構築術1 | サラウンド環境はどうやって構築する? |
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サラウンドをデジタル出力
PCI Express Sound Blaster X-Fi Titaniumのように、Dolby Digital/DTSエンコード機能があれば、サラウンド音声をデジタル出力できる
現状、大半のゲームにおけるサラウンドはアナログでの出力が前提になっている。このため、音質にこだわらなければ、アナログのサラウンドスピーカーとマザーボードのスピーカー出力を組み合わせるのがもっとも手軽でコストもかからない。
デジタル出力にこだわるなら、Dolby Digitalエンコード機能を持つサウンドカードから選ぶことになる。具体的には、クリエイティブメディアの「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium HD」などが挙げられる。これならAV用アンプなどにデジタル出力することが可能になり、高音質なサラウンド環境を構築できる。
しかし、大きな音を出せないなら、サラウンドスピーカーを持つ意味は半減してしまう。そういう場合はサウンドカード側のバーチャルサラウンド機能を有効にしてヘッドホン出力経由で聞く、あるいはバーチャルサラウンドヘッドホンを使うほうがベターだ。
構築術2 | スピーカーとヘッドセット、どっちを買うべき? |
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Xonar Xense付属の高性能ヘッドセット
ASUSTeKのXonar Xenseに付属する、Sennheiser製ヘッドセット。ゲームの効果音もボイスチャットの相手の声もクリアに聞こえてくる
ヘッドホンと組み合わせて使えるスタンドマイク
既存のヘッドホンを使い回すなら、スタンドマイクを使ってヘッドセットと同等の環境を構築できる。写真はエレコムの「HS-MC01WH」(実売1,200円前後)
良質の機材を使ったサラウンド環境はゲーマーの理想だが、ボイスチャットしながらFPSなどのゲームを多人数でプレイしたいといった場合には向かない。そこで選択肢となるのが、ヘッドホンにマイクが付いたヘッドセットだ。ヘッドセットはゲーム用として多数の製品がリリースされているほか、ASUSTeKの「Xonar Xense」のようにヘッドセット付きサウンドカードもある。既存のヘッドホンを流用したいのなら、スタンドマイクを組み合わせるのも手だ。
FPSに最適なサラウンド対応ヘッドセット
- ソニー
- DR-GA500
- 実売価格:15,000円前後
サラウンド環境を手軽に構築する方法として、各社から製品が投入されているのが「バーチャルサラウンドヘッドホン」と呼ばれるカテゴリーである。ただその多くはAV用途向けだが、ソニーから登場した「DR-GA500」は、FPSゲーマーに最適なサラウンドヘッド"セット"だ。
PCのアナログ7.1チャンネル出力を専用ボックスでバーチャルサラウンド化し、ヘッドホンに出力するという製品で、自然なサラウンド感を実現している。マイクも組み込まれており、ボイスチャットしながらのFPSに最適な製品だ。
Specification
●音声入力:LINE IN(ミニ)、センター/サブウーファー(ミニ)、サラウンド(ミニ)、サラウンドバック(ミニ)
●音声出力:-
●サイズ(W×D×H):約190×117×30mm(トランスミッタ部)
サラウンド環境構築でゲームの世界が大きく広がる!
ゲームの臨場感向上にサラウンドの果たす役割はあえて解説するまでもないだろう。前後左右から聞こえる効果音は、ゲームの楽しさを引き立ててくれる。
最近のゲームはソフトウェア処理によるサラウンド実装が広まり、前後左右の音の聞き分けが重視される「Call of Duty:ModernWarfare2」のようなFPS系タイトルはもちろんだが、「StarCraft2」など一見平面的な要素の強いRTS系タイトルであってもサラウンドに対応している。
サラウンド環境を構築するための敷居も、以前と比べるとかなり低くなっている。最近のマザーボードはサラウンド対応のサウンドチップを搭載するケースが多いため、安価なアナログのサラウンドスピーカーセットを組み合わせれば簡単にサラウンド環境を整えられる。5.1チャンネルでは6本、7.1チャンネルになると8本にもなるスピーカーの配置は頭の痛い問題だが、苦労しただけのメリットは十分あるだろう。
加藤勝明のインプレッション
低価格のInspire T6160でも、サラウンドの臨場感の高さを十分味わえる。後ろから聞こえる銃声にビクビクする感覚は、サラウンド環境の醍醐味。
花茂未来の初心者的感想
Xonar Xenseに変えたところ、ヘッドセットから聞こえてくるリアリティのある効果音に驚いた。付属のヘッドセットだからって、ナメてちゃいけません。
ゲームに最適化した高音質サウンドカードにSennheiser製ヘッドセットが付属
- ASUSTek
- Xonar Xense
- 実売価格:29,000円前後
Sennheiserのヘッドセット「PC350」が付属する、ゲーム用サウンドカード。オーディオプロセッサとしてASUS AV100を採用、S/Nは118dbと通常のサウンドカードとして考えても性能は高い。アナログでの7.1チャンネルサラウンド環境の構築にも対応。
Specification
●音声入力:LINE IN /マイク(ホン)
●音声出力:S/P DIF OUT(同軸/光ミニ)、LINE OUT(7.1チャンネル、ミニ)、ヘッドホン(ホン)
サラウンドエンコードにも対応したゲーマー向けサウンドカードの定番
- クリエイティブメディア
- PCI Express Sound Blaster X-Fi
Titanium HD - 実売価格:20,000円前後
音質の高さもさることながら、「CMSS-3D」と呼ばれるバーチャルサラウンド機能がとくに強力で、ヘッドホンや2チャンネル/ 2.1チャンネル環境でも高いサラウンド感を得られる。Dolby DigitalやDTSへのリアルタイムエンコードに対応しているのもポイント。
Specification
●音声入力:S/P DIF IN(光ミニ)/ LINE IN(RCA)、マイク(ミニ)
●音声出力:S/P DIF OUT(光ミニ)/ LINE OUT(RCA)、ヘッドホン(ミニ)
PCとの接続に適した手軽で安価な5.1チャンネルスピーカー
- クリエイティブメディア
- Inspire T6160
- 実売価格:7,000円前後
価格を重視した製品であるため、音量調整が有線リモコンなど欠点はあるが、実売7,000円程度で購入できる製品としてはよく鳴っている。左右のサテライトスピーカーにスタンドが付属しているため、机の上に載せるときも設置が楽だ。
Specification
●音声入力:LINE IN(ミニ)、センター(ミニ)、サラウンド(ミニ)
●音声出力:-
●本体サイズ(W×D×H):サブウーファー 174×228×260mm、サテライトスピーカー 75×90×150mm
ホームシアター構築にも使える本格的なサラウンドシステム
- パイオニア
- HTP-S333
- 実売価格:40,000円前後
3系統のHDMI入力を備えるなど、AV機器との親和性が高いサラウンドシステム。USB端子もあるが、iPhoneなどを接続して直接再生させるためのもの。PCとの接続はS/P DIF入力端子を使う。
Specification
●音声入力:HDMI IN×3、S/P DIF IN(光角型)×2、S/P DIF IN(同軸)、LINE IN(RCA)×4
●音声出力:HDMI OUT、LINE OUT(RCA)×2、サラウンドバック(RCA)
●本体サイズ(W×D×H):サブウーファー 230×422.5×360.5mm、サテライトスピーカー 96×96×96mm
【問い合わせ先】
ASUSTeK:03-5812-6131(ユニティ)/ http://www.asus.co.jp/
クリエイティブメディア:03-3256-5577 / http://jp.creative.com/
パイオニア:0120-944-222 / http://pioneer.jp/