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Intel Core Duo & Viiv
TEXT:笠原一輝
PCにデジタルエンタテイメントの新しい形をもたらす
Intel ViivTechnology
image Intelが発表したIntel Viiv Technology(以下、Viiv)は、一義的にはIntelのデスクトップPC向けの新しいプラットフォーム名だが、その目指すところは、言ってみれば新しいエンタテイメントエコノミーの構築といった壮大なプランでもある。その計画自体が従来のPCの枠には当てはまらないものであるため、既存のPCユーザーにとっては、その全体像を理解するのが難しいことも事実だ。本レポートでは、そうしたViivの基本的なコンセプト、PCがViiv対応となるための条件、Viivマシンを自作する場合のポイントとメリット、そしてViivの未来などに関して紹介していきたい。
Viiv対応PCとなるための要件
CPU Intel製デュアルコアCPU(Pentium XE/D、Core Duo)
チップセット Intel 945/955/975シリーズ、ICHはICH7-DHかICH7M-DH
有線LAN Intel PRO/1000 PM、Intel PRO/100 VE/VM
オーディオ HD Audio
HDD NCQをサポートしたSerial ATA HDD
ソフトウェア Viivソフトウェア、Matrix Storage Console、Quick Resume Technology Driver
OS Windows XP Media Center Edition 2005+Update Rollup2
新しいビジネスモデルの構築を加速するViivの考え方
 IntelがViivで目指すところは、言ってみればPCを中心とした新しいエンタテイメントエコノミーのエコシステムの構築だ。下図は、IntelがViivで構築しようとしている、新しいビジネスモデルの概念図となる。

 まず、IntelやMicrosoftがPCメーカーやOEMベンダーに対して、Viivに対応したコンポーネントやOSを提供する。OEMベンダー各社は、それらのコンポーネントを利用することで、自社のPCにViivのブランド名を冠することが可能になる。IntelやMicrosoftは、コンポーネントやOSの出荷量が増えるという点でメリットがあり、OEMベンダー側にもIntelが提供しているIIP(Intel Inside Program)による広告費補助が増加するメリットがある。

 Intelは、プレミアムコンテンツと呼ばれるViiv専用の有料コンテンツを提供するサービスプロバイダに対して、資金援助を含むサービスを提供し、Viivに対応したコンテンツに対してロゴを発行する。サービスプロバイダにすれば、Intelからの資金やビジネスチャンスの拡大というメリットがある。

 エンドユーザーの側から見た場合には、Viivのロゴが付いたPCであれば、サービスプロバイダ各社が提供するコンテンツを間違いなく視聴できるのだと安心して購入できるところにメリットがある。これまで、サービスプロバイダ各社でバラバラにコンテンツを提供していた場合に比べ、どのPCを購入すればサービスを享受できるかが、ロゴにより一目で分かるようになるのだ。

 重要なことは、こうしたエコシステムを構築することで、お金が回り出すことだ。資本主義社会において、お金が回り出すことはビジネスモデルを構築する上での必須条件と言える。IntelがViivで最終的に狙っていることは、この仕組の上で安定してお金が回り出すことだ。
Viivのエコシステムの考え方
image
条件を満たせばユーザーがViiv対応PCを自作することも可能
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Intel Viiv Technology Test Utilityの画面。IntelのWebサイトからダウンロードできる
 ノートPCにCentrino Mobile Technologyブランドを冠するときにも、Intelが定めたCPU+チップセット+無線LANを搭載していることという条件が付いていたように、PCメーカーやOEMベンダーがPCにViivブランドを冠するときにも、いくつかの条件を満たす必要がある。その条件はCentrinoよりも厳しく設定されている。具体的には別表のとおりだ。

 見逃されがちな条件として注意したいのは、チップセットのICHだ。単なるICH7やICH7Rではダメで、後ろにDHが付けられているICH7-DHないしはICH7M-DHが必要になるので注意したい。ICH7-DHはICH7Rに後述するViivソフトウェアなどをバンドルしたバージョンとされており、機能そのものはICH7Rと同等となっている。ただし、Viivを利用するには必須の条件となるため、Viivマシンを構成する際には、末尾にDHが付いたICHが必要になる。

