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Intel Core Duo & Viiv
TEXT:多和田新也・笠原一輝・長畑利博
2006年初頭のPC業界はCPUの新製品ラッシュとなった。
まず、Intelはコーポレートロゴのデザインを一新。
さらには65nmプロセスの製品を大挙して投入し、話題を集めている。
一方のAMDは最速のゲーミングCPUとして展開しているAthlon 64 FXの名を初めてデュアルコアのCPUに与え、その実力をアピールしようとしている。
新CPUと、それを核とするIntelの新プラットフォームであるViiv、Centorino Duoの現状をお伝えする。
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Core Duoは1月中旬から店頭に並び始めた。対応マザーボードの発売が待たれる
 Intelの新CPUラインナップにおける大きなポイントの一つは、デュアルコアCPUであるSmithfield(スミスフィールド)コアが90nmから65nmプロセスへとシュリンク、再設計されて登場した「Presler(プレスラ)」コアのPentium D 9xxだ。動作クロックの底上げや2次キャッシュの倍増といった、パフォーマンスに直結する変更がなされた興味深い製品である。しかし、それ以上のインパクトを消費者に与え、完全に話題を独占している製品がある。「Yonah(ヨナ)」の開発コード名で呼ばれた、デュアルコアのモバイル向けCPUだ。このCPUは、1993年に登場して以来、Intelのメインストリーム向け製品のブランドとして使われ続けてきた「Pentium」ではなく、「Core Duo(コア デュオ)」と名付けられた。

 Core Duoはモバイル向けCPUということもあって、SmithfieldやPreslerとは異なる思想で設計され、消費電力あたりの処理性能を重視したものとなっている。Banias(バニアス)/Dothan(ドタン)コアのPentium Mが静音、省スペース志向の自作ユーザーに利用されているが、こうしたモバイル向けCPUをデスクトップPC用として活用する流れは、Core Duoでさらに加速する可能性を秘めている。

 さらにIntelは、「Centrino Duo(セントリーノ デュオ)」、「Viiv(ビーブ)」という、新たなプラットフォーム(CPUやチップセットなどの組み合わせ)ブランドを発表。前者はノートPCで使われてきたCentrinoの後継ブランドで、CPU/チップセット/無線LANチップの要件が一新され、デュアルコアCPUは必須だ。

 後者は、今年新たに登場した、リビングなどに置いてデジタルコンテンツなどを楽しむエンタテイメント向けPCのプラットフォームだ。やはりデュアルコアプロセッサを中心としたシステム要件が規定されている。すでに、このViivロゴを記したマザーボードも販売されており、自作市場においてもこのプラットフォームは注目を集めている。

 一方、デュアルコア元年となった2005年に一気にシェアを伸ばしたAMDは、1月10日にハイエンドゲーマー向けCPUの「Athlon 64 FX-60」を投入。これまでシングルコアで通してきたFXシリーズのデュアルコア化をスタートした。また、AMDもIntel同様に、デジタルコンテンツを楽しむためのプラットフォームとして「AMD LIVE!」を発表した。

 このように両社が新たなデュアルコアCPU、新プラットフォームを発表することで幕を開けた2006年。今年前半の主力製品はこの段階ですでに出揃っており、デュアルコア第2ステージはすでに開始しているといった様相だ。
2006年、新CPU続々登場
TEXT:多和田新也
Pentiumに代わる新ブランドを冠した「Core」プロセッサ
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Core Duo
Pentium Mの後継CPUとして登場した。デュアルコア化以外にも多くの新しい技術が投入されている
 1月6日にIntelが発表した新ブランドのCPU「Core Duo」は、これまで開発コード「Yonah」の名で呼ばれてきたモバイル向けのデュアルコアCPUだ。現時点では、TDPが31Wの通常版はT2600(2.16GHz)~T2300(1.66GHz)の4製品があり、TDPが15Wの低電圧版はL2400(1.66GHz)とL2300(1.5GHz)の2製品をラインナップしている。このCoreシリーズには、シングルコアCPUの「Core Solo」も用意されており、現時点ではT1300(1.66GHz)がラインナップされている。

