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最強 空冷CPUクーラー決定戦
TEXT:多和田新也
CPUクーラー使いこなしワンポイントガイド
ここではCPUクーラーの性能をさらに向上させたり、使いやすくしたりするためのワンポイント強化テクニックを紹介する。CPUクーラーの強化を考える際はぜひ参考にしていただきたい。
シリコングリスを変更する
 CPUとCPUクーラーの間に塗布するシリコングリス。このグリスは、CPUの熱をヒートシンクへ伝える手助けをするものと解釈すればよい。CPUとヒートシンクの表面にはわずかながらも細かい凸凹があるため、両者をそのまま密着させると部分的に空気の層ができてしまう。空気というのは熱伝導率がきわめて悪く、ヒートシンクへ熱を伝える上での障害となる。それを防ぐため、細かい凸凹を埋め、密着度を高めてくれるシリコングリスを間に挟むわけだ。これをより高性能なものに変えることで、さらなる性能向上を期待できる。

 今回は実際にグリス5製品を検証してみた。下のグラフを見ていただければ分かるが、グリスの違いだけでも10℃以上の開きが出ている。もっともよい結果を出したLiquid PROは、粘度の非常に低い液体状の金属を利用しており、その効果は飛び抜けている。容量のわりに値段が張るのと、アルミのヒートシンクには利用できないのがネックだが、条件が整えば検討の価値がある製品だ。なお、前述のとおりシリコングリスの熱伝導率はヒートシンクに比べれば低いので、ムダに厚く塗ってしまうと、それだけ全体の熱伝導率は下がってしまう。塗り方一つで1、2℃は軽く変わってくるので、新しいグリスを購入する前に、現在のグリスの塗り方を見直してみるのもよい。
image
【検証環境】
CPU:Pentium XE 965(3.73GHz)
マザーボード:Intel D975XBX(Intel 975X)
メモリ:PC2-5300 DDR2 SDRAM 512MB×2
ビデオカード:ELSA GLADIAC 743 128MB(GeForce 6600)
HDD:Western Digital WD360GD(Serial ATA、10,000rpm、36GB)
CPUクーラー:リテールクーラー

テスト内容:
起動から3分後のアイドル時と、約6分間のMPEG2エンコードをTMPGEnc 3.0 XPress上で実施することで、4スレッドがフルに動作し続ける状況のピーク温度を測定。温度測定にはSpeedFan 4.28を使用。なお、機器の故障を避けるため、CPU温度が75℃を超えた時点で計測を中止している
CPU用シリコングリスカタログ
アイネックス
GS-01
公称熱伝導率:0.62W/m・K
実売価格:200円前後
問い合わせ先:support@ainex.jp
URL:http://www.ainex.jp/
image白くて粘度の低い一般的なグリス。CPUクーラーの多くに同梱されているのが、このタイプだ
Arctic Cooling
MX-1
公称熱伝導率:公称値なし
実売価格:1,000円前後
問い合わせ先:support@scythe.co.jp(サイズ)
URL:http://www.scythe.co.jp/
image熱せられるほどに粘度が低くなり、より熱伝導率が上がるというグリス。金属素材を使っていないのでショートの心配もない
Arctic Silver
Ceramique
公称熱伝導率:5.10W/m・K
実売価格:1,000円前後
問い合わせ先:support@ainex.jp(アイネックス)
URL:http://www.ainex.jp/
imageセラミック素材である酸化アルミ、ポラゾン、酸化亜鉛を利用したグリスで、導電性がないのが特徴
Arctic Silver
Arctic Silver 5
公称熱伝導率:9.00W/m・K
実売価格:1,700円前後
問い合わせ先:support@ainex.jp(アイネックス)
URL:http://www.ainex.jp/
image純度99.9%の銀を混合したいわゆるシルバーグリス。銀はグリスによく使われる酸化アルミなどよりも熱伝導率が高い
CoolLaboratory
Liquid PRO
公称熱伝導率:82.00W/m・K
実売価格:2,500円前後
問い合わせ先:03-5295-1033(グロウアップ・ジャパン)
URL:http://www.gup.co.jp/
image液体化した金属そのものをグリスとして利用する製品。アルミなどを腐食させるため注意が必要だが、性能は非常に高い
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アイネックス
シリコングリス用へら
実売価格:200円前後
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Arctic Silver
2ステップ
グリスクリーナー
実売価格:1,500円前後
薄くきれいに塗るためにはへらを使うとよい。また、古いグリスが残っていると熱伝導率を下げる原因になるため、塗り換える際はグリスクリーナーなどで掃除しておこう
問い合わせ先:support@ainex.jp(アイネックス)
URL:http://www.ainex.jp/
ファンを換装する
 CPUクーラーにおける冷却ファンは非常に重要性の高いパーツだ。だが、その役割はヒートシンクの補助的存在という位置付けになる。ヒートシンクからの放熱を促進するために、CPUから奪った熱を吹き飛ばし、ヒートシンクと周辺温度の差を大きくする手助けをするのがCPUクーラーにおけるファンの役割だ。

