GPGPUランキング
DirectX 11のDirect Computeや、NVIDIAのPhysXなど、GPUに物理演算処理を任せるゲームが増えつつある。また、NVIDIAのCUDAやATIのStreamを利用してGPUに処理させる動画エンコーダも存在しており、ビデオカードに描画以外の汎目的計算を行なわせるGPGPUという新しい需要が生まれている。そこで、CyberLinkの動画エンコードソフト「MediaEspresso 6」を用いて、フルHDのMPEG2をH.264へ変換する際のパフォーマンスを比較した。なお、オプション設定に「ハードウェアデコーディング」の項目が存在するが、検証ではかえって遅くなったので、ここではOFFにしてテストしている。
CUDAによりGPGPUで高いパフォーマンスを発揮
- 大型ヒートシンクに2連ファンを搭載
- GeForce GTX 470(OC)
- GDDR5 1.25GB
- ZOTAC
- ZT-40202-10P
- 実売価格:39,000円前後
二つの冷却ファンを備えるオリジナルクーラーを搭載した製品で、オーバークロック状態のGeForce GTX 470を採用する。CPUだけで3分28秒要するエンコード処理が、CUDAを利用することで58 秒に短縮しており、GPGPU用途でも高いパフォーマンスが期待できる。
- CPUのみの変換より4倍速い!
隣接する2スロット(計3スロット)を占有する大型クーラーを搭載
●コアクロック:656MHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 1.25GB(320bit) ● メモリクロック:3.402GHz●インターフェース:Mini HDMI ×1、DVI-I×2●対応スロット:PCI Express 2.0 x16
GTX 470と遜色ないGPGPU性能が魅力
- GTX 470とほぼ同スコア
- GeForce GTX 460(OC)
- GDDR5 1GB
- GALAXY Microsystems
- GF PGTX460Super OC/1GD5 FUJIN 2.0
- 実売価格:29,000円前後
テストではGTX 470との差はわずか1秒。価格を考えれば本製品のほうがコストパフォーマンスは高いが、ファンの騒音が耳に付くため、次点としている。
やや長めのMini HDMI→HDMI変換ケーブルが付属する
●コアクロック:810MHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 1GB(256bit)●メモリクロック:4GHz●インターフェース:Mini HDMI×1、DVI-I×2●対応スロット:PCI Express 2.0 x16
静かで冷えると高い人気を誇るHD 5770カード
- 低価格モデルだが静音クーラーを搭載
- Radeon HD 5770
- GDDR5 1GB
- MSI
- R5770 Hawk
- 実売価格:17,000円前後
GeForce勢には劣るものの、Radeon HD 5770でもエンコード時の効果はハッキリ確認できる。実売価格が安く、搭載するクーラーは静音性が高い。
左からDisplayPort、HDMI、DVI-Iが並ぶブラケット部
●コアクロック:875MHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 1GB(256bit)●メモリクロック:4.8GHz●インターフェース:DisplayPort ×1、HDMI×1、DVI-I×1● 対応スロット:PCI Express 2.1 x16
高いコストパフォーマンスを誇るHD 5830を採用
- 静音クーラー搭載のOCモデル
- Radeon HD 5830(OC)
- GDDR5 1GB
- 玄人志向
- RH5830-E1GHD/DP/OC
- 実売価格:23,000円前後
最安で1万7,000円前後になることもあるハイコストパフォーマンスモデル。GPGPUではGeForce勢におよばないが、オーバークロックが施されており、性能は申し分ない。
●コアクロック:825MHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 1GB(256bit)● メモリクロック:4.2GHz●インターフェース:DisplayPort×1、HDMI×1、DVII×1●対応スロット:PCI Express 2.1 x16
静音ランキング
ビデオカードを購入する際、そのパフォーマンスもさることながら、GPUクーラーの静音性も取捨選択の需要なファクターになり得る。パフォーマンスが高いビデオカードは消費電力が大きい傾向にあり、GPUクーラーが大掛かりなものとなり、その動作音も大きくなってしまう。しかし、動作音の小さいGPUクーラーを採用することで、静音性の向上に努めている製品も多くある。
そこで、高パフォーマンスながらも高い静音性を両立するモデルを取り上げ、ランキングを決定した。ランク付けは、実際の動作音の大きさに加えて、価格やパフォーマンスも考慮して行なっている。
パフォーマンスと静音性のバランスが絶妙
- ヒートパイプ直接接触式クーラー
- Radeon HD 5850
- GDDR5 1GB
- ASUSTeK
- EAH5850 DirectCU/2DIS/1GD5
- 実売価格:35,000円前後
Radeon HD 5850を採用することで高いパフォーマンスを発揮しつつ、独自のヒートパイプを利用したクーラー「DirectCU」を搭載し、高い静音性を誇る。実際、高負荷時でも騒音レベルは54.1dBと低く、GPU温度も70℃台前半と優秀な値を示した。