 Core Duo/Soloは65nmプロセスルールで製造され、システムバスクロックは667MHz。CPUパッケージはPentium M同様にMicroFCPGA478ピンまたはMicroFCBGA479となる。ただし、一部ピンレイアウトが異なるほか、Core対応のチップセットが必要になるため、従来のPentium M用マザーボードは流用できないと考えてよい。

 さて、このCoreシリーズは、Intelの従来のデュアルコアCPUであるPentium Dとは異なるマイクロアーキテクチャを採用しており、そのブロックダイヤグラムも大きく異なる。重要なポイントはバスと2次キャッシュの二つだ。

 まずバスについてだが、Smithfieldコア(Pentium D 8xx)では二つのコアそれぞれにシステムバスを持っており、チップセット側でその調停を行なっていた。これは後述する「Presler」でも同様である。一方、Core DuoではCPU内部に調停機能を持たせている。

 もう一つの大きなポイントが、2次キャッシュの設計だ。これまでに登場したデュアルコアCPUはAthlon 64 X2も含めて、各コアそれぞれに2次キャッシュを持っていたが、Core Duoでは二つのコアで共有する2MBの2次キャッシュを持っている。

 このメリットの一つは、二つの2次キャッシュの調停を必要としない点だ。二つのコアがそれぞれに2次キャッシュを持っていると、必要に応じて二つの2次キャッシュ内のデータの同一性を保つコヒーレンシ制御が必要になる。2次キャッシュを共有することで、この制御は不要になる。

 また、Core Duoには、動作クロックや電圧、アイドル時のCステート(動作中、アイドル中を示すフラグ。アイドル時はよぶんな回路の動作を止める)を、各コアが独立して変更するDynamic Power Coordinationと呼ばれる機能が盛り込まれている。これにより一つのコアだけが動作する場合にはすべての2次キャッシュをそのコアが独占するといったことも可能なのである。さらに、二つのコアが動作しているときにキャッシュへのアクセス速度を向上させるBandwidth Adaptation Bufferなどの機能、必要に応じて有効キャッシュ容量を動的に制限することで使用しないトランジスタの電力を抑制するDynamic Smart Cache Sizingといった機能も盛り込まれており、パフォーマンスと省電力の両面から、さまざまな手法を凝らしたCPUになっている。
image Core Duo(左)とPentium M(右)はピンの数は478ピンで同数だが、一部ピン配置に違いがある。対応するソケットは479ピンであるため、両CPUを搭載することはできてしまうが、対応チップセットの違いにより動作はしない。今後デスクトップPC用マザーボードが多く登場したときにはCPU、マザーボード双方に注意が必要だ
image
2次キャッシュを共有することにより、キャッシュ内容の重複によるオーバーヘッドを減らすことができる。各コア独立して省電力機能を動作可能なのもポイント
Intel Coreラインナップ
製品名 Core Duo
プロセッサ
・ナンバ
T2600 T2500 T2400 T2300 L2400 L2300
動作クロック 2.16GHz 2GHz 1.83GHz 1.66GHz 1.66GHz 1.5GHz
システム
バスクロック
667MHz
2次
キャッシュ
2MB
TDP 31W 15W
実売価格
(前後)
85,000円 57,000円 57,000円 32,000円 未発売 未発売
製品名 Core Solo
プロセッサ・ナンバ T1300 
動作クロック 1.66GHz
システムバスクロック 667MHz
2次キャッシュ 2MB
TDP 27W
実売価格(前後) 27,000円
価格は1月20日「AKIBA PC Hotline!」調べ
シングルコア
Pentium XE/Dラインナップ
製品名 Pentium XE Pentium D
プロセッサ・ナンバ 955 950 940 930 920
動作クロック 3.46GHz 3.4GHz 3.2GHz 3GHz 2.8GHz
システムバスクロック 1,066MHz 800MHz
2次キャッシュ 2MB×2
TDP 130W 95W
実売価格(前後) 130,000円 83,000円 56,000円 42,000円 33,000円
製品名 Pentium XE Pentium D
プロセッサ・ナンバ 840 840 830 820
動作クロック 3.2GHz 3.2GHz 3GHz 2.8GHz
システムバスクロック 800MHz
2次キャッシュ MB×2
TDP 130W 95W
実売価格(前後) 123,000円 63,000円 39,000円 30,000円
従来CPUの正常進化系CPUも続々
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Pentium XE 955
システムバスクロックを1,066MHzに引き上げ、いよいよDDR2の実力を引き出せるCPUとなった
Athlon 64 FX-60
FXシリーズとしては初のデュアルコア製品。クロックもAMDのデュアルコアCPU最高の2.6GHz
 さて、Intelは1月に、デスクトップPC向けの新CPU「Pentium Extreme Edition 955」(以下、Pentium XE 955)と「Pentium D 9xx」シリーズも発表している。こちらも65nmプロセスで製造される。

