特集
イマドキの静音化は「しっかり冷やす」が当たり前
各CPU静音化の傾向と対策はこれだ 1/3
各CPU静音化の傾向と対策はこれだ 2/3
各CPU静音化の傾向と対策はこれだ 3/3
ビデオカードを静音化する 1/2
ビデオカードを静音化する 2/2
チップセットクーラーを静音化する
ATX電源を静音化する 1/2
ATX電源を静音化する 2/2
HDDを静音化する 1/2
HDDを静音化する 2/2
ファンを活かして静音を目指す 1/2
ファンを活かして静音を目指す 2/2
PCケースの静音効果を活用 1/2
PCケースの静音効果を活用 2/2
応用編 1/3
応用編 2/3
応用編 3/3
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PCパーツ 静音と冷却のカンケイ
TEXT:鈴木雅暢
応用編
これまでは各パーツごとに静音パーツを試してきた。
ここではそれらを踏まえて最高の静音マシンを目指し、実際にPCケースに入れて、パーツの組み合わせについて試してみたい。
ごく一般的なPentium Dマシンの動作音と温度を計測する
 これまで各パーツごとに静音パーツを試してきたが、ここではそれらの組み合わせを考えていきたい。一般的な状態ではなかなか静音化が難しいPentium Dマシンを例に取って、最適な構成とはどんなものなのか、少しずつ構成を変えながら温度と動作音を計測し、試行錯誤しつつ、追求していく。まずはその前準備として、比較対象となる一般的なマシンの動作音や温度を知る必要がある。そこで用意したのが、右の構成である。CPUにはPentium D 930を利用し、リテールクーラーに前面8cm角ファンと背面12cm角ファンによるエアフロー、サイドカバーにはパッシブダクトも用意。ビデオカードも通常の冷却システムが装着され、冷却としてはほぼ理想的な状態だ。

 ここではCPUだけ冷却が十分であればよいというわけではないので、CPU以外にもケース内部、HDD、GPUの温度もそれぞれ計測する。計測条件としては、まず一定の負荷をかけるためにWindows Media Encoder 9でのエンコードを3分間実行した後、3DMark06のGame Test1、CPU Test1を別々に実行し、それぞれ直後のGPU温度、CPUそのほかの温度を確認する。CPU、HDDの温度は、SpeedFan 4.28で、そして、ケース中央部の温度は、デジタル温度計のセンサーをケース中央部の空間に固定して見ている。動作音はケースの手前10cmの距離に騒音計を設置して計測している。

 実験のベースとなるマシンの測定結果は上記のとおり。静音電源を搭載したケースを使っているため、動作音に関してもごく一般的な水準と言える。
一般的なマシンでは?
image
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ごく一般的なモデルケースとして用意したPentium Dマシン。前面吸気/背面排気というATXケースの基本スタイルを守り、高温となる熱源にはそれぞれファンが装着されている
CPU:Pentium D 930(3GHz)
マザーボード:MSI 945G Neo2-F(Intel 945G)
メモリ:ノーブランド PC2-5300 DDR2 SDRAM 512MB×2
ビデオカード:Albatron 6600GT(GeForce 6600 GT)
HDD:日立GST Deskstar T7K250 HDT722525DLA380(Serial ATA 2.5、7,200rpm、250GB)
CPUクーラー:リテールクーラー
ケース:オウルテック OWL-612-SLT/500
電源:OWL-612-SLT/500付属
 
