限界を突き破る! オーバークロック向けマザーランキング
オーバークロック(以下OC)と言っても初心者向けの機能から世界記録を狙うような過激なものまでさまざまだが、ここではミドルレンジクラスの製品で搭載されることが多い自動OC機能などではなく、PC自作の中級者以上が腰を据えてOCに取り組むのに適したマザーボードにフォーカスして選出した。OC作業がしやすい、あるいはより高クロック/高性能が狙いやすいといった要素を重視している。具体的には以下に挙げたような要素が中心になるが、ここでピックアップしている製品はすべて高いレベルでその条件をクリアしている。なかでもASUSTeKのRampageIII ExtremeやEVGAの2製品の徹底ぶりが際立っている印象だ。PCケース内に入れて使うことはほとんど考えられておらず、マニア向けに特化した仕様のEVGA製品に対し、RampageIII ExtremeはPCケースに入れた状態での作業性にも配慮しており、OCマニアだけに限らず、幅広いユーザーに対応できるようになっている。ユーティリティや各種装備の使い勝手などもASUSTeKのほうが洗練されている印象で、その辺りが順位の差に反映されている。
OC機能をきわめたプレミアムなR.O.G.マザー
- OCチップのiROGを2基搭載!
- LGA1366
- Intel X58+ICH10R
- ATX
- ASUSTeK
- RampageIII Extreme
- 実売価格:45,000円前後
OC特化のR.O.G.シリーズのマザーで、電源部に新設計の8フェーズのデジタル/アナログ混在回路「Extreme EngineDigi+」を採用し、導電性高分子固体電解コンデンサを組み合わせている。高機能なOCチップ「iROG」のデュアル搭載により、BIOSメニューには実に詳細な設定項目が用意されている。オンボードスイッチ類も完備した完全無欠な1枚。
OCユーティリティ「Turbo V EVO」が付属。ベースクロックや電圧といった基本的なものから、ストレステストも兼ねた自動OC機能なども統合。他社のものよりも見やすく数段抜きん出た作りだ
新設計の電源回路Extreme Engine Digi+
CPU用電源回路は、デジタルPWMコントローラとメタルパッケージのMOSFETなどで構成される最新設計のもの
対応CPU:Core i7●メモリスロット:PC3-17600 DDR3 SDRAM×6(最大24GB)●ディスプレイ:-●グラフィックス機能:-●拡張スロット:PCI-E 2.0 x16×4(x16/- /x16/-またはx16/ -/x8/x8またはx8/x8/x8/x8で動作)、PCI-E x4×1、PCI ×1●インターフェース:SATA 3.0×2、SATA 2.5×7、eSATA(SATA 2.5)×1、USB 3.0×2、USB 2.0×7●LAN:1000BASE-T×1
P55系最強のOC向けマザーボード
- オンボードスイッチなどコントローラデバイス系が超充実!
- 多岐にわたるBIOSのOC設定!
- LGA1156
- Intel P55
- ATX
- EVGA
- P55 Classified 200
- 実売価格:36,000円前後
EVGAのOCノウハウが詰め込まれた1枚。10フェーズのデジタルPWM回路や、デュアルPLL ICなど変わった仕様が目立ち、BIOSメニューにはこれでもかというほど詳細な設定項目がズラリと並ぶ。CPUソケットの接点にも通常の3倍の金を使用して導電性を高めるという徹底ぶりだ。
CPU電源部には10フェーズのデジタルPWMを採用し、多数の固体電解コンデンサの代用として、低ノイズ低抵抗で応答性にも優れた「プロードライザ」という部品を採用している
対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium●メモリスロット:PC3-20800 DDR3 SDRAM×4(最大16GB)●ディスプレイ:-●グラフィックス機能:-●拡張スロット:PCI-E 2.0 x16×5(x16/x16/ -/x16/- またはx8/x8/x8/x8/x8)、PCI-E 2.0 x4(x16形状、10GT/s)×1、PCI-E 2.0 x1(2.5GT/s)×1●インターフェース:SATA 2.5×6、eSATA(SATA 2.5)/USB 2.0コンボ×1、eSATA(SATA 2.5)×1、USB 2.0×6●LAN:1000BASE-T×2
驚異的なグラフィックスポテンシャルを放つ
- nForce 200をデュアル搭載!
