LGA1156向け バランス型ランキング
現行CPUに付属しているリテールクーラーは、アイドル時の静音性こそ高いが、高負荷時(ファン高速回転時)の動作音はそれなりに大きく、冷却性能はそこそこといったレベル。ここでは静音性と冷却性能のバランスが取れたCPUクーラーを選んでみたが、Hyper 212Plusやグランド鎌クロスは、本誌でも幾度となく取り上げてきた実績のある製品。前者はほどよい大きさながら、ヒートパイプがCPUに直接接地する方式で、高負荷時も優秀な冷却性能。後者は14cm径の大型ファン搭載で、静音性に優れている。
3位に選んだのは、グランド鎌クロスと同じ、サイズのトップフロー型、羅刹クーラー。グランド鎌クロスに迫る性能に加えて、ファンコン搭載による設定の自由度の高さが魅力だ。4、5位の製品もファンコン搭載タイプだが、こちらは5,000円オーバーとやや高価。冷却性能はトップクラスなので、オーバークロックを行なう場合などは注目だ。
冷却・静音性ともに優れる万能モデル
- ヒートパイプダイレクトタッチ式
- 12cm角ファン
- PWM制御
- 独自リテンション式
- Cooler Master
- Hyper 212 Plus
- 実売価格:4,500円前後

4本のヒートパイプが直接CPUと接触するダイレクトタッチ式を採用。流行のサイドフロー式で、高い冷却性能とほどよい静音性をあわせ持つ。12cm角ファンをもう1基取り付け可能で、さらなる冷却強化ができる点も見逃せない。
- デュアルファンも可能


X字の固定具はネジ止め式で、初心者でも確実に固定することができる
●対応CPUソケット:LGA775/1156/1366、Socket AM2/AM3●ファン:12cm角×1(600~2,000rpm)●本体サイズ(W×D×H):79.7×120×158.5mm●重量:620g
インパクト抜群にして実力派の大型ファン搭載モデル
- 大胆なヒートパイプに14cm径ファン
- 14cm径ファン
- PWM制御
- リテール式
- サイズ
- グランド鎌クロス
- 実売価格:4,500円前後

クロスしたヒートパイプに合わせて、ヒートシンクを斜めに配置。それを14cmファンで静かに冷却する。色モノに見えるが、性能は高く、その構造上、周囲のチップクーラーなどとの干渉が少ないのもポイントである。ただ、やはりケースは大きめのほうがよい。

固定具はリテール式で悩むことはない。比較的(あくまで比較的)作業はしやすいほうだ
●対応CPUソケット:LGA775/1156/1366、Socket 478/754/939/940/AM2/AM3●ファン:14cm径×1(500~1,300rpm) ● 本体サイズ(W×D×H):177×140×137mm●重量:750g
ファンコン装備で幅広いニーズに対応
- 定番トップフローでファンコン付き
- 12cm角ファン
- PWM制御
- リテール式
- サイズ
- 羅刹クーラー
- 実売価格:4,000円前後

独特の形状の大型ヒートシンクが特徴的だが、その構造はトップフローの正統派。付属の12cm角ファンはPWM制御で、ファンコントロールツマミで回転速度の範囲を調節できる。最高回転時はそれなりの動作音だが、冷却性能はグランド鎌クロスを上回る。

取り付けはリテールタイプ。ファンコントロールツマミはケース背面に取り付けられる
●対応CPUソケット:LGA775/1156/1366、Socket754/939/940/AM2/AM3●ファン:12cm角×1(低速設定時:470~1,340rpm、高速設定時:740~1,900rpm)●本体サイズ(W×D×H):130×141×130mm●重量:730g
静音向けモデルながら高い冷却性能
- 12cm角ファン
- 手動変速
- 独自リテンション式
- ZALMAN
- CNPS10X Quiet
- 実売価格:7,000円前後

12cm角ファン搭載のサイドフロータイプ。ファンは速度一定タイプで手動式のファンコンが付属。最適な設定を見付けたい。
●対応CPUソケット:LGA775/1156/1366、Socket754/939/940/AM2/AM3●ファン:12cm角×1(700~1,400rpm)●本体サイズ(W×D×H):100×135×160mm● 重量:750g
デュアルファン+PWM制御+回転数範囲調整
- 12cm角ファン×2
- 手動変速
- 独自リテンション式
- Thermaltake
- Frio 冷却魂
- 実売価格:7,500円前後

デュアルファン搭載のハイエンドユーザー向け大型クーラー。ファン最大回転時は一つでも爆音なので、うまく調節しよう。
●対応CPUソケット:LGA775/1156/1366、Socket754/939/AM2/AM3●ファン:12cm角×2(1,200~2,500rpm)●本体サイズ(W×D×H):139×98×165mm(シングルファン時)●重量:1,042g(シングルファン時)
独断で選ぶ!取り付けやすさワーストランキング
リテール式にムリがある?指が大きい人には難易度高
- ピンとファンの隙間がほとんどない!
- サイズ
- BIG Shuriken

薄型ファンの下のわずかな隙間でプッシュピンを押し込むのが激ムズ!素直にバックプレート型でもよかったのでは。取り付けるには、斜めから金属棒(ドライバーなどでも可)をプッシュピン上に挿し込み、それ押すようにするとよい。

ケースにマザーを取り付けたままでの作業は厳しい。急がば回れだ
ムリせずケースからマザーを取り出して作業したい
- 工具付属には意味がある
- Thermalright
- HR-02

デカイというのもあるが、中央にあるCPUに荷重をかけるネジが回しにくい。専用工具が付属するなど、配慮はあるのだが……。
ざく切りファンでのケガにも注意
- サイズ
- 羅刹クーラー

BIG Shurikenよりはマシだが、これもピンがヒートシンクの下にある。作業の際はヒートシンクで指を切らないようにも注意したい。
【問い合わせ先】
Cooler Master:support@cm-industry.co.jp(CMインダストリー)
URL:http://www.coolermaster.co.jp/
Thermaltake:info.jp@thermaltake.com/(日本サーマルティク)
URL:http://www.thermaltake.co.jp/
ZALMAN:03-5215-5650(アスク)
URL:http://www.zalman.co.kr/
サイズ:support@scythe.co.jp
URL:http://www.scythe.co.jp/
【検証環境】 CPU:Intel Core i7-870(2.93GHz)、マザーボード:ASUSTeK P7P55D EVO(Intel P55)、メモリ:Corsair Memory CMX4GX3M2A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×2)、SSD:OCZ Technology Vertex Turbo OCZSSD2-1VTXT120G(Serial ATA 2.5、MLC、120GB)、ビデオカード:MSI N465GTX Twin Frozr II(NVIDIA GeForce GTX 465)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit 版
【測定条件】 暗騒音:36dB、室温:27℃、騒音測定距離:ファンから約5cm、アイドル時:OS起動から10分後の値、高負荷時:PCMark Vantage Build 102のCPU TestとGraphics Testを2回実行した際の値、いずれもバラック状態で計測