パフォーマンスランキング
ハイパフォーマンスのランキングとなると判断基準はより明快だ。もっとも重視すべきは絶対的なパフォーマンスである。もっとも、どんなCPUでも十分に高速な軽い処理での最速を競っても実用上のメリットは少ない。CPUに大きな負荷がかかり、CPUパワーに強く依存する処理でのパフォーマンスが重要だ。現在ではそのような処理を行なうアプリケーションはマルチスレッドに最適化されているものが多い。
というわけで、ここでは最大16-wayのマルチスレッド処理に対応した3DCGレンダリング性能を計測するベンチマークソフト、CINEBENCH R11.5でのレンダリングテストの結果を最重視するとともに、実売価格、プラットフォームの将来性なども考慮して候補CPUを選別し、最終的にランキングを決定した。
6コア12スレッドの最強CPU
- ぶっちぎりのハイパフォーマンス
- OCでも遊びやすい倍率ロックフリー
- LGA1366
- 6コア
- Intel
- Core i7-980X Extreme Edition
- 実売価格:97,000円前後
Intelのデスクトップ向けCPUラインナップの頂点に立つフラグシップCPU。6コア+Hyper-Threadingによる12スレッドの同時実行に対応し、パワフルなマルチスレッド性能を誇る。CINEBENCHのレンダリングテストでは他を大きく圧倒するスコアをマークしているように、その実力は文句なく最強だ。倍率ロックも解除されており、究極性能を狙うOCにも最適な存在だ。
12スレッド同時処理が可能。数年前のCPUとは段違いの性能を発揮する
動作周波数(Turbo Boost時):3.33GHz(3.6GHz)、同時処理スレッド数:12、3次キャッシュ:12MB、プロセスルール:32nm、TDP:130W
コストパフォーマンスも高いAMD最強の6コア
- 3万円以下で6コアが手に入る
- Socket AM3
- 6コア
- AMD
- PhenomII X6 1090T Black Edition
- 実売価格:29,000円前後
IntelのHyper-Threadingに相当する機能は持たないものの、6コアによるマルチスレッド処理性能は強力だ。今回のテストでも優秀な結果を残している。
動作周波数(Turbo CORE時):3.2GHz(3.6GHz)、同時処理スレッド数:6、3次キャッシュ:6MB、プロセスルール:45nm、TDP:125W
バランスにも優れたLGA1156のハイエンド
- 発熱などのバランスを考慮すればこれ
- LGA1156
- クアッドコア
- Intel
- Core i7-870
- 実売価格:28,000円前後
CINEBENCHのレンダリングスコアはエントリー中最下位だが、Core i7-980X Extreme Edition以外とは大差なく、実売価格を考慮すれば競争力は高い。
動作周波数(Turbo Boost時):2.93GHz(3.6GHz)、同時処理スレッド数:8、3次キャッシュ:8MB、プロセスルール:45nm、TDP:95W
高速メモリアクセスのLGA1366版クアッドコア
- LGA1366
- クアッドコア
- Intel
- Core i7-960
- 実売価格:54,000円前後
性能テストの結果ではCore i7-980X Extreme Editionに次ぐ存在だが、5万円超という価格がネックで順位を下げた。
動作周波数(Turbo Boost 時):3.2GHz(3.46GHz)、同時処理スレッド数:8、3次キャッシュ:8MB、プロセスルール:45nm、TDP:130W
【検証環境】マザーボード:MSI X58A-GD65(Intel X58+ICH10R)、ASUSTeK P7P55D-E EVO(Intel P55)、ASUSTeK M4A89TD PRO(AMD 890FX+SB850)、メモリ:Corsair Memory XMS3 CMX6GX3M3A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×3)、センチュリーマイクロ CK2GX2-D3U1333(PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2)、ビデオカード:玄人志向 RH5770-E1GHD/DP/G3(Radeon HD 5770)、HDD:Seagate Barracuda 7200.12 ST31000528AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、1TB)、電源:Corsair Memory CMPSU-850TXJP(850W)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版
ローエンドランキング
TEXT:橋本新義
1万円以下のCPUを集めたローエンドクラスでは、PCMark Vantageによりシステムの性能を、さらに内蔵GPUとの組み合わせによる3DMark06の総合性能、およびCPUスコアを基準にゲーム性能を判定した。なお、マザーボードにはこのクラスで多く使われるものとして、LGA1156はIntel H55、LGA775はIntel G41、AMD勢はAMD 890GX搭載製品を使用している。
大容量3次キャッシュ搭載のデュアルコア
- PCMarkは5,000オーバー!