 それを交換する意義の一つは、もちろん冷却性能を向上させることだ。ファンの風量などの要素が重要になるが、これらの数字を大きく左右するのがファンの口径と回転数だ。一般にファンの口径が同じであれば、回転数が高いほど風量が増す。また、回転数が同じであれば、口径が大きいほど風量が増すという関係になっている。

 実際にヒートシンクを統一して、9cm角のファンのみを交換して冷却性能の変化を検証した。下の結果を見て分かるように、おおよそファンの回転数に応じてリニアに冷却性能が上がっていることが分かる。また、一回り口径が大きい10cm角のファン(風拾)もあわせて用意したが、同じ1,000rpmで9cm角の製品に比べ、冷却性能が上がっている。冷却性能を向上させる目的であれば、ファンをより回転数が高いもの、もしくは口径の大きいファンに交換するだけでも変化が期待できるのである。

 一方でファンは、PCの大きな騒音源ともなっている。PCの静音化を考える上でもファンの交換は重要な存在なのだ。現在では、むしろこちらを目的としたファン交換のほうが主流と言える。ファンの回転数を下げれば騒音も下がるというのが分かりやすい考え方で、それはおおむね間違っていない。騒音を下げたければ、回転数の低いファンへ交換すればよいし、交換前と同等の風量を得たいのであれば、ケース内空間やヒートシンクの形状にも制限はされるが、回転数の低い、より大きな口径のファンへ交換すればよい。

 ただ、ファンの騒音を決める要素は回転数だけではなく、羽根の形状やファンの軸受け(ベアリング)方式にも左右される。羽根の形状は一般に丸みがあるほうが風切り音が小さいとされている。一方、軸受けの種類はメジャーなものでスリーブ、ボール、流体といった種類がある。静音性を重視するのであれば、物理的に接触する部分が少ないスリーブや流体軸受けのほうが、回転時の摩擦音が小さく、静音化には向いていると言える。ただ、ボールベアリングタイプのほうが一般的に経年劣化に強く、比較的長期間にわたってノイズの変化が少ないと言われている。
image
【検証環境】
CPU:Pentium XE 965(3.73GHz)
マザーボード:Intel D975XBX(Intel 975X)
メモリ:PC2-5300 DDR2 SDRAM 512MB×2
ビデオカード:ELSA GLADIAC 743 128MB(GeForce 6600)
HDD:Western Digital WD360GD(Serial ATA、10,000rpm、36GB)
CPUクーラー:EVERCOOL HPC-925CA

テスト内容:
起動から3分後のアイドル時と、約6分間のMPEG2エンコードをTMPGEnc 3.0 XPress上で実施することで、4スレッドがフルに動作し続ける状況のピーク温度を測定。温度測定にはSpeedFan 4.28を使用。CPU温度が75℃を超えた時点で計測を中止している。騒音の計測距離はファンから10cm
CPU用ファンカタログ
山洋電気
9AH0912B4031
騒音実測値:31dB 回転数:1,000rpm
実売価格:3,000円前後
問い合わせ先:046-236-3522(オウルテック)
URL:http://www.owltech.co.jp/
image二つのボールで軸を支える2ボールベアリングと呼ばれる方式のファン。サイズは9cm角。回転数が低いこともあって、きわめて静か
サイズ
風拾
騒音実測値:34dB 回転数:1,000rpm
実売価格:1,000円前後
問い合わせ先:support@scythe.co.jp
URL:http://www.scythe.co.jp/
image10cm角のファンながら、9cm角用のネジ穴を設けているファン。9cm角で利用可能な1,000rpm品としては風量が大きい
Xinruilian
RDL9025SBK16
騒音実測値:40dB 回転数:1,600rpm
実売価格:1,000円前後
問い合わせ先:03-3488-1526(親和産業)
URL:http://www.shinwa-sangyo.jp/
imageスリーブベアリングを採用した9cm角ファンで、羽根の形状を工夫するなどして静音性を重視している製品
Arctic Cooling
Arctic Fan 9
騒音実測値:47dB 回転数:2,000rpm
実売価格:1,000円前後
問い合わせ先:support@scythe.co.jp(サイズ)
URL:http://www.scythe.co.jp/
imageフレームレスが特徴の流体ベアリング採用ファン。ファンの内側からしかネジ止めできないのでヒートシンクを選ぶ点に注意。サイズは9cm角
ADDA
CF-90R
騒音実測値:69dB 回転数:3,800rpm
実売価格:1,800円前後
問い合わせ先:support@ainex.jp(アイネックス)
URL:http://www.ainex.jp/
imageボールベアリング方式の高回転9cm角ファン。騒音は大きいが、その分冷却効果はほかを圧倒している
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