強化ポイント2 | 予算3,500円~ |
CPUとメモリの冷却を改善する
■ここを事前にチェック
- 1年も使えばCPUクーラーの冷却能力は落ちている!
- 近接する6枚のメモリの熱干渉は無視できない
- 大型クーラーはほかのパーツとの干渉に注意
- CPUとメモリの温度を計測して効果を確認
ハイエンド環境だからこそしっかり冷やす
各部をしっかり冷やしたいのはどんなマシンでも同じだが、LGA1366環境ではとくにCPUとメモリの冷却を重視しておきたい。マルチスレッドを活かせるフォト環境では、Core i7がフル稼働するが、それもしっかりしたCPUクーラーの冷却があってこそだ。また、空間に余裕のないケースでは、6枚のメモリの熱がこもってしまい、短い期間で壊れてしまうこともある。
対策としては、大型CPUクーラーでメモリも一緒に冷やしてしまえば一石二鳥。最近のサードパーティ製クーラーはサイドフロータイプが主流になりつつあるが、上から吹き付けるトップフロータイプのほうが、メモリ冷却には有効と思われる。ケースの構造に合わせて、工夫してみるとよいだろう。
LGA1366なら重視したい冷却ポイント
(1)Turbo Boostも確実に活かせるように
自動オーバークロック機能を備えたCore i7では、冷却能力で限界性能が変わる。リテールCPUクーラーは高負荷時の冷却にそれほど余裕があるわけではない
(2)6枚挿しは熱がこもりやすい
このケースは比較的余裕があるが、X58マザーは大きなものが多く、メモリまわりの空間にあまり余裕がないことがある
大型静音CPUクーラーの定番モデル
- サイズ
- グランド鎌クロス
- 実売価格:3,500円前後
メモリなど周囲のパーツの冷却も考慮して、トップフローモデルを選択。14cmファン搭載で、静音性、冷却性とも優秀だ
大き過ぎて、取り付け時はマザーボードをケースから外す必要があったが、冷却効果は文句なし
6枚挿し対応のメモリクーラー
- Corsair Memory
- DOMINATOR AirFlow2
- 実売価格:3,500円前後
メモリを直接冷やすなら、こんなメモリクーラーがお勧め。6スロットにも対応するが、装着には上部にややスペースが必要
残念ながらグランド鎌クロスとの併用はできなかったが、メモリを確実に冷やすにはかなり有効
もちろんグリスはしっかり塗り直す!
CPUクーラー取り付け時には、グリスを一度きれいに拭き取って、塗り直そう。グリスの質や塗り方にそれほどこだわる必要はないが、CPUクーラーはしっかりと圧着させたい
【検証環境】
前のページの環境に、CFD販売 CFD Elixir T3U1333Q-4G(PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB×3)を増設。
【検証内容】
CPU温度はHWMonitorを使用し、最大温度のもっとも高いCoreの値。メモリは6スロット目(CPUから一番離れた位置)のメモリのヒートスプレッダ表面に温度センサー(サイズ どこでも温度計2)を貼り付けて測定。アイドル時はOS起動から20分後の値、高負荷時はPCMark Vantage Build 102を動作させた際の最大値。室温25℃
【問い合わせ先】
Corsair Memory:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ http://www.corsair.com/
サイズ:support@scythe.co.jp/ http://www.scythe.co.jp/
強化ポイント3 | 予算0円 |
[おまけ] とりあえずメンテナンスだけでも
アップグレードは必要ない!という人でも、1年以上使ったらそろそろメンテナンス時なのは変わりない。ケース内部、とくにファンのホコリ掃除や、CPUクーラーのグリスを塗り直すだけでも冷却効果は回復する。内部をチェックすることで、トラブルの早期発見にもつながるだろう。手間を惜しまないことが、快適環境を維持するコツだ。
こまめな掃除がPCを救う
ファンだけでなく、チップクーラーやビデオカード、HDDなどもチェック。ちょっと乱暴だが、ノズルを当てないように掃除機をかけるのもアリだ
CPUクーラーはヒートシンクも掃除
CPUクーラーのフィンの隙間は、拭き掃除が難しい。エアダスターなどで、吹き飛ばしてやるのが、一番楽で効果的
今、LGA1366マシンを本気でアップグレードするとこうなる!
現状でも十分現役と理解した上で、あえて全体的なアップグレードを施してみた。CPUはLGA1366のメリットの一つである6コアモデルに。ビデオカードもハイエンドにして、システムドライブにSSDを導入。もちろんメモリも増やして、CPUクーラーも交換してみたが、結果としてかなりのお値段になっている。このアップグレードの価値は、下のベンチマーク結果を見て、自分で判断していただきたい。LGA1366環境としては6コアも気になるところだが、メモリとCPUクーラーの次にお勧めしたいのは、やはりSSD。アプリケーションの起動が高速になるだけでも、マシンは見違えて快適になるだろう。
メモリを増量
- CFD販売
- CFD Elixir T3U1333Q-4G
(PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB×3) - 実売価格:12,000円前後
CPUを6コアに
- Intel
- Core i7-970 (3.2GHz)
- 実売価格:50,000円前後
Core i7シリーズでは最安の6コアモデル。まだ値が張るが、2月中旬に値下がりして、それなりにお手頃にはなったが……今後のさらなる値下がりにも期待したい
CPUクーラーを交換
- サイズ
- グランド鎌クロス
- 実売価格:3,500円前後
ビデオカードを交換
- ASUSTeK
- EAH6970/2DI2S/
2GD5
(AMD Radeon HD 6970) - 実売価格:39,000円前後
Radeon HD 6970搭載の最新ハイエンドモデル。あえて交換するならこれくらい?
システムドライブをSSDに
- Micron Technology
- Crucial RealSSD
C300CTFDDAC
128MAG-1G1
(Serial ATA 3.0、128GB) - 実売価格:22,000円前後
人気の高い定番高速モデル。Serial ATA 2.5で使用しても十分恩恵は受けられる。長く使うなら、この128GBクラスは欲しいところだ
アップグレード費用合計 12万6,500円前後
【検証環境】
アップグレード前は[LGA1366マシン]と同じ。アップグレード後は上記のパーツを増設、換装した際の値
【問い合わせ先】
Intel:0120-868686(インテル)/ http://www.intel.co.jp/
ASUSTeK:news@unitycorp.co.jp(ユニティ)/ http://www.asus.co.jp/
CFD販売:052-619-1560/ http://www.cfd.co.jp/
Micron Technology:03-3206-0806(エスティトレード)/ http://www.crucial.com/
サイズ:support@scythe.co.jp/ http://www.scythe.co.jp/