- AMD 890GX はクラス最高の3D性能
- Socket AM3
- デュアルコア
- AMD
- PhenomII X2 555 Black Edition
- 実売価格:9,500円前後
実売9,000円台ながら、AMDのデュアルコアCPUとしては最高速となるモデルだ。特徴は、3.2GHzと高い動作クロックと、6MBもの大容量3次キャッシュを搭載すること。今回のテストではその特性から、PCMark Vantageの総合性能(PCMark)で5,000オーバーを達成するなど、1ランク上と呼べる性能を発揮した。購入後の「遊び」の面でも優秀だ。内部クロック倍率の上昇が可能なため、OCも比較的安全に、かつ手軽に試せる。
動作周波数:3.2GHz、同時処理スレッド数:2、3次キャッシュ:6MB、プロセスルール:45nm、TDP:80W
LGA775対応CPUのニューカマー
- LGA775なのでマザーも安価
- LGA775
- デュアルコア
- Intel
- Pentium E5700
- 実売価格:8,000円前後
3GHzというクロックの高さから総合性能は高く、Wolfdaleコアならではの消費電力の低さも相まって扱いやすい。安価なG41マザーとの組み合わせがお勧め。
動作周波数:3GHz、同時処理スレッド数:2、2次キャッシュ:2MB、プロセスルール:45nm、TDP:65W
こなれてきたLGA1156マザーで低価格マシンを
- このクラス唯一のLGA1156版
- LGA1156
- デュアルコア
- Intel
- Pentium G6950
- 実売価格:9,000円前後
Turbo BoostやHyper-Threadingは非搭載ながら、基本性能は水準以上。内蔵GPUがHD動画再生支援機能に対応する(G41は非対応)点もポイントだ。
動作周波数:2.8GHz、同時処理スレッド数:2、3次キャッシュ:3MB、プロセスルール:32nm、TDP:73W
5,000円台で購入可能な激安デュアルコアCPU
- LGA775
- デュアルコア
- Intel
- Celeron E3400
- 実売価格:5,500円前後
今となっては価格相応の性能だが、消費電力の低さによる扱いやすさは上位モデル譲り。
動作周波数:2.6GHz、同時処理スレッド数:2、2次キャッシュ:1MB、プロセスルール:45nm、TDP:65W
AM2システムのアップグレード用途にも
- Socket AM3
- デュアルコア
- AMD
- AthlonII X2 250
- 実売価格:6,000円前後
現行のAMD製デュアルコアCPUの中では、もっとも安価。古いシステムの延命にも向く。
動作周波数:3GHz、同時処理スレッド数:2、2次キャッシュ:1MB×2、プロセスルール:45nm、TDP:65W
【問い合わせ先】Intel:0120-868686
URL:http://www.intel.co.jp/
AMD:0053-165-0441(日本AMD)
URL:http://www.amd.co.jp/
【検証環境】マザーボード:GIGABYTE GA-H55M-S2H(rev. 1.0)(Intel H55)、MSI 890GXMG65(AMD 890GX+SB850)、Intel DG41TY(Intel G41+ ICH7)、メモリ:Patriot Memory PSD34G1333KH(PC3-10600DDR3 SDRAM 2GB×2)、Patriot Memory PSD24G800KH(PC2-6400 DDR2 SDRAM 2GB×2)、HDD:Western Digital WD Caviar Blue WD7500AAKS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、750GB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版