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TEXT:鈴木雅暢 |
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LGA775 Platform |
対応デュアルコアCPU |
・Intel Pentium XE
・Intel Pentium D |
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LGA775プラットフォーム |
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低価格から購入できるデュアルコアのスタンダード |
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・1万円台から入手できて買いやすい
・デュアルコアならではの高性能
・マザーボードの選択肢が豊富
・全モデルで64bit拡張技術のEM64Tに対応 |
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・消費電力が大きく、電源容量に気を使う
・静音化にコストや手間がかかる
・旧世代からのアップグレードが困難
・電力あたりの性能がよくない |
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Pentium D 805が登場 導入しやすい価格が最大の魅力 |
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LGA775プラットフォームは、シングルコアのPentium 4(Prescott)時代からIntelのデスクトップPC向け主力プラットフォームであったが、主力がデュアルコアのPentium Dへ移行した後も引き続き使われている。Pentium Dの魅力は、導入のしやすさとラインナップの豊富さにある。もともとPentium Dは大きなプレミアを付けられることなく、デュアルコアCPUとしては買いやすい価格であったが、2006年に入ってから、さらに低価格のPentium D 805がリリースされ、また一段と導入しやすくなっている。また、上位のほうにも900番台(Preslerコア)のモデルが追加され、ラインナップが充実。近い将来に上位のCPUへのアップグレードを視野にいれた上で下位CPUで導入するといったことも可能になっている。Pentium Dの上位にはプレミアブランドのPentium XEも用意されているが、価格のわりには性能的なインパクトがなく、影の薄い存在となっている。
さて、900番台のモデルが800番台(Smithfieldコア)と違う点としては、製造プロセスルールが90nmから65nmへと進歩したことが挙げられる。
消費電力面でも進歩が見られるが、集積度が上がったことで、各コア2MBずつ、合計4MBと、これまでの2倍の2次キャッシュ容量を搭載できるようになった。一般にキャッシュの容量は多ければ多いほど、要求される命令やデータが2次キャッシュにある確率(キャッシュヒット率)が高くなり、メモリアクセスが省けるためにパフォーマンスアップにつながるはずだ。 |
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LGA775ではCPU側ではなく、いわゆるソケット側にピン(実際にはバネ)にあたる接点を用意している。CPU以上に細い接点で密集度は高い |
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薄いヒートスプレッダが装着された基板のようなPentium D。裏面にピンはなく、グリッドと呼ばれる平面の接点が用意されている |
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Intel Pentium XE/Dラインナップ |
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製品名 |
Pentium XE |
Pentium D |
プロセッサ・ナンバ |
955 |
950 |
940 |
930 |
920 |
動作クロック |
3.46GHz |
3.4GHz |
3.2GHz |
3GHz |
2.8GHz |
システムバスクロック |
1,066MHz |
800MHz |
2次キャッシュ |
2MB×2 |
TDP |
130W |
95W |
実売価格
(前後) |
125,000円 |
81,000円 |
54,000円 |
41,000円 |
31,000円 |
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製品名 |
Pentium XE |
Pentium D |
プロセッサ・ナンバ |
840 |
840 |
830 |
820 |
805 |
動作クロック |
3.2GHz |
3.2GHz |
3GHz |
2.8GHz |
2.66GHz |
システムバスクロック |
800MHz |
533MHz |
2次キャッシュ |
1MB×2 |
TDP |
130W |
95W |
実売価格
(前後) |
101,000円 |
44,000円 |
35,000円 |
27,000円 |
18,000円 |
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■ |
シンプルなアーキテクチャ 省電力機能もサポート |
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Pentium Dのアーキテクチャは非常にシンプル。Pentium 4を二つ貼り合わせたような構造になっており、実行ユニット、1次/2次キャッシュ、システムバスなど、パッケージ基板以外、CPUの持つすべての要素が2組ずつ備わっている。Core DuoやAthlon 64 X2はこれよりもスマートなスタイルを採用している。Pentium Dのパッケージ方法は決してインテリジェントなスタイルとは言えないもののデュアルCPUと同じスタイルであり、実用上、それほど大きなマイナスと考える必要はない。ダイ部分が分離しているだけに二つの良質コアをチョイスして1CPUにパッケージすればよいことになり、歩留まりがよく、安価に提供できるという側面もあると思われる。
とかく消費電力の大きさが指摘されるPentium Dだが、それは否定できない事実だ。それでも省電力に対する取り組みは地道に続けており、C1Eステート、EIST(Enhanced Intel SpeedStep Technology=拡張版SpeedStep)といった省電力機能をサポートしている。C1Eは、アイドル時にクロックと電圧を下げて消費電力を節約する機能。そして、EISTは、ノーマル状態(C0ステート)のときに、CPU負荷に応じて、クロックと電圧を上下させて省電力を実現する機能だ。どちらもクロックは2.8GHzまでしか下がらないのでもの足りない印象もあるのだが、電圧も一緒に下げるため、印象ほど効果は低くない。また、これの応用として、高温時にシステムが熱暴走しないようThermal Monitor 2という保護機能もある。これはCPUが一定温度以上になると自動的にクロックと電圧を下げることでCPUの発熱を抑え、システムのハングアップ(暴走)などを防ぐものだ。
また、Pentium Dでは900番台のモデルのみがサポートする機能として、VT(Intel Virtualization Technology)がある。これはPCの仮想化を支援する技術。現在はVMWareなどのソフトウェアがCPUを含めたハードウェアをエミュレーションすることで仮想化を行なっているが、VTではこの処理の一部をCPUが肩代わりすることで、より堅牢でパフォーマンスのよい仮想化を実現する。仮想化によって、1台のPCを仮想的に複数のコンピュータに分割し、それぞれに別のOSやアプリケーションソフトを動作させれば、一つの仮想マシン上で動くOSがウイルスなどで破壊されても、ほかの仮想マシンで実行されているOSやその上で動作しているアプリケーションは保護されるというように、主にセキュリティの観点から期待されている。 |
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2006年2月から販売が開始されたPentium D 805の実売価格は1万8,000円前後。Pentium 4より安い最安のデュアルコアCPUだ |
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ハイエンドプラットフォームのIntel 975X。PCI Express x16のレーンを8レーンずつに分けることができ、ATIのCrossFireに対応する |
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NVIDIAのnForce4 SLI X16チップセット。40レーンのPCI Expressをサポートし、32レーンのフルバンドNVIDIA SLIを実現可能だ |
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