ついに最安で6,000円を切った定番低価格電源
- Active PFC
- 玄人志向
- KRPW-V560W
- 実売価格:6,000円前後
- 問い合わせ先:購入店舗にて対応
- URL:http://kuroutoshikou.com/

80PLUS認証は取得しておらず、またプラグインケープルの採用といった目立つ機能はないものの、手堅い作りと高い安定性でロングセラーとなっている製品だ。最近では価格も下がり、最安で5,000円台で購入可能になっている。なお、製造元は自作PC用ATX電源ではすっかりおなじみのEnhanceだ。ファンには静音性の高い12cm角モデル(867~1,376rpm)を採用。電圧は+12Vが2系統で出力はそれぞれ20A。ケーブルはスタンダードな構造だが、Serial ATAなどは4基と少なめ。PCI Express 8ピンも備えないなど、拡張性については価格なり。なお、ケーブルの長さはATX24ピン、ATX/EPS12Vともに50cmと標準的だ。

+12V出力は2系統に分かれており、出力はそれぞれ20A。+5Vsbは3.5Aとこの価格帯としては高めに設定されている

PCI Express、EPS12V側のブレ幅自体は少ないものの、全体的に12Vを割り込んでいる。ATX24ピンは電圧がかなり低め


80PLUS認証は取得していないが、メーカーでは最大効率82%以上をうたっている
ファン:12cm角×1(底面)
電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×1、ペリフェラル×5、Serial ATA×4、PCI Express 6ピン×2、FDD×1
価格優先ながら、一定のクオリティを確保

【内部仕様】
・1次側コンデンサ:TEAPO 105℃品
・2次側コンデンサ:TEAPO 105℃品
・搭載ファン:ADDA AD1212MS-A71GLH
・基板:紙エポキシ基板
今回試用したほかの電源と比べると、明らかに加工精度や使用部品で劣るが、廉価な電源としては価格相応の仕上がりだ。Active PFCに対応するなど、回路構成そのものはほかの電源と同程度で、スイッチング回路の構成も一般的な2スイッチフォワードコンバータで、80PLUS認証は取得していないが、独自に80%の効率を達成したとしている。また、コンデンサは台湾製ながら1/2次側ともに105℃品を採用している。電源回路のコストを占めるのはスイッチングの制御回路ではなく、コンデンサなどのディスクリートパーツでなので、長期使用や高負荷での信頼性、耐久性はある程度割り切って低価格を実現している。(Ta 152H-1)

パネルカットの形状に合わないインレット、ほかの部品と一緒に実装されるフィルタ回路など、廉価なATX電源らしい

105℃品ではあるといったレベルのコンデンサ。ヒートシンクへの干渉を避けるためPFC回路のコイルには幅広のものを採用