構築術1 | まずスピーカーを変えよう |
---|


音の最終的な出口であるスピーカーは、音質をもっとも劇的に変えることができるアイテム。このスピーカーのよしあしで音質の半分以上が決まると言っても過言ではない。基本的には、ある程度の大きさがないとよい音を出せないので、デスクトップ上に相応の設置スペースを確保する必要もある。スピーカーがよくなると入力される音のアラや違いもハッキリ見えてくるので、オンボードのアナログ出力に不満が出てきたらサウンドカードを新調しよう。
構築術2 | オンボードとサウンドカードの音質 |
---|


オンボードのサウンド出力信号と、サウンドカードを使った場合の出力信号を分析してみると、そこには大きな違いがある。上記グラフを見ても分かるとおり、まずS/Nに差があり、オンボードだとノイズが多い。また、聞き比べてみると、音の表現力にも大きな差があり、ボーカルや楽器の音が大きく違って聞こえる。オンボードサウンドもスペック上は32bit/192kHzなど超高級オーディオ以上になっているが、これに大きな意味はない。
構築術3 | サウンドカードとUSBオーディオはどこが違う? |
---|


- PCに空きスロットが必要
- PC内にキレイに収まる
- 機能、性能のわりに価格が安め

- ノートPCでも接続可能
- PC自作の経験のない人でも簡単
- 超高級品を含め多くの選択肢がある
従来、PCにサウンド機能を搭載するにはサウンドカードを内蔵するのが一般的であったが、最近はUSBの外付けデバイスが中心になっており、とくにハイスペックな高級品はUSBオーディオがほとんど。ただし、1万円以下の製品では、PCI/PCI Expressの拡張カードのほうが質のよいものが多く、安く揃えたい場合には有利だ。もちろん、空きスロットがあることが前提だが、小型ケース向けにLow Profileに対応したものもある。
【THD】 Total Harmonic Distortion(全高調波歪み率)の略。機器から出力された音声信号(基本波)に対して、含まれる高調波(倍音)の成分比率を表わす。値が小さいほど歪みが少ない。
【S/N】 Signal to Noise ratio(信号対雑音比)の略。音声信号に含まれる雑音の量。単位はdBで、値が大きいほどノイズが少ない。
従来のPCサウンドのイメージが大きく変わる
PCサウンドは「チャチな音」というイメージの人も多いだろう。しかし、今やオーディオマニアの世界で「PCオーディオ」という言葉がはやるほどで、オーディオ機器としてのPCの潜在能力に大きな注目が集まっている。その第一歩としてスピーカーを交換することで、音質は劇的に変化する。たとえオンボードのサウンド出力機能であっても、粗悪なスピーカーを出来のよいものに交換するだけで、かなりよい音が出てくるのだ。ちなみに、ここで言うスピーカーとは、「アクティブスピーカー」と呼ばれるアンプ内蔵タイプのもの。デスクトップ用としては10W+10W ~ 20W+20W辺りがお勧めだ。
ここで、(予算が許せば)1万円弱のサウンドカードを増設し、その出力をスピーカーへつなぐと、もう従来のPCサウンドとは次元の異なるオーディオの世界に入ってくる。市販のミニコンポなどを凌駕するクオリティになるので、ぜひそのサウンドを体験していただきたい。
藤本 健のインプレッション

GX-70HDを使うことで大きく音が変わるのはもちろんだが、サウンドカードに切り換えると、それぞれの音の輪郭がハッキリし、リアリティあるサウンドに変身する。
花茂未来の初心者的感想

スピーカーをGX-70HDに交換したことで音の厚みが増し、オンボード出力をXonar DGに変更して奥行き感がでた。とくに低音の輪郭が鮮明になったのは印象的。
15W+15Wの迫力あるアナログスピーカー
- オンキヨー
- GX-70HD
- 実売価格:11,000円前後


1万円強で買えるアンプ内蔵のスピーカーとしては、非常に高性能で高音質。金メッキされたアナログ入力端子を2系統備えており、二つの信号を同時に入れて、フロントのノブでミックスすることも可能。必要に応じてサブウーファーを追加することもできる。
Specification
●音声入力:LINE IN(RCA)×2
●音声出力:サブウーファー(RCA)、ヘッドホン(ミニ)
●本体サイズ(W×D×H):右 123×203×225mm、左 123×184×225mm
実売3,500円の5.1チャンネルカード
- ASUSTeK
- Xonar DG
- 実売価格:3,500円前後


Low Profileにも対応したPCIのシンプルなサウンドカード。安いカードではあるが、音質はそこそこしっかりしており、マザーボードのサウンド機能とは明らかな違いを味わえる。S/P DIF出力も装備しているので、デジタル出力のないマザーに追加する1枚としても好適だ。
Specification
●音声入力:LINE IN /マイク(ミニ)、AUX IN(ピンヘッダ)
●音声出力:S/P DIF OUT(光角型)、LINE OUT(5.1チャンネル、ミニ)
高品質にステレオ再生するためのカード
- オンキヨー
- WAVIO SE-90PCI
- 実売価格:9,000円前後


オーディオマニアにも非常に評判のよいPCIのサウンドカード。再生音質を上げるために、入力機能をバッサリ切り捨て、サラウンドにも対応していないが、さすが日本のオーディオメーカーが作った、というよい音が出る。価格的にも手頃で満足度は高い。
Specification
●音声入力:-
●音声出力:S/P DIF OUT(光角型)、LINE OUT(RCA)
24bit/96kHz対応のUSBオーディオ
- ローランド
- Cakewalk UA-1G
- 実売価格:13,000円前後


金メッキされたRCAピンジャックのアナログ入出力を備えるほか、ヘッドホン、S/P DIF出力も搭載。楽器メーカーの製品だけに入力が充実しているため、カセットテープやレコードなどのアナログ素材を取り込むのに利用する人も多い。レベルメーターも装備している。
Specification
●音声入力:S/P DIF IN(光ミニ)/マイク(ミニ)、LINE IN(RCA)、マイク(ホン)
●音声出力:S/P DIF OUT(光ミニ)/ヘッドホン(ミニ)、LINE OUT(RCA)
【問い合わせ先】
オンキヨー:050-3161-9555 / http://www.jp.onkyo.com/
ASUSTeK:news@unitycorp.co.jp(ユニティ)/ http://www.asus.co.jp/
ローランド:050-3101-2555 / http://www.roland.co.jp/