動作音 48dB
温 度 CPU 60℃
    ケース 29℃
    HDD 32℃
    VGA 55℃
<検証内容>
音量・温度とも高負荷時で計測。WMVエンコード(3分)の後、3DMark06のGame Test1、CPU Test1を実行、直後の温度を計測。外気温は24.6~25.1℃。動作音の計測距離は前面ファンから10cm
目指せ!! ワンランク上の静音マシン
image上記の一般的なスペックのマシンとCPU、マザーボード、メモリ、HDDといった基本的な構成は同じまま、できるだけファンを使わず静かで冷却能力も遜色のない構成を目指す。それぞれのパーツはファンレスモデルを選び、PCケースは通気性をよくすることとファン構成の自由度を重視する目的で、メッシュパネルを採用した「Centurion C5」を使っている。
CPU:Pentium D 930(3GHz)
マザーボード:MSI 945G Neo2-F(Intel 945G)
メモリ:ノーブランド PC2-5300 DDR2 SDRAM 512MB×2
ビデオカード:GIGABYTE GA-NX76T256D-RH(GeForce 7600 GT)
HDD:日立GST Deskstar T7K250 HDT722525DLA380(Serial ATA 2.5、7,200rpm、250GB)
CPUクーラー:サイズ NINJA PLUS
ケース:クーラーマスター Centurion C5
電源:音無II
HDD静音ケース:サイズ Queit Drive
合計:約12万円
STEP1 ひとまず完全ファンレスを試してみる
動作音 31dB
温 度 CPU 90℃
    ケース 40℃
    HDD 41℃
    VGA 78℃
3DMark06 CPU Test1を実行時に強制終了
 まずは究極の静音状態からスタートし、状況を見た上で必要な部分に対処していくことにしたい。最初のステップとして、ファンを一つも付けない完全ファンレスの状態を試してみることにした。NINJA PLUSに付属するファンは使用せず、Centurion C5に標準で装着済みのファンも取り外す。HDDは静音ボックスに入れて密閉してしまう。通常、このような完全ファンレス状態にして起動させることは、パーツを破壊する可能性もあるので、お勧めはできないが、この場合の検証としては確実な方法だろう。この時点の動作音は31dB。体感的には、起動時にHDDがスピンアップする音、そしてHDDアクセス時にシーク音が聞こえるのみである。

 検証結果は、Windows XPの起動は問題なくクリア。Windows Media Encoder 9のエンコード作業も、終盤では90℃に達するなど危険な状態だったが、意外な粘りを見せていた。ただ、物理演算やAIをマルチタスクで実行させるCPU Test1の途中で強制終了した。さすがにテスト終了後はケース内部のパーツは、触れないほど熱くなっていた。Pentium Dで完全ファンレスという組み合わせは、普通に考えれば無謀と言えるが、具体的な状況はやってみなければ分からない。このテストにより、この構成での完全ファンレスは無謀だということは実証された。
imagePCケースに装着されているケースファンは使わない。前面/背面ともにエアフローのじゃまになるだけなので、取り外しておく
imageひとまず完成した完全ファンレスのPentium D 930マシン。この状態でもWindows XP Professional(SP2)の起動には成功したが・・・・・・
imageとりあえず究極の静音状態からスタートするため、HDDも最初から静音ボックスに内蔵しておく
STEP2 CPUクーラーにファンを装着
動作音 36dB
温 度 CPU 54℃
    ケース 39℃
    HDD 40℃
    VGA 57℃
 前のステップでPentium Dで完全ファンレスをすることの無謀さが実証されたことで、次のステップでは、一歩進んで、CPUクーラーのみにファンを装着して、システムの状態を見ることにした。NINJA PLUSに標準で付属する12cm角ファンをアルミフィンに装着。ケース中央部分から背面方向へとエアの流れができるようにして、同じように負荷をかけつつ、状況を観察した。

 検証の結果は、動作音が36dBと少し上昇したものの、冷却面ではファンが一つあるだけでも段違い。強制終了するようなこともなく、ベンチマークテストも完動と、通常動作には何も支障はなかった。CPU温度は最高で54℃と、早くもここで冒頭で計測した「一般的なマシン」のCPU温度を下回ってしまった。Intelのデータシートに記載されているPentium D 930(TDP 95W)のTcaseMAX(パッケージ表面温度の最大値)を確認すると63.4℃となっている。多少の誤差を見込んでもCPUの冷却に関してはこれで十分だ。ケース温度やHDD温度はまだ高めではあるが、これといってクリティカルだという面も見当たらず、この構成でも十分と言えば十分かもしれない。
imageNINJA PLUSに標準で付属する12cm角ファン(回転速度1,200rpm)をNINJA本体のアルミフィンに装着して計測した
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