 スペック上の特徴は、Smithfieldコアでは最高3.2GHzであった動作クロックを引き上げ、Pentium XE 955で3.46GHz、Pentium D 950で3.4GHz動作としている。また、2次キャッシュが各コア2MBの計4MBに増量されている。最上位モデルのPentium XE 955は、Hyper-Threadingをサポートするほか、同社のデュアルコアCPUとしては初めてシステムバスクロックを1,066MHzへと引き上げているのも特徴だ。残念ながら、9xxシリーズの初期リビジョンではEIST(拡張版Speed Step)が利用できない。今後どの時点で利用可能な製品が登場するかは不明だ。

 このほか、Smithfieldコアでは二つのコアを一つのダイに収めていたものを、各コアがそれぞれ一つのダイとなるように変更している。製造時にコア単位で動作品の選別ができるわけで、これにより歩留まりの向上が期待できる。もっとも、独立してFSBを持たせる点や、マイクロアーキテクチャに変更はなく、実使用においては先に示したスペックの向上以外に大きな変化はない。

 また、Intelからは65nmプロセスのシングルコア「Cedar Mill(シーダーミル)」を採用した、「Pentium 4 6x1」シリーズもリリースされている。こちらは631(3GHz)~661(3.6GHz)の4製品がラインナップされている。90nmプロセスではPentium 4 670/672として発売されている3.8GHzのPentium 4だが、同周波数のCedar Mill版はリリースされていない。これは今年半ば以降となる予定だ。

 一方、AMDからは1月10日に同社のハイエンドデスクトップPC向けCPUの新製品「Athlon 64 FX-60」が発表された。これまでのAthlon 64 FXシリーズは、シングルコアのSanDiego(サンディエゴ)コアを継承してきたが、FX-60で初めてデュアルコアのToledo(トレド)コアを採用した。

 動作クロックは2.6GHzで、Athlon 64 X2 4800+(2.4GHz)の上位モデルという位置付けが明確になった。

 これまでAMDは「3Dゲーマーにとってはマルチスレッド処理よりも動作クロックの高さのほうが重要」として、Athlon 64 FXはシングルコアのアーキテクチャを採用してきたが、ATI/NVIDIAがビデオカードドライバのデュアルコア最適化をスタートしたほか、3DゲームのAI処理をマルチスレッド化する流れも起こりつつある。

 これまで別の性格を持っていたAthlon 64 FXとAthlon 64 X2が、はっきり上下関係として位置付けられることになったのは、以前のAthlon 64とAthlon 64 FXの関係に似ており、ユーザーにとっても分かりやすくなったと言えるだろう。
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Pentium D 8xxでは、一つのダイに二つの回路を作り込んでいたため、片方のコアにエラーがあるだけでPentium Dとして出荷できなかった
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各コアを二つのダイに分けることで、動作するダイを二つCPU基板に搭載するだけで製品が完成する。エラーのあるコアだけを排除できムダがない
Athlon 64 FX/X2ラインナップ
製品名 Athlon 64 FX
モデルナンバー 60 57 55
動作クロック 2.6GHz 2.8GHz 2.6GHz
システムバスクロック 1,000MHz
2次キャッシュ 1MB×2 1MB 1MB×2
TDP 110W 104W
実売価格(前後) 136,000円 124,000円 90,000円
製品名 Athlon 64 X2
モデルナンバー 4800+ 4600+ 4400+ 4200+ 3800+
動作クロック 2.4GHz 2.2GHz 2GHz
システムバスクロック 1,000MHz
2次キャッシュ 1MB×2 512KB×2 1MB×2 512KB×2
TDP 110W 89W
実売価格(前後) 95,000円 77,000円 62,000円 50,000円 40,000円
 
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