実力派急増中 ローエンドランキング
ローエンドクラスのランキングでは、実売価格が1万円以下となる製品の中から最新または注目のマザーボードを5枚選び、機能と設計とコストパフォーマンスを評価し、ランク付けを行なった。とくに機能に関しては、コスト面で搭載しにくい「USB 3.0」と「Serial ATA 3.0」コントローラを用意している製品を高く評価した。そのほか評価に入れた機能については、以下の表を参照してほしい。
また、ローエンドマザーでは極端にコストカットされがちな各種電源回路の設計と部品の質も評価対象とした。長期運用において安定動作の要となるため見過ごせない部分だ。分かりやすいところでは、すべてのコンデンサに一般的なアルミ電解コンデンサを使わず、耐性の高い固体電解コンデンサを採用しているものは、品質的にプラスと言える。
ちょっと前までのこの手のクラスの製品は、どれもギリギリの品質で機能も最低限、といったものが大半だったのだが、今回選出した5製品は、実売価格を考えるとどれも大健闘と言えるデキであり、ローエンドモデルの中でも興味深いマザーボードと言える。
USB 3.0のサポートが大きな魅力
- コンデンサはすべて固体電解タイプ!
- Socket AM3
- AMD 880G+SB710
- microATX
- ASRock
- 880GMH/USB3 R2.0
- 実売価格:9,000円前後
AMD製チップセットではとくに人気の高いAMD 880Gを搭載。South Bridgeを1世代前のSB710とすることで安価に仕上げた。Serial ATA 3.0には対応しないが、USB 3.0ポートを1基搭載している。BIOSセットアップのオーバークロック設定も豊富で、自動オーバークロック機能の「Turbo50」などといった、ユニークなものもある。
BIOSセットアップには自動オーバークロック機能の「Turbo 50」を用意。性能向上率を40%または50%から選択でき、あとは自動的にオーバークロックが行なわれる
このクラス唯一のUSB 3.0対応!
USB 3.0コントローラは、Fresco Logic製「FL1000G」を搭載。1ポートのみ提供される
対応CPU:PhenomII、AthlonII ●メモリスロット:PC3-14400 DDR3 SDRAM×4(最大16GB)●グラフィックス機能:Radeon HD 4250●ディスプレイ:HDMI ×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCIE2.0 x16×1、PCI-E 2.0 x1×1、PCI×2●インターフェース:SATA 2.5×5、eSATA(SATA 2.5)×1、Ultra ATA/133×1、USB 3.0×1、USB 2.0×5●LAN:1000BASE-T×1
強力チップセット搭載のお買い得機
- 基本性能はミドルレンジマザー並み!
- AMD 890GX搭載でグラフィックス性能はクラス最高!
- Socket AM3
- AMD 890GX+SB850
- ATX
- FOXCONN
- A9DA-S
- 実売価格:10,000円前後
AMDのグラフィックス機能搭載チップセットとしては最上位のAMD 890GXを採用。South BridgeはSerial ATA 3.0をサポートするSB850だ。ボード全域に固体電解コンデンサを搭載するほか、CrossFireXに対応するなど、この価格では上等な実装。コストパフォーマンスに優れた1枚だ。
ローエンドマザーではあるが、マルチGPU機能のCrossFireXをサポート。そのため、PCI Express 2.0 x16スロットを2本搭載している。ただし、両方のスロットを使うとそれぞれ8レーン動作となる点に注意
対応CPU:PhenomII、AthlonII●メモリスロット:PC3-12800 DDR3 SDRAM×4(最大16GB)●グラフィックス機能:Radeon HD 4290●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 2.0 x16×2(x16/-またはx8/x8で動作)、PCI-E 2.0 x1×2、PCI×2●インターフェース:SATA 3.0×6、USB 2.0×6●LAN:1000BASE-T×1
豊富なオーバークロック機能が光る
- 豊富なOC設定を用意したBIOSが魅力!