- 高負荷時でもGPUは73℃
ヒートパイプをGPUに密着させることで熱伝導率を高めた独自クーラー
●コアクロック:725MHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 1GB(256bit)●メモリクロック:4GHz●インターフェース:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I ×1●対応スロット:PCI Express 2.0 x16
静音性に加えて発熱を抑えた工夫に注目
- 改良型のTwin FrozrIIを搭載
- Radeon HD 5870(OC)
- GDDR5 1GB
- MSI
- R5870 Lightning Plus
- 実売価格:52,000円前後
ヒートパイプを5本に増強した進化版Twin FrozrIIクーラーを搭載。コンデンサにHi-c CAPを採用して発熱を抑え、とくにアイドル時の静音性が高い。
ヒートパイプが5本に、放熱フィンが50枚に増強された進化版Twin FrozrII
●コアクロック:900MHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 1GB(256bit)●メモリクロック:4.8GHz●インターフェース:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I×2● 対応スロット:PCI Express 2.1 x16
パフォーマンス・静音性ともに申し分ない出来
- GTX 460のOCモデルでも静か
- GeForce GTX 460(OC)
- GDDR5 1GB
- Palit Microsystems
- GeForce GTX 460 1GB Sonic Platinum
- 実売価格:25,000円前後
ヒートパイプを2本利用したGPUクーラーは、高負荷時でも54.9dBと静音性は良好。OCモデルでパフォーマンスも期待でき、カードが短い点もメリット。
同社のGTX 460のラインナップでヒートパイプが使われているのは本モデルのみ
●コアクロック:800MHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 1GB(256bit)●メモリクロック:4GHz●インターフェース:Dsub 15ピン×1、HDMI×1、DVI-I ×2●対応スロット:PCI Express 2.0 x16
巨大な放熱フィンによりファンレスを実現
- Radeon HD 5670
- GDDR5 1GB
- Sapphire
- ULTIMATE HD 5670 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-I/DP
- 実売価格:13,000円前後
カード上部に張り出す放熱フィンが特徴。高負荷時でもGPU温度は70℃以下と、ファンレスクーラーながらも冷却性能は高い。
●コアクロック:775MHz●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 1GB(128bit)●メモリクロック:4GHz●インターフェース:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I ×1●対応スロット:PCI Express 2.1 x16
【問い合わせ先】
ZOTAC:03-5215-5650(アスク)
URL:http://www.zotac.com/
GALAXY Microsystems:info@mvkc.jp(エムヴィケー)
URL:http://www.galaxytech.jp/
MSI:web@msi-computer.co.jp(エムエスアイコンピュータージャパン)
URL:http://www.msi-computer.co.jp/
玄人志向:購入店舗にて対応
URL:http://kuroutoshikou.com/
ASUSTeK:news@unitycorp.co.jp(ユニティ)
http://www.asus.co.jp/
Palit Microsystems:0570-028-120(サードウェーブ)
URL:http://www.palit.biz/
Sapphire:03-5215-5650(アスク)
URL:http://www.sapphiretech.jp/
【検証環境】CPU:Intel Core i7-870(2.93GHz)、マザーボード:MSI P55-GD85(Intel P55)、メモリ:Corsair Memory CMX8GX3M4A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×4 ※2枚のみ使用)、SSD:Intel X25-E Extreme SATA SSD SSDSA2SH064G1(Serial ATA 2.5、SLC、64GB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版
【検証内容】温度はHWMonitor 1.16のGPU Coreの値。動作音はファンの回転軸上10cmで計測。アイドル時はOS起動から5分後の値、高負荷時はOCCT Perestroika 3.1.0のPOWER SUPPLYモードを5分間連続実行したときの最高値。暗騒音は31.4dB。室温25℃。