 もう一つ見逃されがちな点としては、NCQ(Native Command Queuing)と呼ばれる命令に対応したSerial ATAのHDDが必要になることが挙げられる。NCQをサポートしているSerial ATA HDDは、いわゆるSerial ATAIIと呼ばれる世代の製品で、Viivマシンを構成する際にはやはりこれも必要になる。
 ソフトウェア側の条件としては、OSにWindows XP Media Center Edition 2005+Update Rollup2が必要になる。さらに追加のソフトウェアとして、Viivソフトウェア、Matrix Storage Console、Quick Resume Technology Driverという三つをインストールする必要がある(これらのドライバソフトウェアはIntelのWebサイトで公開されている)。

 これらの条件を満たすことができれば、ユーザーがViiv対応PCを自作することも可能だ。実際、IntelやGIGABYTEからはViivに対応したマザーボードがすでに発表されている。これらを利用して、表の要件を満たせば、Viivマシンを自作することができる。なお、自作したマシンがViivに対応しているかどうかは、IntelがWebサイトで公開しているViivのテストユーティリティ(Intel Viiv Technology Test Utility)を利用することでチェックすることができる。
現時点ではViivに対応するメリットはほとんどない
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Windows XP MCE2005のメディアオンラインに表示されるViivロゴ
 Viivに対応したマシンと、Viivに対応していないマシンの違いはどの辺りにあるのだろうか? 現時点で、その違いは二つ。一つは、Viivに対応したコンテンツサービスで、Enjoy with Viiv Technologyというロゴマークが表示される点だ。これは、Viivソフトウェアをインストールすることで、表示されるようになる。逆に言えばこれだけの違いで、とくに新しいコンテンツサービスを利用できたりするというわけではない。

 もう一つはQuick Resumeと呼ばれる新しいアイドル状態モードが追加されることだ。このQuick Resumeは、PCを待機状態から通常動作状態へ、1、2秒程度で復帰させるものだが、実際には、一般的なレジューム動作をするわけではない。なぜかと言えば、このQuick Resumeでは、PC側でOFFになっているオーディオとビデオの出力をONに変更するだけで、OSの状態は常にS0(つまりは動作状態)から何も変更がないからだ。

 Quick Resumeのドライバをインストールすると、コントロールパネルの電源オプションを選んだ際に“退席中”という新しいタブが追加される。ここから“退席中モード”を有効にすると、Quick Resumeの機能を利用することが可能になる。ユーザーがMCEリモコンの電源ボタンを押すと、Quick Resumeモードへと移行し、ディスプレイ出力とオーディオ出力がOFFになる。その後、もう一度電源ボタンを押すとそれらがONになる。
夏に予定されているバージョン1.5で本格始動
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電源オプションに追加される“退席中”のタブ。“退席中”モードがQuickResume機能だ
 このように、現時点では事実上Quick Resumeが利用できる点だけがメリットと言えるのだが、これは現在のViivソフトウェア(バージョン1.0)がフル機能をサポートしていないことが大きく影響している。

 Intelは、2006年夏にViivソフトウェアのバージョンを1.5へと引き上げ、Viivゾーンと呼ばれるサービスを新たに開始する。Viivゾーンでは、Viiv向けに提供されるさまざまなコンテンツサービスが利用できるようになる。さらに、DTCP-IPを盛り込んだDLNAガイドラインに対応したメディアサーバーも利用可能になり、Viiv対応PCにダウンロードしたプレミアムコンテンツを、ほかの部屋にあるDNLAクライアントからも楽しむことが可能になるのだ。

 つまり、ユーザーがViivの本当のメリットを享受するには、このバージョン1.5を待つ必要があると言える。ただし、Intelでは、Viivソフトウェアの新版を今後もWebサイトなどで公開していく予定であるため、すでにViiv対応PCを持っているユーザーも、将来的なバージョンアップは可能となっている。そうした将来に備えるという意味で、Viiv対応PCを選ぶというチョイスはありだろう。
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