- 拡張スロットがすべてPCI-E x16
- LGA1366
- Intel X58+ICH10R
- XL-ATX
- GIGABYTE
- GA-X58A-UD9 (rev. 1.0)
- 実売価格:60,000円前後
XL-ATXの巨大な基板に7本のPCI Express 2.0 x16スロットを備え、合計64レーンが利用可能という超絶広帯域仕様のX58マザー。3D系ベンチの最高スコアを狙うには実に心強い仕様で、24フェーズの電源回路、オンボードの電源スイッチなどOC作業をアシストする機能も完備している。
16レーンを32レーンに拡張するPCI ExpressスイッチのnForce 200をデュアルで搭載。7本のPCI Express 2.0 x16スロットで、合計で64レーンを利用可能としており、フルレーンの4-way SLIも構成可能だ
対応CPU:Core i7●メモリスロット:PC3-17600 DDR3 SDRAM×6(最大24GB)●ディスプレイ:-●グラフィックス機能:-●拡張スロット:PCI-E 2.0 x16×7(x16/-/x16/ -/x16/- /x16またはx8/x8/x8/x8/x8/x8/x16で動作)●インターフェース:SATA 3.0×2、SATA 2.5×8、eSATA/USB 2.0コンボ×2、Ultra ATA/133×1、USB 3.0×2、USB 2.0×4●LAN:1000BASE-T×2
AMD CPUでOCするならこの1枚
- AMDマザーでは稀少なOC向けハイエンド!
- リモートOC機能に対応!
- Socket AM3
- AMD 890FX+SB850
- ATX
- ASUSTeK
- CrosshairIV Formula
- 実売価格:29,000円前後
電源回路は8+2フェーズ構成で、PCの電源のON/OFFまでリモート操作できるR.O.G. Connectやオンボードスイッチ類、詳細なOC設定など、R.O.G.ならではの機能が満載だ。3コアCPUの4コア化などを支援する「Core Unlocker」機能も搭載している。
対応CPU:PhenomII、AthlonII●メモリスロット:PC3-16000 DDR3 SDRAM×4(最大16GB)●グラフィックス機能:-●ディスプレイ:-●拡張スロット:PCI-E 2.0x16×3(x16/x16/ -またはx16/x8/x8で動作)、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、PCI ×2●インターフェース:SATA 3.0×6、SATA 2.5×1、eSATA(SATA 2.5) ×1、USB 3.0×2、USB 2.0×7●LAN:1000BASE-T×1
ゴールド3倍でCore i7を加速する
- 3-way SLI対応 玄人向け機能を満載!
- 巨大ヒートシンクがIOHを強力冷却!
- LGA1366
- Intel X58+ICH10R
- ExtendedATX
- EVGA
- X58 SLI Classified
- 実売価格:47,000円前後
P55 Classified 200のX58バージョン。10フェーズの高級電源回路、通常の3倍の金を使用したCPU接点、スイッチで切り換えられるトリプルBIOSの搭載など、OCギミックがとにかく強力。OCユーティリティのE-LEETもなかなか使いやすい。
対応CPU:Core i7● メモリスロット:PC3-12800 DDR3 SDRAM×6(最大24GB)●ディスプレイ:-●グラフィックス機能:-●拡張スロット:PCI-E 2.0 x16×4(x16/- /x16/-またはx8/x8/x8/x8で動作)、PCI-E x1×1、PCI ×1●インターフェース:SATA 2.5×9、eSATA(SATA 2.5)×1、Ultra ATA/133×1、USB 2.0×8●LAN:1000BASE-T×2
オーバークロック向けマザーボードで重視すべきポイント
1.CPU用電源回路
OC時は定格動作時よりもはるかに大きな負担が電源回路にかかる。高負荷に堪える電源回路の搭載は必須だろう。コンデンサやMOSFETなども低抵抗で応答特性に優れた部品が実装されていると心強い
2.オンボードスイッチ類
マザーボードをPCケースに入れずに本格的にOCする場合、電源、リセット、CMOSクリアなどを簡単に行なえるスイッチが欲しい。また、エラーの原因を知る手掛かりとなるPOST表示機能も必須と言える
3.OC用ユーティリティ
毎回BIOSに戻って調整していては能率が上がらないので、Windows上からOC操作できるソフトウェアも欲しいところ。最終的な調整はBIOSで行なうにしても、できるだけ細かい操作ができたほうが便利だ
【問い合わせ先】
ASUSTeK:news@unitycorp.co.jp(ユニティ)
URL: http://www.asus.co.jp/
EVGA:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)
URL: http://www.evga.com/
GIGABYTE:052-619-1560(CFD販売)
URL: http://club.gigabyte.co.jp/