大出力・高効率・低価格と三拍子揃った定番モデル
- 80PLUS Bronze
- Compucase
- HEC WIN+ 700W
- 実売価格:8,000円前後
- 問い合わせ先:03-3864-3763(マイルストーン)
- URL:http://www.milestone-net.co.jp/

700Wという定格出力に対して、実売価格が8,000円前後とコストパフォーマンスを重視した製品。PCI Expressコネクタも、6ピンと8ピン合わせて4本用意されているなど、出力に見合ったものになっている。出力だけでなく、80PLUS Bronze認証も取得しており効率も高い。また、本体の12cm角ファンに加え、外部ファンのコントロールが可能なファン接続端子が3基用意されている点も特徴だ。ATX24ピンやATX/EPS12Vのケーブル長は約45cmとやや短め。低価格モデルながら3年という長期保証が設定されているのもポイントだ。なお、WIN+シリーズは4モデルがラインナップされているが、80PLUS Bronze取得は700/550Wのみ(ほかはStandard)。

+12Vは2系統。出力はそれぞれ30Aと定格出力に比したものとなっている。+5Vsbは2.5A

すべての項目で+12Vを下回っている状態。高負荷時は0.4Vほど下がり、細かなブレも多く見られる


ケースファンなどを接続可能なファン用コネクタを3個装備。電源本体のファンと連動してファン速度を自動調整する
ファン:12cm角×1(底面)
電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、EPS12V×1、ATX12V×1、Serial ATA×5、ペリフェラル×5、PCI Express 6+2ピン×1、PCI Express 6ピン×3、FDD×1、FAN×3
出力のわりには廉価、内部設計は価格相応で納得できる

【内部仕様】
・1次側コンデンサ:CapXon 105℃品
・2次側コンデンサ:Su'scon 105℃品
・搭載ファン:HEC DFS122512M
・基板:ガラスエポキシ基板
80PLUS Bronze認証の700Wクラスではかなり廉価な製品で、回路構成は現在の電源としては平均的なものなのだが、使用部品や仕上がりにはコストダウンの跡が見て取れる。たとえば、1次側のコンデンサはCapXonの400V 470μFの105℃品で、今回評価した700W以上の電源の中では一番容量が小さい(Toughpower Grand 650Wのものは400V 560μF)。部品コストを抑えなければこの価格は難しく、この辺りは動けばよしといった感がある。奥行きが短く取り回しやすいが、内部構成は窮屈で、出力はすべて固定ケーブル。その端子処理も価格相応で、密集するケーブルにコンデンサが圧迫されている。(Ta 152H-1)

製品の価格が下がるとそれに比例して作りが安くなるのがACインレットフィルタだが、この電源でも如実に現われている

廉価かつ最低限の容量で実装された1次側の平滑コンデンサ。出力性能とコストの妥協点が部品選択に現われる
【検証環境(700W以上)】
CPU:Intel Core i7-860(2.8GHz)、マザーボード:ASUSTeK MaximusIII Extreme(Intel P55)、メモリ:Corsair Memory TR3X6G1333C9(PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×3 ※2枚使用)、ビデオカード:MSI N480GTX-M2D15(GeForce GTX 480)、HDD:Western Digital WD Caviar Blue WD10EALS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、1TB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版