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電源の仕組を分かりやすく解説
TEXT:鈴木雅暢
電源選びのツボ・その1 電圧の安定性と信頼性を考える
+12V系の出力が重要 コンデンサにも注目
 電源ユニットは、複数の系統(電圧)の電流を供給するので、スペック表にはそれぞれの系統ごとに出力可能な最大値が記載されている。PCの安定性という意味では、すべての系統でシステム構成に見合った十分な出力を持つ電源ユニットを利用することが必要だ。とは言っても主要パーツのほとんどが+12V系を利用するため、注目するのは実質+12V系のみでよい。+12V系を複数に分けているのは安全規格に配慮したものだが、ハイエンドビデオカードなどを使用する場合、1系統あたりの最大値がボトルネックになることがある。それを回避するため+12V系を1系統にまとめたり、複数系統でも1系統ごとの出力に余裕を持たせたりした製品が増えている。

 また、電源自体の品質の目安となるのが、コンデンサ(アルミ電解コンデンサ)の品質だ。アルミ電解コンデンサは電解液をアルミケース内にゴムで封止したものであり、電解液が徐々に蒸発していくことで経年劣化していく。電源の劣化はほとんどがコンデンサの劣化が原因と言ってよい。コンデンサには許容最高温度が105℃と85℃の2種類があり、同一環境ならば単純計算(アレニウスの10℃2倍則による)で105℃品は85℃品よりも4倍寿命が長い。また、日本製コンデンサは封止ゴムの品質などが優れており、同じスペックでも日本製のほうが長寿命。最近の電源では負荷の高い2次側整流だけでなく1次側整流にも105℃品を使ったり、日本製コンデンサを採用したりする製品が増えている。なお、2次側のコンデンサ性能は出力電圧の安定性にも関係し、高級コンデンサはコンデンサ自体の発熱(損失)も少ないため、寿命だけでなく、総合的にメリットがある。
imageコンデンサの品質は重要
コンデンサ品質は電源ユニットの寿命を大きく左右する。2次側だけでなく1次側にも105℃品や日本製コンデンサを利用した製品が増えた
image長期保証で安心
保証期間も電源ユニットの品質を判断する目安の一つになる。高品質・長寿命をうたう製品では3年以上の長期保証もめずらしくない
出力スペック表の見方
image
(1)AC Input(交流入力)
AC(交流)入力の仕様。対応できる交流の電圧と周波数が示されている。日本の家庭用商用電源は100V、東日本が50Hz、西日本が60Hzである。
(2)DC Output(直流出力)
出力できる系統(電圧)と各系統の最大出力。注目するのはCPU、GPU、HDDなどの主要パーツが使う+12V系。通常は安全規格に配慮して複数系統に分かれているが、1系統にまとめた製品もある。+5Vsb系はスタンバイ時に使う電流。Vistaでは2A以上が条件だが、それより多少余裕が欲しい。
(3)+3.3V系+5V系合計出力
+3.3V系と+5V系合計で同時に出力できる最大値。単純に両系統の最大出力の合計とは限らない。この場合、+5V系で最大の100W(20A)使用している間は+3.3V系で使えるのは残り20W(6A)のみである。現行システムではほとんど気にする必要がない。
(4)+12V系合計出力
+12Vの各系統合計で同時に出力できる最大値。単純に各系統の最大出力の合計とは限らない。この場合、+12V1で22A出力している間は残りの2系統で出力できるのは合計で11Aまで。このように1系統ごとの制限が緩く、合計出力よりも各系統の最大値の合計がかなり大きいのが最新電源の特徴である。
(5)Total Power(総合出力)
電源の総合出力、いわゆる電源の「容量」と呼ばれるもの。全系統合計で同時に出力できる最大値であるが、これも各系統の合計とは限らない。最新設計の電源は、総合出力と+12V系合計出力(4)の差が少ないのが特徴。瞬間的な要求に対しごく短時間だけ供給できるピーク出力(定格の1割増程度)を併記している製品もある。
製品によって表記が電力(W)だったり、電流(A)だったりするが、電力=電圧×電流なので、変換して考えればよい
電源選びのツボ・その2 重要性が高まる変換効率と力率
高効率の証明となる「80PLUS」 さらに高効率な上位認証も
 電源ユニットは100Vの交流から各パーツの動作に必要な直流を作り出しているが、この交流→直流の変換効率への注目度が高まっている。この効率は高ければ高いほど電源自体の発熱が小さいことを意味する。たとえば、効率80%の電源は、500Wの交流のうち直流として使えるのは400Wであり、残りの100Wは回路の電力損失=熱になってしまう。それを放熱するために電源ユニットにはファンが搭載されているわけだ。つまり効率の高い電源ほど少ない風量でも放熱できるため、静音化しても信頼性が保持できる裏付けとして価値が高まっている。

 高効率の目安となるのが、業界団体によるエネルギー効率向上推進プログラム「80PLUS」だ。「80PLUS」認証を取得するには、負荷率20%、50%、80%のすべての環境下において、変換効率が80%以上(かつ力率も90%以上)という基準を満たす必要があり、高効率、高力率の客観的な裏付けとなっている。80PLUS Bronze(効率82~85%以上)、Silver(85~88%以上)、Gold(87~90%以上)といった上位規格もある。

 変換効率と混同されやすい要素に「力率」があるが、これは別の要素である。力率とは、交流のうち直流への変換に使われる電力の割合を示す。交流の場合、電流と電圧の位相に時間のズレがあるため使えないムダな電力(無効電力)が生じる。無効電力は消費されず回路へ戻るため、力率はよくても悪くてもPCの消費電力や発熱とは直接関係なく、電気代も基本的に変わらない(電力会社によっては高力率割引がある)。しかし、力率の悪さは発電所/送電所にとって深刻な負担となり、環境にやさしくない。ブレーカーが落ちやすくなる原因にもなる。
image効率の目安となる80PLUS認証
80PLUSのWebサイトでは、80PLUS認証を受けている電源ユニットの一覧や詳細なテストデータなども見ることができる
image力率はActive PFCで大幅改善
力率はActive PFC回路により大幅に改善でき、95%以上の高力率製品も少なくない。コスト増になるため低価格品では省かれることもある
image
変換効率50%の電源ユニットでは、コンセントから入力される交流を、PCが利用する直流に変換すると電力が半分になってしまう(もう半分は熱に変わる)。たとえば、純粋な消費電力が200WのPCを動作させるために必要な電力は400Wにも上る。変換効率80%の電源ユニットでは、交流を直流に変換後も80%の電力が残る。残りの20%は熱になるが、効率50%の電源よりはずっと少ない。純粋な消費電力が200WのPCを動作させるために必要な電力は250Wですむ

直流は電圧×電流=電力(単位:W)だが、交流は電圧と電流の位相にズレがあるため、電圧×電流のすべてが有効な電力として使えるわけではない。交流の電圧×電流は「皮相電力(単位:VA)」として表わす
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力率とは「交流をどれだけ直流への変換に使えるか」を示す。たとえば、力率90%、効率80%の電源は、約555W(正確には約555VA、VAは皮相電力の単位)の交流のうち500Wを使って400Wの直流に変換する。使われなかった55W(55VA)はコンセントへ戻っていくため消費電力や発熱には影響しない
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