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キーワードで理解する最新HDD
TEXT:鈴木雅暢
keyword 3 Serial ATA 2.5のメリット
 ここ1、2年の新製品HDDは、ほぼすべてがSerial ATA 2.5(The Serial ATA Revision 2.5 Specification)の仕様を満たしている。Serial ATA 2.5は、従来Serial ATA 1.0aを引き継ぐ公式な仕様書で、数々の拡張仕様が盛り込まれている。

 Serial ATA 2.5の主な拡張機能は別表にまとめたとおりだが、これらの拡張仕様はそれぞれオプション的な存在であり、これらすべてをサポートしなければならないという種類のものではないため、実際の製品における機能は「Serial ATA 2.5対応」という言葉とは別に、それぞれ製品ごとに判断する必要がある。つまり、一口に「Serial ATA 2.5対応HDD」と言っても、3Gbps転送だけをサポートする製品もあれば、NCQだけもサポートする製品もあるわけだ。もっとも、最近の新製品はほとんどがNCQと3Gbps転送の両方に対応しているものになっている。

 Serial ATA 2.5の拡張機能の中で、性能面で大きな影響があるのはNCQだろう。NCQは、コマンドを並べ換えて実行することで、ディスクアクセスを効率化する機能。たとえば、ABCDと四つのリードコマンドを実行する場合、通常はまず「A」のとおりにAを読みにいってデータを返し、それから次の「B」というコマンドにたどり着く。一方、NCQではABCDのコマンドをまとめて発行。キャッシュ内にためておき、ドライブのシーク動作と回転待ち時間が最小限ですむように「ADCB」というようにコマンドを並べ換えてから実行する。ランダムアクセス性能の高速化ほか、機械動作部品の消耗低減、騒音の減少にもつながる。

 Serial ATAの外付けに関する新仕様の総称であるeSATA(External Serial ATA)に含まれる各種仕様も、Serial ATA 2.5で拡張されたもの。eSATAの大きな特徴の一つが、外付け用に新しく定義されたケーブル/コネクタ。コネクタは内蔵用のL字形からシールドプレートを設けた水平型へ変わり、耐挿入回数は内蔵用の50回から5,000回へと増加。ケーブルもシールドが強化され、最大長が内蔵用の1mから2mへと延長されるなど、物理的電気的両面の強度がアップし、使い勝手が増している。また、Serial ATAは基本的にポートとHDDを1対1(Point to Point)接続するのが原則だが、これでは複数HDDを外付けする場合に不便だ(4台収納ならば4本ケーブルが必要)。そのため、1ポートから複数のデバイスへハブで分岐する「ポートマルチプライヤー」という仕様や、複数の信号を1本のケーブル内にまとめて送れるマルチレーンのケーブル/コネクタも追加されている。何よりのメリットは、外付けインターフェースながら、内蔵用Serial ATAと同じ3Gbpsまたは1.5Gbpsの転送速度が利用できることである。
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Serial ATAの主な仕様。2.5では転送速度が向上しただけでなく、さまざまな機能が拡張仕様として追加されているが、どれも必須ではない
Serial ATA 2.5の拡張機能
ネイティブコマンドキューイング(NCQ) リードコマンドをキャッシュ内で並べ換えて効率的よく実行する機能。ランダムアクセス性能が向上する
ホットプラグ システムの電源を落とすことなくHDDの着脱を可能にする機能
SATA-LED アクセス/スタンバイなどHDDのステータスを知らせるインジケータLEDの仕様
スタッガードスピンアップ 複数台のHDDを接続した際に、それぞれのHDDがスピンアップするタイミングをずらすことでピーク消費電力を抑える機能
ポートセレクタ 一つのHDDに異なる二つのコントローラのポートを接続することで冗長化する機能
ポートマルチプライヤー ポートを分岐することで一つのコントローラに最大15台のHDDを接続できる機能
ケーブル/コネクタ仕様Vol.2 eSATAやマルチレーン、RAID用バックプレーンなどの新仕様のケーブルとコネクタを追加
3Gbps転送 Serial ATA 1.0の転送速度(150MB/s)の2倍の300MB/sの転送速度を実現
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Serial ATAでは基本的にポートとデバイスとを1対1で接続することが原則だが、それでは複数HDDを外付けする場合に不便だ。そこで追加されたのが、1ポートから分岐して接続できるポートマルチプライヤーだ。利用にはコントローラ側もポートマルチプライヤーに対応している必要がある
keyword 4 プラッタ容量増加による速度向上
 プラッタ容量、記録密度の増大は、容量の増加だけでなく、シーケンシャルアクセスの性能向上にもつながる。その理屈は右の図で示したとおりだが、HDDのデータはプラッタ上にセクタという単位で記録されており、セクタサイズは512Byteで一定である。記録密度が高まると、セクタ一つ一つに使うプラッタ上の物理的な大きさは小さくなっていく。そして、回転速度が同じであれば、記録密度が高い(=1セクタの物理サイズが小さい)ほうが、一定時間内に回転する円周の距離は同じでも、多くのセクタにアクセスできるため、より速く読み書きできるということだ。また、内周よりも外周のほうが多くのセクタが記録されているため、HDDのシーケンシャルアクセスは最外周が最速で、内周に行くにつれて少しずつ遅くなっていく。

