エントリー向けバリューモデルランキング
SSDの中で現在人気急上昇中のカテゴリーが、1万5,000円以下で購入できるバリューモデルだ。バリューモデルは、記録容量が64GB以下と少なく、性能も上位機種に劣るが、HDDよりはるかに高速で比較的安価なことからエントリー向けとして人気になっている。購入時の指標が性能であることは間違いないが、GB単価にも着目したい。
これらを総合した場合の現時点でのトップは、Micron TechnologyのCrucial RealSSD C300 CTFDDAC064MAG-1G1だろう。Serial ATA 3.0対応のメリットを活かした本製品のリード性能はダントツで、バリューモデルの弱点の一つであるシーケンシャルライト性能も70MB/s超と比較的高速な部類に入る。バリューモデルの中でトップクラスのGB単価で購入できる点も見逃せない。
次点は、実環境をシミュレートしたPCMark VantageのHDD Test Suiteの結果でトップのCorsair Memory Force CSSD-F40GB2である。リード速度こそほかの製品と比較して少々遅めだが、クラストップの4KBのランダムライト性能を誇っている点は特筆に値する。Crucial RealSSD C300 CTFDDAC064MAG-1G1とともに性能面で頭一つ抜けた存在であることは間違いない。
3位のIntel X-25Vと4位の東芝 SG2の2製品も、ライト速度が見劣りするという点を除けば、上位2製品との差はそれほど大きくないと言えるだろう。この2製品は実売価格が安価なので、とにかく安くSSDを導入したいというユーザーにオススメしたい。
Serial ATA 6Gbps対応の高速ドライブ
- SATA 2.5接続でもリード279MB/s
- GB単価も優秀
- Marvell 88SS9174
- Serial ATA 3.0
- MLC
- Micron Technology
- Crucial RealSSD C300
CTFDDAC064MAG-1G1 - 実売価格:16,000円前後

最大転送速度600MB/sのSerial ATA 3.0に対応した唯一のSSD。Serial ATA 2.5接続でもクラストップの性能を誇るが、同3.0接続時のリード性能はもちろん現時点のダントツで、シーケンシャルリードは350MB/sに達する。容量64GBのバリューモデルのため、シーケンシャルライト速度は70MB/s台後半だが、それでもこのクラスではトップ。
- PCMarkで34,000超え!

コントローラには、Marvellの開発した88SS9174を採用する。外部キャッシュは128MB。NANDメモリは片面8個で、両面で合計16個を搭載している
●容量:64GB●キャッシュ:128MB●Trim:対応●サイズ:2.5インチ
性能だけでなく信頼性もトップクラス
- 8GBの予備領域で長寿命
- SandForce SF-1200
- Serial ATA 2.5
- MLC
- Corsair Memory
- Force CSSD-F40GB2
- 実売価格:13,000円前後

採用例が急速に増えているSandForceのコントローラ「SF-1200」を採用した製品。特筆すべき点としては、48GBのNANDメモリを搭載し、そのうち8GBをシステム用(予備領域)に利用していること。これによって、製品寿命もクラストップを実現する。

NANDメモリをコントローラ側に5個、裏面に7個搭載する変則構成となっている。外部キャッシュは非搭載
●容量:40GB●キャッシュ:- ●Trim:対応●サイズ:2.5インチ
Intel純正のバリュードライブ
- X25-M譲りのリード性能
- Intel PC29AS21BA0
- Serial ATA 2.5
- MLC
- Intel
- X25-V Value SATA SSD SSDSA2MP040G2R5
- 実売価格:12,000円前後

上位機種X25-Mと同じ基板を使いつつ、搭載NANDメモリを5個に減らすことで低価格化を図った製品だが、性能の高さは上位機種譲りだ。並列アクセス数が5チャンネルと少ないため、シーケンシャルライト性能が低いのが現状で唯一の欠点と言える。

上位機種X25-Mと同じコントローラ「PC29AS21BA0」を採用し、32MBの外部キャッシュを搭載する
●容量:40GB●キャッシュ:32MB●Trim:対応●サイズ:2.5インチ
安価で初めての1台に最適 システムドライブ専用に
- 東芝 T6UG1XBG
- Serial ATA 2.5
- MLC
- 東芝
- SG2 THNSNB030GBSJ
- 実売価格:10,000円前後

超小型の基板で設計されたSSD。4チャンネル並列アクセスを採用した製品であるため、ライト性能はシーケンシャルで50MB/s強と低めだが、リード性能が高く、トータル性能は良好だ。実売価格が安価なので、SSD入門者向けに最適な製品だ。
●容量:30GB●キャッシュ:64MB●Trim:対応●サイズ:2.5インチ
高速なリード/ライト性能が魅力
- JMicron 型番不明
- Serial ATA 2.5
- MLC
- Kingston Technology
- SSDNow V SNV425-S2/64GB
- 実売価格:18,000円前後

JMicron製のOEMと思われる東芝マーキングのコントローラを採用した製品で、シーケンシャルリード260MB/s強、同ライト170MB/s強を実現する。ライト速度が非常によいものの、PCMark VantageでHDD Test Suiteのスコアが振るわないのが唯一の欠点。
●容量:64GB●キャッシュ:64MB●Trim:対応●サイズ:2.5インチ
GB単価はクラス随一の約195円
- Initio INIC-1811
- Serial ATA 2.5
- MLC
- CFD販売
- SSD WIN CSSD-SM128WIN
- 実売価格:25,000円前後

GB単価の安さがクラストップに位置する低価格モデル。リード性能はほかの製品と比較しても悪くないが、PCMarkスコアからも分かるように、トータル性能でほかの製品に大きく劣る点が気になる。安価で容量の大きい製品を求めているユーザー向けと言える。
●容量:128GB●キャッシュ:- ●Trim:対応●サイズ:2.5インチ
パーティションアライメントに注意
SSDを使用する上で注意したいのが、パーティション開始位置(パーティションアライメント)が、SSD向けに最適化されていないことによる性能低下だ。SSDの物理書き込み単位は、OSが使用する論理的な書き込み単位よりも大きく、これが最適化されていないと1回の書き込みで終わるところが2回必要になるケースが発生し、速度低下を引き起こす原因となる。
Windows 7/Vistaはこの問題に対応しており、新規インストールして使用する場合は気にする必要はない。ただし、システムリカバリーソフトやディスククローニングソフトは、この問題に未対応の製品も多いので注意したい。環境移行などでHDDからSSDへディスククローニングを行なう場合は、EASEUS Todo Backupなどの対応製品を使用することをオススメする。

2EASEUS Todo Backup(http://www.todo-backup.com)は、パーティションアライメントにも対応しているフリーのバックアップソフト
【問い合わせ先】
Micron Technology:03-3206-0806(エスティトレード)
URL:http://www.crucial.com/
Corsair Memory:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)
URL:http://www.corsairmemory.com/
Intel:0120-868686(インテル)
URL:http://www.intel.co.jp/
東芝: -
URL:http://www.semicon.toshiba.co.jp/
Kingston Technology:00531-88-0018
URL:http://www.kingston.com/japan/
CFD販売:052-619-1560
URL:http://www.cfd.co.jp/
【検証環境】 CPU:Intel Core i7-940(2.93GHz)、マザーボード:GIGABYTE GA-X58A-UD7(rev. 1.0)(Intel X58+ ICH10R)、メモリ:Corsair Memory XMS CMX6GX3M3A1333C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×3)、ビデオカード:NVIDIA GeForce 8600 GTリファレンスカード、システムSSD:東芝 THNSNB030GBSJ(Serial ATA 2.5、MLC、30GB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版