構築術1 | デジタル入力付きスピーカーとは |
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オンボードのデジタル出力
多くのマザーボード上にはオーディオのデジタル(S/P DIF)出力端子が備わっている。これさえあれば、あとはデジタル入力付きスピーカーを用意するだけでよい
アナログ入力のみ
RCAピンジャックでの入力だけが備わっている
デジタル入力付き
この製品には同軸、光角型それぞれのデジタル(S/P DIF)入力が用意されている
デジタル入力を備えたスピーカーの中にはDAC(Digital to Analog Converter)と呼ばれる回路が備わっており、デジタル信号をアナログに変換できる。スピーカーまでノイズレスでオーディオを伝送できるため、簡単な接続で高品位なサウンドが期待できる。
構築術2 | マザーにデジタル出力がないときは? |
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デジタル出力のないマザー
ローエンドやMini-ITXマザーボードの場合、S/P DIFのデジタル出力を装備しないものもある。安いものでよいので、デジタル出力を持つデバイスを追加しよう
デジタル出力付きの低価格デバイス
安いサウンドカード、USBオーディオでも、デジタル出力が搭載されていればOKだ
アナログ性能は機材によって音質に大きな差が出るが、デジタル出力性能は機材による差が少ない。そのため、安いデバイスで十分な力を発揮してくれるので、価格だけで選んでしまっても問題ないだろう。
デジタル入力付きスピーカーの代わりにUSBスピーカーを使う
マザーボードにデジタル出力がなければ、PCとUSBケーブルで直接接続することで、信号をデジタル伝送する「USBスピーカー」を選ぶのも手だ。アナログ回路を介さないので、理論上、高音質が実現できる。ただ、実際にはUSBスピーカー内部のDAC部分の回路、アナログ回路によって音が大きく変わるため、粗悪な製品も多い。また、バスパワーだと大音量は期待できないので注意が必要だ。
USBケーブルを直接つなぐ
USBスピーカーとPCはUSBケーブルで直接つなぐだけでOK。ドライバも不要なものが多いので、扱いは簡単だ
スピーカーをプラスするだけで手軽に高音質を実現できる
自分のPCにS/P DIFの出力端子が搭載されていることは知っているが、一度も使ったことがないという人は多い。しかし、意外にもこれがもっとも簡単にPCを高音質化できる手段であり、その実力は高級オーディオ並みなのだ。ジッタと呼ばれるクロックの揺れがあるので、厳密に言えば機材による音の違いはあるが、そこはオーディオマニアの域であり、一般的には出力機材による音質の差が分からないほどなので、機材選びも簡単だ。
そのため、最終的な音質を決めるのはデジタル入力付きのスピーカーだ。目標予算2万円で提案できるのはオンキヨーとローランドという音響機器の2大メーカーであり、選択肢は少ない。ただ両者とも音楽専門の日本メーカーだけにクオリティは非常に高く、どちらを選んでも外れることはない。なお、デジタル入力付きのサラウンドスピーカー(5.1チャンネルなど)はまったくの別物で多チャンネル再生に的を絞っているため、同じ音質が得られると考えてはいけない。
藤本 健のインプレッション
GX-100HDをつなぐと、マザーボードのデジタル出力でも、驚くほどの高音質が飛び出してくる。接続もきわめて簡単で、失敗がないのも非常にうれしいところだ。
花茂未来の初心者的感想
MA-15Dはデジタル入力なので、ノイズは皆無。ヘッドホン端子があるので、スピーカーとヘッドホンアンプの二役を両立できるのは便利。
オーディオらしい音がする高品位スピーカー
- オンキヨー
- GX-100HD
- 実売価格:26,000円前後
まさにオーディオメーカー機材の音が出せるスピーカー。同軸と光角型のデジタル入力のほか、アナログも1系統入力が可能。15W+15Wの大音量が出せるので自宅で使うには十分なスペックである。
Specification
●音声入力:S/P DIF IN(光角型/同軸)、LINE IN(RCA)
●音声出力:サブウーファー(RCA)、ヘッドホン(ミニ)
●本体サイズ(W×D×H):右 140×194×260mm、左 140×180×260mm
重低音もしっかり出せるモニタスピーカー
- ローランド
- MA-15D
- 実売価格:18,000円前後
楽器メーカーの機材だけに、原音をいかに忠実に再現できるかにこだわったモニタスピーカーとなっている。ベース・エンハンサー機能ONで重低音が出せるのも特徴。アナログも2系統入力できる。
Specification
●音声入力:S/P DIF IN(光角型/同軸)、LINE IN(ミニ)
●音声出力:LINE IN(RCA)、サブウーファー(RCA)、ヘッドホン(ホン)
●本体サイズ(W×D×H):右 159×222×250mm、左 159×215×250mm
USBスピーカーとしてはトップレベルの音質
- 東和電子
- Olasonic TW-S7
- 実売価格:10,000円前後
USBスピーカーは貧弱な音質なものが多いが、大容量コンデンサを内蔵するTW-S7はかなりの音質。バスパワーなので接続が簡単で、形状もなかなかユニークだ。ただ、大音量には向かないので、その点は注意が必要。
Specification
●音声入力:―
●音声出力:―
●本体サイズ(W×D×H):左右 108×108×141mm
低価格ながら光角型出力も装備したサウンドカード
- 玄人志向
- CMI8787-HG2PCI
- 実売価格:5,000円前後
オンキヨーのSE-90PCIをかなり意識して開発したと思われる玄人志向のサウンドカード。アナログ回路を箱状にシールドし、S/P DIF出力を一つ備えている。ステレオ出力のみで入力はないが、アナログの音も悪くない。
Specification
●音声入力:―
●音声出力:S/P DIF OUT(光角型)、LINE OUT(RCA)
【問い合わせ先】
オンキヨー:050-3161-9555 / http://www.jp.onkyo.com/
ローランド:050-3101-2555 / http://www.roland.co.jp/
東和電子:03-6303-9814 / http://www.olasonic.jp/
玄人志向:購入店舗にて対応/ http://kuroutoshikou.com/