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TEXT:北川達也 | |||||||||||||||||||
構成要素を完全理解 | |||||||||||||||||||
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NANDメモリを記録媒体に採用したSSDは、HDDの代替として使用できるだけの信頼性とHDD以上の高速性を実現するためにさまざまな工夫が施されている。ここでは、SSDの仕組について解説しよう。 | |||||||||||||||||||
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NAND型フラッシュメモリ(以下、NANDメモリ)を記録媒体として採用したSSDの内部構造は、稼働部品を持つHDDとは異なり非常に単純な構成となっている。その中心となるのは、NANDメモリの制御を行なうNANDメモリコントローラとNANDメモリだが、最近ではキャッシュなどに使用するDRAMチップも多くの製品で搭載されるようになった。 これらSSDを構成するパーツの中で、その性能や信頼性にもっとも大きな影響を与えるのがNANDメモリコントローラである。たとえば、SSDの理論上の最大速度は、NANDメモリの並列アクセス数によって決定される。これは、各社のNANDメモリチップ自体の速度差が、ほとんどないからだ。チップ単体が同じ速度なら、並列アクセス数が多いほどSSDの理論上の速度が速くなる。現在のSSDでは、16チャンネル並列アクセスを採用したNANDメモリコントローラが一般的だが、32チャンネル並列アクセスを採用すれば、理論上の速度は、現在の2倍に向上することになる。 また、NANDメモリコントローラが提供する後述のウェアレベリングや不良ブロックの管理、エラー訂正などの機能は、いずれもHDD並みの信頼性を実現するためには欠かせない要素で、なかでもウェアレベリング機能は、SSDの寿命を支える要になるものだ。と言うのも、NANDメモリは、データの書き換え回数に制限がある上に、書き込み時にも厳しい制限が付けられているからである。まず、書き換え回数の制限だが、NANDメモリには、SLC(シングルレベルセル)とMLC(マルチレベルセル)があり、一般的にSLCが10万回程度、MLCで1万回程度が書き込み回数の上限とされる。また、書き込み時の制限とは、NANDメモリでは、データの書き込み/読み出し時の単位と消去の単位が異なっていることに加え、データの上書きを行なえないことである。 |
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(1)インターフェース 大部分のSSDは、PCとのインターフェースにSerial ATAを採用する。IDE接続のSSDも販売されているが、その場合は、Serial ATAーIDE変換チップを使用していることが多い。 |
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(2)筐体 デスクトップPCでもノートPCでも使用できる2.5インチサイズの筐体が主流で、1.8インチの製品も販売されている。採用している筐体の材質は樹脂やスチールなどメーカーによってさまざまだ。 |
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(3)NANDメモリコントローラ NANDメモリの読み書きやPCとのデータのやり取りを行なうパーツ。現在のSSDでは、NANDメモリの16チャンネル並列アクセスを搭載したコントローラを採用した製品が一般的。 |
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(4)キャッシュメモリ キャッシュメモリは、通常、NANDメモリの管理情報の保管やデータのキャッシュに使用される。容量が多い製品では、256MBのキャッシュメモリを搭載するケースもある。 |
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(5)NAND型フラッシュメモリチップ 現在のSSDでは、TSOP(Thin Small Outline Package)タイプのNANDメモリチップを搭載しているケースが多い。通常、コントローラの並列アクセス数と同じ数、またはその2倍の数のチップを実装している。 |
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SSDの構造図 NANDメモリコントローラには多くの機能が実装されている。SSDの性能や信頼性向上の鍵はNANDメモリコントローラが握っていると言ってよい |
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NANDメモリは、書き込み/読み出しを「ページ」と呼ばれる単位で行なうが、消去は、複数のページをまとめた「ブロック」という単位で行なう。また、データの上書きが行なえないため、ページ内のデータを変更するときは、そのページを含むブロック全体のデータを空きのあるブロックに待避させ、消去を行なった後に、変更したデータとともにブロック全体を書き戻すという「ブロックコピー」と呼ばれる処理を行なう必要がある。つまり、NANDメモリでは、わずかなデータの変更のために、より多くのデータを書き込まなければならないというムダが発生するのだ。 ウェアレベリングは、このようにムダな書き込みが発生するNANDメモリにおいて、記録エリアごとの書き換え回数を常に監視し、その情報を管理することで同じエリアばかりにデータの記録が集中しないように平準化する機能だ。また、不良ブロックの管理は、エラーが発生し、リード/ライトが行なえなくなった記録領域を管理リストに登録し、二度と使用しないようにする機能で、エラー訂正機能は、NANDメモリに記録したデータの信頼性を確保するためのものである。SSDの基本性能は、これらの処理を行なうNANDコントローラで決まると言ってもよい。 |
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ブロックコピーの概念図 ページ内のデータを書き換える場合は、そのページを含むブロック全体のデータをバッファに読み出し、別のブロックに待避する必要がある |
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ウェアレベリングの仕組 ウェアレベリングは、書き込み回数を平準化する機能。記録エリアを監視し、特定の場所に書き込みが集中しないように管理している |
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