- メモリスロットを4本備える!
- LGA1156
- Intel H55
- microATX
- BIOSTAR
- TH55B HD
- 実売価格:8,000円前後
豊富なオーバークロック機能を備えたIntel H55搭載モデル。オーバークロック設定のみがまとめられた専用BIOSメニュー「O.M.G」をはじめ、ユニークなソフトウェア機能を多数備える。CPU用電源回路の周辺には固体電解コンデンサを搭載しており、インターフェース類も堅実な構成だ。
オーバークロック機能を備えた製品というだけあって、ボード上にテスト用の電源/リセットスイッチも搭載。ただし、POSTコード表示用の7セグメントLEDは備えていない
対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium●メモリスロット:PC3-16000 DDR3 SDRAM×4(最大16GB)●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●グラフィックス機能:HD Graphics●拡張スロット:PCI-E 2.0 x16×1、PCI-E 2.0 x1(2.5GT/s) ×1、PCI ×2● インターフェース:SATA 2.5×6、Ultra ATA/133×1、USB 2.0×4●LAN:1000BASE-T×1
P55搭載機では最安となるシンプルな1枚
- P55マザー最安モデル!
- この価格ながらRAIDにも対応!
- LGA1156
- Intel P55
- microATX
- FOXCONN
- P55MX
- 実売価格:7,000円前後
最安を誇るIntel P55搭載マザー。CPU用電源回路のコンデンサには固体電解タイプを搭載するなど、価格を抑えつつも一定の品質を確保。執筆段階のBIOSバージョンでは、ベースクロックの設定ができなかったが、付属ユーティリティを使っての変更は可能。
対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium●メモリスロット:PC3-10600 DDR3 SDRAM×2(最大8GB)●ディスプレイ:-●グラフィックス機能:-●拡張スロット:PCI-E 2.0x16×1、PCI-E 2.0 x4(10GT/s)×1、PCI×2●インターフェース:SATA 2.5×6、USB 2.0×6●LAN:1000BASE-T×1
5,000円台半ばのDDR3対応G41マザーボード
- よく探せば4千円台で買える!
- DDR3メモリをサポート!
- LGA775
- Intel G41
- microATX
- MSI
- G41M-P33
- 実売価格:5,000円前後
Intel G41+ICH7を搭載した廉価なLGA775マザー。DDR3に対応しているのが特徴だが、映像出力端子はDsub 15ピンのみ。メインPCとして使うには心もとないのでサブ機として使用したい。それにつけても5,000円前後という価格は魅力的だ。
対応CPU:Core 2、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-8500 DDR3 SDRAM×2(最大4GB)●ディスプレイ:Dsub 15ピン×1●グラフィックス機能:GMA X4500●拡張スロット:PCI-E x16×1、PCI-E x1×1、PCI×2●インターフェース:SATA 2.5×4、Ultra ATA/100×1、USB 2.0×4●LAN:1000BASE-T×1
ローエンドマザーはオンボード機能に注目
前述のとおり、ランキングの順位は、上の表にあるようなニーズの高い搭載機能の有無などを評価基準にした。とくにUSB 3.0やSerial ATA 3.0(6Gbps)への対応は、ローエンドクラスでは対応製品が稀少であり、高く評価している。ただ、Serial ATA 3.0については高価な対応SSDを用意しなければ効果が得られないので、このクラスでの評価の比重は小さい。結果、唯一USB 3.0を備えているASRock 880GMH/USB3 R2.0を高く評価した。
【問い合わせ先】
ASRock:03-3768-1321( マスタードシード)
URL: http://www.asrock.com/
FOXCONN:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)
URL: http://www.foxconnchannel.com/
BIOSTAR:info@mvkc.jp(エムヴィケー)
URL: http://www.biostar.com.tw/
MSI:web@msi-computer.co.jp(エムエスアイコンピュータージャパン)
URL: http://www.msi-computer.co.jp/