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TEXT:編集部 |
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アップグレードで作るPentium Dマシン |
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前ページではCore Duoを使ったPCの組み立て方を紹介したが、現在使っているPCからデュアルコアCPUへアップグレードすることだってできる。ここでは、現在Socket478のPentium 4やSocket754のAthlon 64を利用しているユーザーが、コストを抑えてPentium Dにアップグレードする方法を考えてみよう。
まず、CPUソケットが異なる以上、マザーボードの買い換えは避けられない。さらに、Pentium DをサポートするLGA775マザーボードの多くはチップセットとしてIntel 975/945シリーズを搭載しており、これらがサポートするビデオカードインターフェースはAGPではなくPCI Expressだ。チップセットに統合されたグラフィックス機能を利用するのであればビデオカードは必要ないが、より高速なグラフィックス機能を求めるならば、PCI Express x16に対応したビデオカードも購入する必要がある。メモリに関しても、i975/945で使用できるのはDDR2 SDRAM。従来のDDR SDRAMは使用できない。このように、i975/945は最新インターフェースへの対応を果たした半面、これまでのパーツ資産を流用することができず、アップグレード先としては敷居の高いものとなってしまっている。 |
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AGPビデオカードの製品数は減る一方だが、すでに出回ったAGPカードの数は膨大なもの。ここ1、2年のモデルなら、まだまだ現役で使用できる |
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Pentium Dならこんなに安い |
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CPU |
Intel Pentium D 805 |
18,000円前後 |
マザーボード |
GIGABYTE GA-8I865GMK-775 |
12,000円前後 |
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合計30,000円前後 |
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DDR2メモリ |
DDR2 SDRAM 512MB×2 |
8,000円~ |
PCI Expressビデオカード |
NVIDIA GeForce 6600 GT搭載カード |
15,000円~ |
電源付属ケース |
450W電源付きATXミドルタワー |
8,000円~
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GIGABYTE |
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GA-8I865GMK-775 |
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実売価格:12,000円前後 |
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問い合わせ先:03-5812-6120
(リンクスインターナショナル)
URL:http://www.gigabyte.co.jp/ |
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i865G+ICH5というチップセット構成のLGA775マザーボード。グラフィックス機能を備えるためビデオカードも必須ではない。Serial ATAの転送速度が1.5Gbps、RAID機能がないなど、高級マザーボードとはやや差がある |
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(1)AGP 8Xスロット
ハイエンドなAGPビデオカードを購入したため、もうしばらく使用したいなどというユーザーは多いはず
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(2)i865Gチップセット
2世代前とはいえ、いまだSocket478プラットフォームは売れ筋であり、本チップセットも機能的には十分なもの |
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(3)LGA775ソケット
デュアルコアCPUの中でもとくに安価なPentium D。発熱の大きさには注意が必要だが、エンコードなどに活躍する |
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(4)DDR SDRAMメモリ
現在のPC環境ではメモリ速度はボトルネックとはならず、むしろ容量が重要なため、手持ちのものを活用したいところ |
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2世代前のi865チップセットで格安デュアルコア環境を構築 |
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しかし、ローエンドのPentium D 805であれば1万8,000円前後で購入できるなど、Pentium DはデュアルコアCPUの中でもっとも安価であり、捨て難い魅力がある。そこで注目したいのが、Intel 865G/PEやVIA P4M800シリーズを利用したLGA775マザーボードだ。これらは本来はLGA775向けのチップセットではなく、メーカーが独自にLGA775への対応を果たしているため製品数は限られてしまうが、グラフィックスインターフェースとしてAGP 8Xをサポートし、DDR SDRAMも使用できる。Socket478マザーボードからソケットを変更しただけにも思えるが、今回紹介しているマザーボードはメーカーが正式にデュアルコアCPU対応をうたっており、格安アップグレードにはうってつけと言える。マザーボード自体も安く抑えられており、CPUと合わせても3万円程度から入手できる。Athlon 64 X2やCore Duoと比べるとコストパフォーマンスの差は歴然だ。
アップグレードの注意点としては、Pentium Dに限らず最近のデスクトップ向けCPUは発熱が大きくなっている点が挙げられる。多数のHDD、ハイエンドのビデオカードなどを使用している環境では、アップグレード前は問題なくても、アップグレード後はエアフローが不足するケースが考えられる。その場合はケースファンを増やすなどして対策しよう。
後継規格が普及したため、AGPやDDRは時代遅れのイメージがあるかもしれないが、将来性はともかく、現時点ではシステム性能のボトルネックになるものではない。賢くアップグレードして、デュアルコアCPUのパワーを実感してはいかがだろうか。 |
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最新のi975/945シリーズではIDEは1ポートしかサポートされない。IDE HDDを多数所有しているユーザーにとって、i865の魅力は色あせないものだ |
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そのほかのAGP&DDR対応マザーボード |
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ASUSTeK |
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P5P800 SE |
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実売価格:12,000円前後 |
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問い合わせ先:news@unitycorp.co.jp(ユニティ コーポレーション)
URL:http://www.asus.co.jp/ |
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i865PE+ICH5を搭載したLGA775マザーボード。AGP 8X、DDR SDRAMに対応し、最新のPentium Dにも対応。静かなロングセラーとして売れ続けている1枚だ |
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ASUSTeK |
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P5VDC-MX |
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実売価格:8,000円前後
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問い合わせ先:news@unitycorp.co.jp(ユニティ コーポレーション)
URL:http://www.asus.co.jp/ |
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VIA P4M800 Pro+VT8251を搭載。AGP 8XとPCIスロット2基のほか、PCI Express x1スロットも備え、さらにDDR SDRAMとDDR2 SDRAMスロットを両方備えているという変わり種。グラフィックス機能やSerial ATA 2.5 RAIDなども搭載しながら非常に安価だ |
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電源の交換は必要? |
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LGA775、PCI Expressの登場に伴い、ATX電源もメインコネクタが24ピンのマザーボードが現在の主流となっている。しかし、24ピンコネクタであっても20ピンタイプの電源も利用できるため、アップグレード後も同じ電源を使い続けることは可能だ。しかし、最近のCPUやGPUは+12V電流を多く要求し、古い電源ユニットではこの+12V電流を十分に供給できないものが少なくない。多くの場合問題なく動作するが、なかにはビデオドライバによって電圧低下の警告を受けたり、PCの動作が不安定になったりするケースも見られる。それらの多くは電源の能力不足に起因するため、最新規格に対応したものへの交換を検討すべきだ。 |
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デュアルコアCPUは+12V電流を多く消費する。電源のスペックではとくに+12Vの出力に注意しよう |
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