低価格ながら+12V出力を1系統化した意欲作
- 80PLUS Standard
- Active PFC
- Cooler Master
- GX 550W
- 実売価格:10,000円前後
- 問い合わせ先::support@coolermaster.co.jp(CMインダストリー)
- URL:http://www.coolermaster.co.jp/

本体の奥行きが140mmと非常にコンパクトな電源ユニット。実売1万円前後の低価格モデルながら、ハイエンドモデルに多い+12V出力1系統仕様を採用している。+12Vが複数系統に分かれていると、ハイエンドビデオカードのような消費電力の大きなパーツを組み合わせたときにトラブルが起きやすくなることがあり、CPUやビデオカードの消費電力が急激に増大している今の状況に合った選択と言えるだろう。また、5年間という長期保証が設定されており、同社の品質に対する自信がうかがえる。ファンはスタンダードな12cm角タイプ。ケーブル長はATX24ピンは50cmと普通だがATX/EPS12Vは60cmとやや長めになっている。80PLUS Standard認証も取得している。

この価格の製品としてはめずらしい+12V出力1系統仕様。出力は44Aと大きめ

ATX24ピンが最初から12Vを割り込んでいるほか、負荷がかかると0.4V以上下がるなど電圧の変化が非常に大きい


このクラスの電源ユニットとしては異例の5年という長期保証が設定されている
ファン:12cm角×1(底面)
電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×1、ペリフェラル×3、Serial ATA×6、PCI Express 6+2ピン×2、FDD×1
価格と性能のバランスを取るため、
採用回路や部品実装をうまくシェイプアップ

【内部仕様】
・1次側コンデンサ:Su'scon 85℃品
・2次側コンデンサ:Su'scon 105℃品など
・搭載ファン:ADDA AD1212US-A71GL
・基板:紙エポキシ基板
低価格化のためコストを削れるところは削った製品。と言っても悪い意味ではなく、比較的廉価な500Wクラス製品の中ではうまくバランスを取った実装をしている。1次側の平滑コンデンサには台湾メーカーの85℃品を使っているが、製品の設計は適切。必要な容量を持ち、一定の冷却ができる環境で使われるなら、問題にはならない。スイッチング回路は標準的な2スイッチのフォワードコンバータ回路を構成していて、特筆するような回路構成はない。出力回路もオーソドックスな構成で、パターンやケーブルの配線はきれいとは言い難いが、最低限の仕上がりは確保されていて、ATX電源としては一般的なレベルで問題になるものではない。(Ta 152H-1)

1次側の平滑コンデンサは85℃品だが、正しく設計して選択された部品なら、実用上十分な信頼性を確保できる

出力ケーブルが密集し、コンデンサと干渉しそうなのはある意味ATX電源らしいが、熱問題を考えるともっとスマートにしたい