 ちなみに、記録密度には、プラッタの半径内にいくつトラックがあるかという密度(トラック密度)と、円周方向にどれだけのセクタが記録されているかという密度(線記録密度)の2種類がある。プラッタ1枚あたりの容量がアップする場合、基本的にはこれらは両方とも増加するので難しく考える必要はないが、性能に影響するのは後者の線記録密度のほうで、前者のトラック密度はいくら高密度化しても性能向上にはつながらない。
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記録密度の向上で、プラッタ容量が増大すれば、線記録密度が高まり、シーケンシャルアクセスの性能が向上する
keyword 4 Windows Vista時代の新技術
 ノートPCなどに使われる2.5インチや1.8インチのHDDは、プラッタサイズが小さく回転速度も5,400rpmや4,200rpmと遅い製品が多いため、トータル性能では7,200rpmの3.5インチHDDよりもかなり遅い。この低速なHDDのパフォーマンスは、モバイルPCの最大のボトルネックとも言われている。そこでMicrosoftでは、Windows Vistaを実行するモバイル向けPCに、フラッシュメモリバッファを備えた「ハイブリッドHDD(ReadyDrive)」の搭載を推奨している。Windows Vistaでは、ユーザーが頻繁に使用するファイルやアプリケーションを分析してメインメモリにキャッシュしておくSuper Fetchという機能があり、この保存先としてフラッシュメモリを使うReadyBoostという機能を持つ。ハイブリッドHDDはこれを応用したもので、このSuper FetchのキャッシュやOSの起動に使うファイルなどをハイブリッドHDDのフラッシュメモリに保存しておくことで、起動や休止、および使用再開などを非常に高速に行なえるようになると言う。フラッシュメモリにヒットしている間はHDDにアクセスしないため、機械的負担が減り、バッテリ寿命も延びる。移動中にHDDに異常が発生するリスクも低減するなど、モバイルPCにとっては都合がよい。

 似た技術には、Intelの次世代モバイルプラットフォームのオプションとして提案している「Robson」テクノロジがある。これは、PCI Express x1バスにフラッシュメモリを接続し、HDDのキャッシュとして使う技術だが、これもWindows VistaのReadyBoost機能を利用するということが明らかになった。

 これらによって実際にどのくらい速度が向上するのかは使ってみなければ分からないが、楽しみな技術であることは間違いないだろう。ちなみに、ハイブリッドHDDとしては、すでにSeagateが「Momentus 5400 PSD」を発表済みで、実装フラッシュメモリの容量は256MBだ。
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ハイブリッドHDDとRobsonの実装上の違い。Windows VistaのReadyBoost機能を利用する点では共通している
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Robsonは、CPU演算性能とHDDアクセス性能のギャップを埋める技術と位置付けられている
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