用したハイエンドモデル。システムバス1,600MHzおよび独自にDDR2-1200をサポート。同社の品質規格Ultra Durable2に対応するほか、省電力機能にはDynamic Energy Saverを搭載。ICHにはICH9Rを採用する |
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BIOSTAR |
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TP43 HP |
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実売価格:11,000円前後 |
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問い合わせ先:info-kc@mvk-japan.com(エムヴィケー)
URL:http://www.biostar.com.tw/ |
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超低価格ながら堅実なデキのP43マザーボード
P43を採用しながらもPCI Express 2.0 x16スロットを2本備えるユニークな製品。実売1万1,000円前後とリーズナブルな価格を実現した魅力的なローエンドマザーボード。ICH10を搭載するためRAID機能は持たない |
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Intelチップセットの仕様 |
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MCH名 |
X48 |
P45 |
G45 |
対応CPUソケット |
LGA775 |
LGA775 |
LGA775 |
システムバス(最大) |
1,600MHz |
1,333MHz |
1,333MHz |
メモリインターフェース(最大) |
DDR3-1600/DDR2-800 |
DDR3-1066/DDR2-800 |
DDR3-1066/DDR2-800 |
メモリ容量(最大) |
8GB |
8GB |
8GB |
グラフィックスインターフェース |
PCI Express 2.0 |
PCI Express 2.0 |
PCI Express 2.0 |
内蔵グラフィックス機能 |
- |
- |
GMA X4500HD |
対応するICH
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ICH9シリーズ |
ICH10シリーズ |
ICH10シリーズ |
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MCH名 |
P43 |
P35 |
対応CPUソケット |
LGA775 |
LGA775 |
システムバス(最大) |
1,333MHz |
1,333MHz |
メモリインターフェース(最大) |
DDR3-1066/DDR2-800 |
DDR3-1066/DDR2-800 |
メモリ容量(最大) |
8GB |
4GB |
グラフィックスインターフェース |
PCI Express 2.0 |
PCI Express 1.1 |
内蔵グラフィックス機能 |
- |
- |
対応するICH
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ICH10シリーズ |
ICH9シリーズ |
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